Broadband Watch logo

「Google Earth」を利用したさまざまなサービスをチェック


「Google Earth」トップページ
 前回はgooラボの「エリア情報検索実験」をご紹介しました。このサービスに加わった新機能の中に衛星写真の表示機能がありましたが、これに限らず、今や衛星写真の表示機能は地図サイトには当たり前の機能になりつつあります。この連載でも、数年前に衛星写真のサイトを紹介したことがあります。初めて衛星写真のサイトを見たときはビックリしましたよ。なんたって、自分の家の屋根が映ってるんですからね。こんな貴重な映像がタダで見られるなんてサイコー!と驚喜しました。

 ところが昨年、もっと凄いコンテンツが登場しました。そう、「Google Earth」です。地球まるごとの衛星写真が見られるだけでなく、3Dの地形図も見られるという素晴らしい地図サービスですね。昨年の6月に公開したこのコンテンツは、その後ソフトウェアの安定性を図ったり、Macに対応したりと、着実に進化を続けてきました。しかも最近では、このGoogle Earthを利用したさまざまな追加コンテンツが、あちこちのサイトで提供され始めています。そこで今回は、Google Earthを利用したこれらのサービスをご紹介しましょう。





渋滞情報を表示

 まずご紹介するのは、最近公開したホンダの「インターナビ・フローティングカーデータ on Google Earth」です。ホンダという会社はいち早くロボットの研究に取り組んだりと、先進的な技術に積極的なイメージがありますが、「Google Earth」という新しいコンテンツに対しても素早い反応を示しました。「インターナビ」というのは同社が誇るインターネットとカーナビゲーションを連携させた双方向ITシステムのことです。このコンテンツもその一環で、なんと渋滞データをGoogle Earthに表示するという画期的なサービスが実現しました。

 この渋滞情報は、カーナビの「VICS」(Vehicle Information and Communication System)から得られる情報のほかに、「インターナビ・プレミアムクラブ」の会員自体をセンサーにして収集した、さらに細かい情報が加わっています。この情報を、Google Earth上で見られるというのだから、使わない手はありませんね。

 使い方は、フローティングカーデータのダウンロードページにアクセスして、「Tokyo」「Nagoya」「Osaka」のいずれかのボタンを押すだけです。これだけで自動的にGoogle Earthが起動して、その地域の渋滞情報が見られます。渋滞情報の更新は、朝・昼・夕方の1日3回で、リアルタイムでないのが残念ですが、それでもドライブ前の事前チェックなどには十分役立ちますよ。今後は東京・名古屋・大阪の3都市以外の地域についても配信していく予定だそうなので、期待大ですね。


「インターナビ・フローティングカーデータ on Google Earth」ダウンロードページ 渋滞情報の画面




ド迫力の台風映像

「Google Earth版デジタル台風」トップページ
 次はアタシのお気に入りをご紹介しましょう。この連載でも以前紹介した「デジタル台風」です。日本を中心としたアジア・太平洋の広範囲の台風発生状況がわかるこのサイトでも、Google Earthに対応したデータを配信し始めました。

 総合トップページ上部にあるメニューの中から、「Google Earth版」をクリックしてみましょう。Google Earth版台風情報のトップページが表示されます。Google Earth上で表示できる画像は、「静止気象衛星画像」「現在発生中の台風情報+静止気象衛星画像」「過去の熱帯性低気圧情報」「地域拡大気象衛星画像」など、豊富に揃っています。とりあえず、「静止気象衛星画像」を見てみましょう。kmlファイルが指定されたリンクをクリックすれば、自動的にGoogle Earthが起動します。

 気象情報を表示させると、日本を中心とした周囲の地域の明るさが少し変わり、海上にも大陸上にも雲が表示されます。「現在発生中の台風情報」の方をクリックすると、さらに台風の画像まで表示されるわけですね。まだちょっと台風シーズンには早いですが、もしかしたら南の太平洋上には、すでにいくつか台風が発生しているかもしれないので探してみましょう。海上で雲が渦を巻いている映像は、かなりのド迫力ですよ。

 また、「過去の熱帯性低気圧情報」のkmzファイルをクリックすると、台風の過去の経路が色とりどりの線で表示されます。これを見れば、過去、どういうルートで台風が通ったのかが一目瞭然なわけですね。台風シーズンの前は、ぜひこのサイトを見て、防災に役立ててみてはいかがでしょうか。


「現在発生中の台風情報+静止気象衛星画像」を表示 「過去の熱帯性低気圧情報」を表示




全国各地の桜情報

 最後にご紹介するのは、「さくらマッピング」です。これは日本全国から桜の写真と居場所をメールで投稿して、それをGoogle Earth上にマッピングするという壮大なプロジェクトです。投稿の仕方は、携帯電話のカメラで桜の画像を撮影して、メール本文に場所名を入力して送信するだけ。GPSや位置情報が付いた携帯電話の場合は場所を記入する必要もなく、位置情報と併せて送信すればOKです。これで、各地の桜の様子がどんどん集まってきて、「さくらマップ」が作られます。

 実際に「さくらマップ」を見るには、トップページの下にある「さくらマッピングのGoogle Earthデータをダウンロードする 」というリンクをクリックしましょう。Google Earthが起動して、日本列島に桜の写真がズラ~ッと表示されます。各写真には撮影された日時が書いてあり、とても見やすいですね。4月の初旬に関東で桜が満開の頃、まだ肌寒い北海道から桜のつぼみの写真が投稿されたりして、桜前線が北上していく様子がとてもよくわかります。

 また、このプロジェクトでは個人による投稿のほかに、ニュースサイトの桜の開花情報のリンクも掲載されています。Google Earth上の桜の写真をクリックすると、写真のポップアップとともにリンクが表示されるので、それをクリックしてみましょう。地図画面の下のウインドウに、リンク先のサイトが表示されます。これを見れば、各地の桜の開花状況を、メディアがどのように報道しているかが一覧できますよ。


「さくらマッピング」トップページ 「さくらマップ」を表示




今後がますます楽しみなGoogle Earth

 というわけで、Google Earthを利用したコンテンツを3つご紹介しました。いずれもkmlファイルへのリンクをクリックするだけで簡単にインストールできますが、あれもこれもとコンテンツを利用していくと、映像が重なってちょっと見にくくなってしまいます。地図画面の左にあるメニューで「Places」という項目を見ると、インストールしたコンテンツのリストが並んでいるので、これで整理しましょう。コンテンツ名の左のチェックボックスをクリアすれば、そのコンテンツの画像が地図上から消えます。

 「インターナビ」や「デジタル台風」のような実用的なコンテンツから、「さくらマッピング」のような楽しいコンテンツまでいろいろありますが、今後どんな追加コンテンツが登場するのか、本当に楽しみですね。では、また!


関連情報

URL
  Google Earth
  http://earth.google.com/
  インターナビ・フローティングカーデータ on Google Earth
  http://premium-club.jp/PR/lab/lab1.html
  関連記事:ホンダ、「Google Earth」で交通情報を無料配信[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/03/29/11429.html
  デジタル台風
  http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/
  さくらマッピング
  http://mapping.jp/

関連記事
情報や画像から台風情報を確認できる「デジタル台風」

2006/04/24 11:06

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.