Broadband Watch logo
バックナンバー

海外から日本のTVが視聴できる3製品を使ってみました
[2006/09/11]
番外編:海外で日本のTV番組が見たい!
[2005/09/22]
番外編:師走のお引越し! フツーの光からハイパーファミリーへ
(後編)
[2005/02/24]
番外編:師走のお引越し! フツーの光からハイパーファミリーへ
(前編)
[2005/02/17]
第百景(最終回):ブロードバンドのためならば、引っ越しだってしちゃいます
西野滋仁
[2004/12/22]
第九十九景:紆余曲折を乗り越えて、FTTHが我が家にやってきた!!
[2004/12/16]
第九十四景:光ファイバへの2年越しの恋、ついに結実!? その3
[2004/12/09]
第九十八景:それでもやっぱりADSL ~えっ速度が4倍に!?~
[2004/12/02]
第九十七景:デジタルとケミカル
永田正男
[2004/11/18]
第九十六景:北陸金沢のブロードバンド事情
[2004/11/11]
第九十五景:アナログから一気に光へ。インターネットで写真を納品
水谷たかひと
[2004/11/04]
第九十四景:光ファイバへの2年越しの恋、ついに結実!? その2
[2004/10/21]
番外編:中国でホットスポット体験、そしてIP電話にも挑戦!
山谷剛史
[2004/10/14]
第九十四景:光ファイバーへの2年越しの恋、ついに結実!? その1
戸塚直太郎
[2004/09/30]
第九十三景:草の根ネットから光ファイバへの道のり
アラカバ大尉
[2004/09/16]
第九十二景:安易な申し込みは混乱の元
Antonio
[2004/09/02]
第九十一景:長かったブロードバンドへの道
小泉 茜
[2004/08/12]
第九十景:生活インフラの中でブロードバンドが最安?
SASUKE
[2004/08/05]
第八十九景:ITアレルギーではないが無知なユーザーの場合
増子夕夏
[2004/07/22]
第八十八景:「細く長く」をめざした長い旅
天野 司
[2004/07/15]
番外編:風光明媚な中国・桂林のブロードバンド旅館
山谷剛史
[2004/07/08]
第八十七景:ブロードバンドでデジカメ画像も即日納品
広路和夫
[2004/07/01]
第八十六景:ファームウェア更新にはご用心!
水浦みお
[2004/06/24]
第八十五景:もう抜けられない。ブロードバンドは生活必需品
kuro
[2004/06/10]
第八十四景:ISDNからADSLへの変更は、回線の奪い合いから
miburo
[2004/05/27]
第八十三景:光の見えない通信隔離地帯
いさおん
[2004/05/20]
番外編:中国の奥地でADSL
山谷剛史
[2004/05/13]
第八十二景:ITによる地域活性化は本物か!?
アマキー
[2004/04/22]
第八十一景:FTTHまでの長い道のり
篠原野明
[2004/04/15]
第八十景:最新のビデオ・オン・デマンド! 予断を許さず!?
井州都幸秀
[2004/04/02]
第七十九景:電話代に泣くも、順調なインターネットライフ、かな?
[2004/03/18]
第七十八景:ブロードバンド花粉症?
[2004/03/11]
第七十七景:最新のデザイナーズマンションにFTTH回線を!(後編)
[2004/03/04]
第七十七景:最新のデザイナーズマンションにFTTH回線を!(前編)
[2004/02/26]
第七十六景:新年ブロードバンド開けましておめでとうございます
狩野大輔
[2004/02/19]
第七十五景:待ちかねたぞ! 100Mbps!
平 雅彦
[2004/02/12]
第七十四景:田舎にもIP電話がやってきた!(後編)
中村繁利
[2004/02/05]
第七十四景:田舎にもIP電話がやってきた!(前編)
中村繁利
[2004/01/28]
第七十三景:わけがわからないままAirH"からCATVに変えました
西野麗子
[2004/01/22]
第七十二景:ネットで納品するならやっぱし光回線とサーバーの設置!
川上卓也(メディアート)
[2004/01/15]
第七十一景:サービスエリアで家選びの顛末
bsubsu
[2004/01/08]
第七十景:大家さんを口説くならNTTにおまかせ!?
津久浦 慶治
[2003/12/26]
第六十九景:ダイヤルアップ→ISDN→ADSL→Bフレッツへの移行
福永健司
[2003/12/18]
第六十八景:「自宅だったら1Mbpsで十分じゃん!」
西尾 淳(WINDY Co.)
[2003/12/11]
第六十七景:セキュリティシステム対応マンションの落とし穴
木地本昌弥
[2003/12/05]
第六十六景:瀬戸内海ブロードバンド物語
田中達也
[2003/11/20]
第六十五景:ブロードバンドのインフラに期待するもの
木村俊一郎
[2003/10/30]
第六十四景:「ホームノマド」のための宅内快適ネットワーク構築
ゼロ・ハリ
[2003/10/23]
第六十三景:引っ越し先はブロードバンドの敵だらけ!?
てんきゅう
[2003/10/16]
第六十二景:IT砂漠地帯に残されたVDSLというライフライン
mao
[2003/10/09]
第六十一景:新しいモノ好きの通信環境(後編)
木地本昌弥
[2003/10/02]
第六十一景:新しいモノ好きの通信環境(前編)
木地本昌弥
[2003/09/25]
第六十景:プロバン素人は開拓者の後を悠然と歩く
藤野竜介
[2003/09/19]
第五十九景:電話をかけるとつながる回線の謎
寄添温守
[2003/09/11]
第五十八景:やっと導入したFTTHは超庶民的配線(後編)
すずまり
[2003/09/05]
第五十八景:やっと導入したFTTHは超庶民的配線(前編)
すずまり
[2003/09/04]
第五十七景:空を見上げて待ち続けた光ファイバ接続
あひる
[2003/08/28]
第五十六景:すべてはチャットから始まったインターネットライフ
山田正宏
[2003/08/21]
第五十五景(3):マンションに3つのブロードバンド導入! さらば速度重視
かつみぱぱ
[2003/08/12]
第五十五景(2):マンションに3つのブロードバンド導入! さらば速度重視
かつみぱぱ
[2003/08/07]
第五十五景(1):マンションに3つのブロードバンド導入! さらば速度重視
かつみぱぱ
[2003/07/31]
第五十四景:自宅Webサーバーには寂しい新潟ADSL事情
宮沢@新潟県新津市車場
[2003/07/24]
第五十三景:光ファイバで重い画像も快適送信! ……までが長かった
河田一規
[2003/07/17]
第五十ニ景:タイミングと営業力が運命を分けました
北原静香
[2003/07/10]
第五十一景:ADSLよ! 早くおウチにも来ておくれ!
タケ
[2003/07/03]
第五十景:常時接続はリモートコントロールのために!?
tan
[2003/06/27]
第四十九景:自宅にWebサーバー【パート2】
芝藤和久
[2003/06/19]
第四十八景:8Mサービス拒否!? 茨城のADSL奮戦記
ぷっぷくぷ~太郎
[2003/06/12]
第四十七景:2カ月で手放したFTTH生活
ブロバン太郎
[2003/06/05]
第四十六景:引っ越しとブロードバンド化の同時進行で四苦八苦
アルチザン 矢部雅一
[2003/05/30]
第四十五景:OCNエコノミーから無料サービスジプシーへ変貌
江須田
[2003/05/22]
第四十四景:Yahoo! BBで、快適! ブロードバンド・パラダイス
北口 宏(ひろくん)
[2003/05/15]
第四十三景:ノロノロ56kbpsからの脱出! メカ音痴な音楽家のADSL事情
仁乃 唯
[2003/05/08]
第四十二景:『FUSION IP-Phone for BIGLOBE』でIP電話を体験
法林岳之
[2003/05/01]
第四十一景:手間はかけても金はかけない。こだわりのブロードバンドライフ
赤坂 豊
[2003/04/24]
第四十景:FTTHでアップロードも快速! でもイマイチな点も
西尾 淳(WINDY Co.)
[2003/04/17]
第三十九景:大阪なにわのブロードバンド事情
山口真弘
[2003/04/10]
第三十八景:どこでも常時接続 ~ 空気のようなインターネット「Air H”」
時の渡り竜
[2003/04/03]
第三十七景:ボイスチャットでネットゲーム開眼! Xbox Liveとブロードバンド
森田秀一
[2003/03/26]
第三十六景:Yahoo! BB難民、漂流先はCATV
目黒廣道
[2003/03/13]
第三十五景:無線LANあってこそのブロードバンド
カンターノ
[2003/03/06]
第三十四景:高速回線への欲望は、ネットゲームから!
ぷち
[2003/02/27]
第三十三景:速すぎて宝の持ち腐れ!? 有線ブロードネットワークス導入記
大坪知樹
[2003/02/20]
第三十ニ景:家族の白い目に堪える時代から一家で常時接続へ
斉藤成樹
[2003/02/13]
第三十一景:400K倶楽部から光ファイバへの苦難の道のり
平 雅彦
[2003/02/06]
第三十景:自宅にWebサーバー!! そこには想像以上の利用価値があった!!
芝藤和久
[2003/01/30]
第二十九景:なんちゃってADSLとAir H"のナローなブロードバンド!?
森永 みぐ
[2003/01/23]
第二十八景:「My電柱」のお陰でラクラクFTTH開通
カネコ・トオル
[2003/01/16]
第二十七景:帯域改善はダンナ改善から! 光共有マンションの落とし穴
みっち~★
[2003/01/09]
第二十六景:ノイズ対策よりネズミ対策! ボロアパートのADSL
川村賢也
[2002/12/19]
第二十五景:@niftyから離れられない理由と、オフィスのIPR光100M導入
大庭美広
[2002/12/12]
第二十四景:一戸建てを契機にBフレッツへ。半年にわたる戦いの日々
藤田洋史
[2002/11/28]
第二十三景:名古屋の快適ADSL事情
奥川浩彦
[2002/11/21]
第二十ニ景:光の国へのワインディングロード
工藤ひろえ
[2002/11/14]
第二十一景:引っ越しを機にCATVからADSLへ乗り換え
伊達浩二
[2002/11/07]
第二十景:ハツモノ狙いは高リスク?
礒村浩一
[2002/10/24]
第十九景:インターネットマンションでVDSL!
杉山淳一
[2002/10/03]
第十八景:USENの固定IPとFreeBSDでアプリケーションゲートウェイ設置
関野史朗
[2002/09/26]
第十七景:華のOLブロードバンドライフ
サッキー
[2002/09/19]
第十六景:常時接続十五周年漂流記
法林浩之
[2002/09/12]
第十五景:縛り期間のあるサービスにご注意!
西尾 淳
[2002/09/05]
第十四景:地方農村のブロードバンド事情
福住 護
[2002/08/29]
第十三景:再開発予定地の落とし穴と8M化で発覚したINS干渉
川上卓也
[2002/08/22]
第十二景:恵まれた地域で最先端サービスを実体験
一ヶ谷兼乃
[2002/08/08]
第十一景:ADSL 8Mが10kbps!? ノイズ地獄の克服
こまんち
[2002/08/01]
第十景:加入電話ライトサービスの実施でADSL導入を決意
多和田新也
[2002/07/25]
第九景:ナローな専用線からの脱出目指し奮闘中
矢部雅一
[2002/07/18]
第八景:CATV、めっちゃいいっす
大柴 滋
[2002/07/11]
第七景:スピードネットで超速ブロードバンド
熊谷直樹
[2002/07/04]
第六景:光収容を乗り越えて Part2
法林岳之
[2002/06/27]
第五景:遅れてきた田舎の常時接続
中村繁利
[2002/06/20]
第四景:家族でブロードバンドは難しい!
荒田淳子
[2002/06/12]
第三景:マンションアダプタにご用心
すずまり
[2002/06/05]
第ニ景:回線トラブルとの格闘
清水理史
[2002/05/30]
第一景:光収容を乗り越えて
法林岳之
[2002/05/24]

第八十八景:「細く長く」をめざした長い旅
天野 司


パソコン通信華やかなりし頃……

 筆者が現在のような「PCライター」という仕事をするようになったのは、1993年のこと。すでに10年以上の年月が経過したわけだが、当時一介のサラリーマンだった筆者がこの業界に足を踏み入れるきっかけは、某PC雑誌の編集者から、あるちっぽけな自作フリーソフトについての記事執筆依頼を受けたことであった。

 こんな出だしで始めると、「その後、それまで勤めていた会社を辞め、ライターとして華麗な転身を果たした」なんて感じで続いてもよさそうなものだけれど、残念ながら現実はそれほどドラスティックでもドラマティックでもない。会社勤めをやめるわけでもなく、細々と兼業ライター生活を続けてきたわけだが、それでも自分にとってはそのできごとが人生における大きな「ターニングポイント」となったことは否定のしようがない。

 最初の原稿依頼は、当時流行していたパソコン通信BBS上でのことだった。日経BP社主宰の「日経MIX」のメンバーだった筆者は、同じく同BBSに参加していた雑誌編集者から執筆の誘いを受けた。いわばライターとして「一本釣り」されたわけだ。当時この日経MIXは、参加者数こそほかのBBSよりも少なかったが、技術者の比率が高く、内容も技術寄りの話題が多かった。つまりPC雑誌のライターを探すにはずいぶんと良い「漁場」だったわけだ。このため日経MIX出身のPCライターは、実はかなり多い。


初の常時接続は128kbps

外壁に取り付けられた、光ファイバーの引き込み線。3つあるボックスは、左から順にそれぞれBフレッツベーシック用、Bフレッツニューファミリー用、それに通常の電話回線用だ。電話回線は、通話用とFAX用に2回線使用しているほか、すでに廃止したOCNエコノミー用の回線でも利用していたため、一般住宅用よりもやや大型の5回線収容可能なものが使われている
 原稿依頼も次第に増え、ライターとしての実績も順調に積まれてきた頃。世間ではインターネット環境が広く普及し始めた。しかしそれに伴い、あれほど流行っていたパソコン通信は下火となっていった。日経MIXもその流れに逆らうことはできず、1997年10月をもってサービスを終了している。

 ただし、MIXの歴史はここで終わったわけではない。というのは、日経MIXの廃止を惜しむユーザー有志が、日経BP社とは完全に独立した形で代替システムである「N-MIX」を立ち上げたからだ。

 N-MIXでは、接続プロトコルにtelnetを採用する。バイナリ転送機能を持たないテキストオンリーのBBSなので転送速度はあまり必要ないのだが、たとえ短時間でも接続が途切れないようにすることが必要だ。telnetセッションが途切れると、再ログインが必要となってしまうし、場合によっては、回線が切断されたにもかかわらず、ホストにはログインしっぱなしになる、俗に言う「ゾンビ状態」になることがあったからだ。

 つまりN-MIXを利用するには、遅くてもいいから途切れない「細く長く」という接続が必要なのだ。これを実現するために当初筆者が選択したのが、ちょうど時を同じくしてサービスインしたばかりの「OCNエコノミー」である。

 OCNエコノミーは、常時接続ながらその通信速度は上り下りともに128kbpsベストエフォート。それでいて料金は月額38,000円という、現在の常識からすれば考えられないほど高価なサービスだった。筆者の場合、「仕事だから」と自分を無理矢理納得させて申し込んだのだが、今にして思えば「どうかしていた」とも思う。

 実際、筆者の申し込みに対応したNTTでも、まさか個人でそんなサービスを申し込むとは想像もしていなかったに違いない。サービスイン当日、NTTの窓口で申し込みを受けた担当者は、最初筆者が何を喋っているのか全く理解できなかったようだ。今でこそ笑い話にもなるかもしれないが、「OCNってなんですか?」と、窓口のお姉さんに問われてそれを窓口で説明する客というのも相当にシュールな光景であったろう。結局、「(OCNエコノミーの)研修を受けてきたばかり」という、その局で唯一の担当者を捕まえて、2人で相談しながら申込書を埋め、2時間以上もかけて申し込みにこぎ着けた。


想像通りの経緯をたどったADSL

 OCNエコノミーを利用した期間は意外なほど長く、約4年間続いた。この間、それまで暮らしていた6畳1間のアパートが手狭になり、狭いながらも自分の自由にできる1戸建て住宅を購入。ほどなくして、筆者の地域でもADSLサービス開通のアナウンスが行なわれた。2001年6月、Yahoo! BBの登場である。

 ここまで書けば、おおかたの読者はご想像がつくだろう。6月20日、申し込み開始当日に申込みを済ませたものの、サービスイン予定の8月はもとより、9月末になってもまだ開通日の見通しさえ立たない状態。結局、実際に開通したのは2001年11月のことであった。しかも開通したのはYahoo! BBではなく、NTT東日本のフレッツADSLであったというオチもつく。

 フレッツADSLの申し込みをするにあたって筆者は、Yahoo! BBの申し込みをキャンセルしないままの状態でNTT東日本に申し込んだ。通常、ひとつの回線で複数のADSLサービスを申し込むことはできないのだが、NTT東日本で確認してもらったところ、なんと、「筆者宅の回線にはYahoo! BBからの回線利用の申し込みは来ていない」という。つまり完全にほったらかしにされていたというわけだ。もはや過去のことではあるが、困ったもんだ。

 ちなみにYahoo! BBの申し込みは、フレッツADSLの開通と同時にキャンセル手続きをした。しかし、その後の経緯もおおかたの読者の御想像の通りで、数カ月を経過しても一向に連絡は来ず、いつしか筆者もYahoo! BBに申し込んだことさえ忘れていた。しかし筆者の個人情報だけは残っていたようで、先日の「Yahoo!BBの顧客情報漏洩」では、しっかりと「漏洩対象者」となってしまい、500円の金券を送られる始末である。

 さて、NTTの距離情報によると、筆者宅はNTT局舎からおよそ2.4kmの位置。ゆえにADSLの速度にはあまり期待していなかったのだが、パフォーマンスは意外に健闘してくれた。1.5Mbpsのサービス時で下り約900kbps、その後8Mbpsサービスが開始された後は、下り約5Mbpsくらいの速度となった。

 ただ接続の安定性という点では、筆者宅はあまり良い環境とは言えなかったようだ。まず電話の着信時にリンクが切れる。これは保安器がADSLに適合しないタイプであったためで、保安器を交換してもらうことで対応した。それでも、雷雨の際などには接続が不意に切れることもあり、Webアクセス程度なら十分かもしれないが、より安定した常時接続を求める筆者としては、いまいち不満が残る結果となった。


ついに光の世界の住人に

今までに試したブロードバンドルータの数々。手前に置かれているのは、オムロンのMR104FH。VPNサーバー機能を目当てに購入したが、安定性などの点で不満があり、結局使用していない
 このように、ADSL接続は安定性という面で満足のいくものではなかったが、幸い筆者が住む地域は、比較的早くにBフレッツが利用可能となったため、ADSLの使用期間はかなり短いものとなった。実際に筆者宅に光ファイバーが引かれたのは2002年5月のこと。ただし、Bフレッツファミリータイプはまだ利用できなかったため、Bフレッツベーシックを導入することにした。

 Bフレッツの開通により、ADSLのような不安定さはなくなった。しかしこれでめでたく安定した接続ができたかというと残念ながらそうはいかなかった。今度はブロードバンドルータがなかなか安定しない、という事態に見舞われたのである。
Bフレッツ開通後、筆者が使用したルータを挙げてみよう。

1. ヤマハ RTW65b
2. プラネックス BRL-04FB
3. NTT-ME BA5000Pro
4. オムロン MR-104FH
5. マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOpt90
6. NTT-ME BA8000Pro
7.ヤマハ RT57i
8. NECアクセステクニカ ATerm WR7600H

 どうだろう。なんだかPC雑誌で比較レビューができてしまいそうな勢いだ。筆者がよく執筆するインプレスの「DOS/V POWER REPORT」には、「TRY BUY」という比較検討記事があるのだが、もう少し製品の発売時期と価格をそろえてやれば、そのまま記事にできたかもしれない。

 ここまで数多くのルータを試したのは、筆者にとって満足のいく製品がなかなかなかった、というのが原因だ。ただ、よくよく考えてみると、普段からPC製品のレビューばかりしているせいで、この種の製品に関してついつい「記事を書くつもりで評価してしまう」のが原因かもしれない。

 使い込んでいくうちに、ついついその製品の欠点を見つけ出すように使い始めてしまうのである。もしかするとこれは一種の職業病かとも思う。しかし雑誌の評価記事と違って、こうした「私的レビュー」は、そのまま「自分の財布が軽くなる」ことに繋がるわけで、なんとかしなければならないと思っている。


Bフレッツ2本でルータ比較

 そんなこんなで、現在の我が家のネットワークは図のような状態になっている。いつの間にかBフレッツが2本になっているが、これは2003年の6月に開通したもの。上で「なんとかしなければ」と書いたばかりでなんだが、Bフレッツのベーシックとニューファミリーとの間にどれくらいの違いがあるのか知りたくて導入したものだ。うまくすれば、Bフレッツベーシックがメンテナンスなどで停止中のバックアップにできるかとも思ったのだが、ベーシックとニューファミリーでは同時にメンテナンスに入ることが多く、バックアップの役目は果たしていない。


自宅のネットワーク構成図。メインとして使用するルータはBフレッツベーシック、ニューファミリーともに、ヤマハのRT57iを使用する

 それでもBフレッツが2本になったおかげで、用途によって使い分けができるようになった。ニューファミリーの側にはライター「天野 司」としてではなく、個人的なWebサーバーを公開している。また、普段のWebサーフィンなどもニューファミリーを経由して行なう。これに対してベーシック側は、VPNサーバーを稼働させて外出先から自宅LANにリモートアクセスできるようにしてあり、いわば「業務用」として利用している。

 NTT東日本のBフレッツは、1つの回線契約で2セッションまで利用できる。おそらく多くのユーザーは、一方をプロバイダー接続に使用し、もう1セッションはフレッツ・スクウェア用に利用しているのではないだろうか。しかし、フレッツ・スクウェアを使用しない場合は、1本の線で2カ所の異なるプロバイダーに接続できる。筆者はこれを利用して、ベーシック、ニューファミリーそれぞれの回線にルータを2台ずつ接続し、最大で4台までのルータを同時使用できる環境を構築した。

 現在は、Bフレッツベーシック用としてヤマハのRT57iとNTT-MEのBA8000Proを併用。またニューファミリー用には同じくRT57iを1台接続し、残る1台は未使用だ。これは新たにルータを購入した場合などのテスト用として空けてある。

 メインのルータとしてRT57iを採用したのは、テストした中では最も信頼性が高かったからだ。全く不満がないわけではないのだが、ヤマハのルータの場合、不具合が発生した際でも自動的に再起動される点が気に入っている。他社のルータの場合、不具合が発生した際に再起動せずにそのまま固まってしまう事が多い。その場にいればいいが、出張や外出の際などに再起動できないので困る。

 Bフレッツで使用する2台のONUは、普段手の届くところに配置する必要のない機器なので、いずれも天井裏に設置してもらった。ルータやハブ類はPCの側に配置したが、ONUとPCとの間には、天井裏と床下を経由して、長さ20mのカテゴリ5のケーブルを施設した。
ただBフレッツを2回線も利用することは想定していなかったため、ケーブルは1本しか引いていない。もちろんもう1本の配線をすることも不可能ではないが、ここではちょっと横着して、1本のケーブルに2回線分のデータを流せるようなアダプタを自作した。これはカテゴリ5の4対のより線のうち、100BASE-TXでは未使用となっている2対を使って、もう1回線分の100BASE-TXを流すというもの。信号同士の干渉が心配だったが、特に問題のないレベルで使用できている。

 ところで、Bフレッツのベーシックとニューファミリー、どれほど差があったのかは誰しも気になるだろう。あくまで筆者宅での結果という限定は付くものの、実は現在に至るまで両者の明確な差(転送速度や安定性の低下など)は感じられず、現状では料金の高い「Bフレッツベーシック」をあえて利用する必然性は見いだせていない。もちろんシェアド方式であるBフレッツは、自分と同一の回線をシェアする人によって速度が変わるわけだが、たまたま筆者宅の近所にはヘビーユーザーが少なかっただけなのかもしれない。


天井裏に取り付けられたBフレッツ用のONU。取付時期が異なるため、ONUも異なるタイプのものが使われている。停電に備えて、ONUの電源はUPSでバックアップしてある 天井裏のONUから、ルータを置いてあるPCデスクとの間にはカテゴリー5eケーブルが1本しか通っていない。ここに2本分の情報を流すために、自作したイーサネットの2分岐ケーブル。4対のケーブルを2対ずつ使用して2組の情報を通す。ONU側とルータ側に同じものを2つ作成した

PCデスクの下に配置したハブやルータ類。2本のBフレッツ回線にそれぞれ2台ずつのルータを接続できるようにしてあり、最大4つのプロバイダーに同時接続できる。RTW65bは、現在は単なる無線LANのAPとして使用中

“レビューしたがり”はライターの職業病か

 RT57iという、とりあえず安心して使えるルータを得て、筆者宅のネットワークはやっと落ち着いてきたように思える。しかし、せっかく光ファイバーが2本も来ていながら、これらがバックアップとして役に立たないというのは大きな不満だ。先日、筆者宅のエリアでも東京電力の「TEPCOひかり」がサービスインしたので、Bフレッツの一方を廃止して、こちらを導入することも検討中だ。

 しかしこれも「バックアップのため」というのは口実で、もしかすると単に「TEPCOひかり」を試してみたいから、というのが本音かもしれない。Watchに掲載される記事をみると、ほかのライター諸氏も、多かれ少なかれ「自腹」でさまざまな機器を購入していることがわかる。もちろん、みな購入するときには「仕事だから」「必要だから」と思って購入しているのだろう。しかし冷静になってよく考えれば、本当にそれが仕事に必須なのかどうか、実は単に自分が欲しいから買っている、ということが多いんじゃないだろうか? これを読んで「ぎくっ!!」としているライターは、おそらく1人や2人ではあるまい。しかしまぁ、自分がそうだから言うわけではないが、それは仕方ないことなのだ。とにかく何でも「レビューしたがる」のは技術系ライターの職業病なのである。

 ところで前述のように、筆者がネットワークに求めるものは「細く長く」であると書いたが、これは今でも変わっていない。PCライターという稼業は、それなりにWebサーフィンなどをするとはいえ、そんなことを一日中しているわけでは決してない。まして筆者のように、自由になる時間が少ない「パートタイムライター」であればなおさらだ。2回線を併用していることで、結果的に200Mbpsという「太い」接続になってしまっているが、これはあくまで結果であって、帯域自体はほとんど使用していないのだ。

 ところで、冒頭で紹介した「N-MIX」がどうなったかであるが、実はこちらも細々ではあるが、今もなお「細く長く」続いている。まるでここだけ時間が止まっているのかと思えるほどに不思議な空間だ。誰でも参加できるWebBBSが主流の昨今では、会員制のBBSはあまりそぐわないのかもしれないが、興味のある人は覗いてみるのも良いだろう。

参考データ

回線の種類光ファイバ
接続事業者NTT東日本 Bフレッツ
接続プランベーシックニューファミリー
プロバイダーAsahiネットぷらら
スループット下り54.98Mbps・上り7.62Mbps下り50.22Mbps・上り4.57Mbps



URL
  フレッツ公式ホームページ(NTT東日本)
  http://flets.com/

2004/07/15 13:39

天野 司
PC関連のソフト/ハードのレビュー一筋11年。メリットは、発売前のさまざまな製品をいじり倒せるところ。しかし逆に新製品に対する「わくわく感」が失われてしまい、買い物がつまらなくなるという弊害も。最近流行のHDD/DVDレコーダも、いろいろ使いすぎてしまい、結局自分では1台も買っていない。でもそろそろ新しいルータも1台欲しいかな(イラストは、イラストレータ/漫画家の花摘香里さんに描いていただいたものです)。
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.