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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ロケーションフリーがMacやPocket PCで利用可能に。W-ZERO3も対応

 ソニー、加賀電子、ACCESSは18日、外出先などからネットワーク経由で自宅のテレビや録画番組を視聴できる「ロケーションフリー」に関する発表会を開催した。その中で、加賀電子がMac OS対応ソフトを6月初旬に、ACCESSがPocket PC対応ソフトを2006年夏頃に発売することが明らかにされた。


ロケーションフリーがMacやPocket PCでの利用に対応。W-ZERO3でも動作可能

MacやPocket PCでロケーションフリーの利用が可能に
 ロケーションフリーは、自宅に設置したベースステーションで受信した地上アナログ放送や接続したAV機器などの映像を、ネットワーク経由で外出先や海外などで操作・視聴できる製品。すでにWindowsやプレイステーション・ポータブル(PSP)向けにロケーションフリープレーヤーが提供されており、各端末からベースステーションの映像が視聴できる。

 加賀電子から6月初旬に発売されるのは、Mac OS X(10.2.8以降)に対応した「ロケーションフリープレイヤー Mac用(TLF-MAC)」。867MHz以上のCPUを搭載したMacintoshで動作が可能で、Intel Macもサポートした。

 価格はオープンプライスで、店頭実売価格は3,000円前後になる見込み。当初は日本国内向けにパッケージ販売が行なわれ、今後はダウンロード販売や海外での発売も検討していく。


Mac版画面イメージ Doc内での動作も可能

設定画面などのGUIや操作系統もWindows版に近い 動作環境

W-ZERO3とPSP。左上にあるのはロケーションフリーベースステーション
 ACCESSからはPocket PC 2003以降およびWindows Mobile 5.0以降に対応した「NetFrontロケーションフリープレイヤー(仮称) Pocket PC用」が2006年夏に発売される。価格は未定だが、同社では「ユーザーに効果的に購入していただけるような値段を検討している」という。なお、加賀電子、ACCESSともに、1ライセンスで1台の端末にソフトウェアをインストールできる。

 Mac版、Pocket PC版ともに、すでに提供されているWindows版と同等のGUIや操作性を実装している。Mac版での映像再生時にはQuickTime 6.4以降を使用。Doc格納時でも映像の視聴が可能なほか、自動レート設定機能、日本語・英語による2カ国語モードも用意した。

 Pocket PC版では、テクノマセマティカル社製のMPEG/AACデコーダを採用し、表示可能な画面サイズはVGA/QVGA。日本HPのPDAやウィルコムの「W-ZERO3」を利用した発表会のデモ環境下では、端末ごとに帯域は異なるが最大で512kbps、秒間10フレームで映像が再生されていた。


日本HPのPDAを利用したデモも行なわれた 動作環境

ソニー前田氏「ロケーションフリーは放送と通信を融合させた製品」

(左から順に)ACCESSの植松氏、加賀電子の守口氏、ソニーの前田氏

ロケーションフリーワールドのロードマップは、ソニーが提供する内側のラインと、ライセンス先が提供する外側のラインの2つに
 ソニーの前田悟テレビ・ビデオ事業本部 LFX事業室 事業室長は冒頭、「コンシューマ製品では普及率が25%を超えると、普及が急速に進むと言われている」と発言。「ロケーションフリーは普及率の面では到達していないが、認知度はアンケート結果などから3割を超えており、今後大きなマーケットになるのではないかと期待している」と語った。

 既存テレビの方向性について前田氏は、「どのメーカーもHDTVや薄型化に向かっているが、性能が良くなったところで視聴スタイルはまったく変わらない」と指摘した上で、「ロケーションフリーではモバイル化やパーソナル化に注目していく」と述べた。ワンセグに対応した携帯電話との競合に関しては、「ロケーションフリーと競合関係にはなく、パーソナル化という視聴スタイルを切り開くには相乗効果があるのではないか」と語った。

 また、「ロケーションフリーは、放送と通信をまさしく融合させたもので、通信があるからこそ、今までの放送でできなかったことが可能になる」点を強調。「どこにいても自宅と同じ環境で視聴できるライフスタイルを提供できる製品だと考えている」とした。前田氏は加えて、商品企画と技術の関係性について「日本メーカーを含めて、商品企画を大事にしなければ、家電メーカーの発展はない。商品企画という目的がはっきりして初めて、手段としてどのような技術を選んでいくかを論じていく必要がある」と語った。

 前田氏は「各社にライセンス提供を行なっていくことで、より早くロケーションフリーワールドの構築が可能になる」と他社への積極的なライセンス提供を行なっていく考えを示す。「我々も得意とする製品で引き続き出していく考えだが、近い将来にACCESSさん、加賀電子さんに加えて、より多くのパートナーと凄い商品を発表していければ」と今後の展開を示唆した。

 ACCESSの植松理昌執行役員 技術戦略企画本部・本部長は、「Pocket PC版以外にも、当社が持つ情報家電や携帯電話、Linuxなどに対する技術を活用して、ロケーションフリーを積極的に展開していきたい」考えを示した。

 加賀電子の守口英グループ事業戦略室 室長は「ロケーションフリーを通じて、Macユーザーにテレビ視聴という環境を提案したい」とコメント。また、「Mac版を皮切りに、ロケーションフリーワールドを広げていくお手伝いができれば」とも語った。


関連情報

URL
  ロケーションフリー 製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/locationfree/index.html
  加賀電子 ニュースリリース(PDF)
  http://www.taxan.co.jp/news/pdf/06.05.18.pdf
  ACCESS ニュースリリース
  http://www.access.co.jp/press/060518.html

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(村松健至)
2006/05/18 16:49
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