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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
「mixiアプリ」を8月に正式公開、開発者への報酬も公表

「mixiアプリ」の提供スケジュール
 ミクシィは23日、SNS「mixi」上で動作するアプリケーションのプラットフォーム「mixiアプリ」を、8月から正式公開することを明らかにした。

 「mixiアプリ」は、外部の開発者でもmixi上で動作するアプリケーションを開発・公開できるプラットフォーム。4月8日に個人でも開発者に参加できるオープンベータテストを開始しており、8月には一般ユーザーに向けて正式公開する。また、携帯電話向けのmixiアプリについても、5月からベータテストを開始し、9月に正式公開する予定。

 アプリ開発者に対する報酬も発表された。mixiアプリの1ページビュー(PV)あたり最低0.01円が報酬となり、金額はPVに応じて上がっていく。また、アイテム課金などを行うための課金システムの仕組みも用意され、課金収入の8割は開発者の取り分となる。このほか、アプリに広告を表示することも可能で、独自の広告を表示することができるほか、ミクシィもアプリ向けの広告プログラムを用意する。


アプリ開発者にはPVに応じて報酬を支払う 課金の仕組みも用意し、8割が開発者側の取り分となる

「mixiアプリは最大の変革」とミクシィ笠原社長

ミクシィの笠原社長

グーグルの辻野社長
 23日には、開発者向けの「mixiアプリ カンファレンス 2009」が開催された。ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は「mixiアプリの開放は、mixiが始まってから最大の変革になる」と期待を述べ、mixiアプリプラットフォームへの参加を呼びかけた。

 笠原氏は、「これまで5年間のmixiはおおまかにまとめると、若い女性を中心に、日記を中心としたコミュニケーションを行うサービスだった。それでここまで成長してきたが、次の5年間を見据えた場合に、これでいいとは思っていない」と説明。「ユーザー層が違えば、必ずしも日記が適切なコミュニケーション手段とは限らず、日記以外の多彩なコミュニケーションサービスを作っていくことが、今後5年間の目標」だとした。

 その上で、新たなサービスの開発をミクシィ1社だけで行っていくには限界があるとして、外部からも開発に参加できる「mixiアプリ」の仕組みを導入したと説明。「みなさんと一緒になって、1600万ユーザーに新たなサービスを提供していきたい。mixiアプリの仕組みにより、スピードを持って、よりたくさんの、よりクオリティの高いサービスが届けられる。それを次の5年間で目指していきたい」とコメントした。

 mixiアプリでは、Googleが開発したSNSアプリケーションの共通API「OpenSocial」を採用している。ゲストとして登壇したグーグル代表取締役の辻野晃一郎氏は、「mixiという日本最大のSNSがOpenSocialに参加していることは、日本のユーザーのとっても大きなメリットだ」とコメント。また、「モバイル環境が発達した日本で、mixiはモバイルでもトッププレーヤー。モバイル環境での仕様策定などにも力を発揮してほしい」と要望を語った。


マイミクをキーにした新しいコミュニケーションスタイルを提供

 mixi事業本部長の原田明典氏は、「mixiアプリ」のようなソーシャルアプリケーションが海外でも盛んになっているとした上で、「ソーシャルアプリケーションの特徴をミクシィ流に言うならば、『マイミクとのつながりをキーにした、新しい形のコミュニケーションスタイルを提供するもの』ということになる」と説明。あるユーザーが新しいmixiアプリを使い始めると、マイミクにもその情報が伝わるといったように、ソーシャルなつながりを核にして広がっていくアプリケーションだとした。

 原田氏は、「従来のコンテンツでは、個人の属性に対応したパーソナルコンテンツを目指していたが、ソーシャルアプリケーションは友人や知人との関係に対応するコンテンツになる」と説明。例として「占いサイト」を挙げ、「従来の占いサイトは、自分の運勢をチェックするもの。これが『ソーシャル占い』になると、たとえば今日相性のいい友人は誰かといったような、友人や知人との共有型運勢をチェックする形になる」とした。

 また、従来の掲示板やオンラインゲームのようなアプリケーションは、利用者が同じ場所に集まって同じ情報を交換・交流する、いわば「全国大会」のようなものだが、mixiアプリはマイミクによるコミュニティが対象の「マイミク大会」だと説明。こうした小さな「マイミク大会」がコミュニティの数だけ生まれることで、全体では「全国大会」よりも参加者の規模が大きくなるとした。


「ソーシャルアプリ」は友人・知人との関係性に対応した機能を提供する 「mixiアプリ」も、マイミクを中心とした小さなコミュニティを対象としたアプリケーションを想定

アプリの導入がSNSに大きな効果をもたらす

ロックユーアジア取締役のJia Shen氏
 mixiアプリの開発企業としては、米RockYou!の日本法人ロックユーアジア取締役のJia Shen氏が登壇。RockYou!は、FacebookやMySpaceなどのSNSに向けたアプリケーションを開発する、最大手のソーシャルアプリケーションプロバイダー。現在、1億以上のマンスリービジターを有し、アプリ上で月間40億PVを達成しているという。

 Shen氏は、アプリケーションの導入がSNSにとって大きな効果をもたらすとして、アプリ開発APIの公開後にFacebookがユーザー数でMySpaceを追い抜いたという事例を紹介。現在では、Facebookユーザーの95%がアプリを使用しており、アプリにはPVを向上させる効果があるほか、広告の成長率も高いと説明。日本でもmixiアプリを積極的に展開していくと語った。

 ミクシィでは開発者支援の仕組みとして、アプリケーションプロバイダーに対して出資・融資・mixiアプリの買い取りといった、資金面での支援を実施するファンド(mixiファンド)を設立している。23日にはmixiファンドの投資第1弾として、株式会社コミュニティファクトリーへの出資を発表。コミュニティファクトリーはミクシィを割当先とする2000万円の第三者割当増資を実施した。コミュニティファクトリー代表取締役社長の松本龍祐氏は、「ソーシャルアプリで日本市場ならではのポイントを探していき、ソーシャルアプリプロバイダーの代表的存在になることを目指す」と語った。

 また、mixiアプリの開発コンテスト「ソーシャルアプリケーション アワード」の開催も発表。応募期間は7月1日~8月31日で、賞金100万円のグランプリ(1作品)など各賞を選定する。


APIの公開によりFacebookは急速に成長 現在ではFacebookユーザーの95%がアプリを使用しているという

関連情報

URL
  ニュースリリース(mixiファンドによる投資について)
  http://mixi.co.jp/press_09/0423_1.html
  ニュースリリース(ソーシャルアプリケーション アワードについて)
  http://mixi.co.jp/press_09/0423_2.html
  mixi Developer Center
  http://developer.mixi.co.jp/

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(三柳英樹)
2009/04/24 11:23


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