Broadband Watch logo
バックナンバー
ADSL事業者のネットワーク(4)噂のインターネット電話
[2002/06/07]
ADSL事業者のネットワーク(3)ADSLの足回りを鍛えよ
[2002/05/31]
ADSL事業者のネットワーク(2)ADSLの交通整理
[2002/05/22]
ADSL事業者のネットワーク(1)ADSLの舞台裏
[2002/05/15]
通信の基礎知識(6)
通信を安定させるダイバーシティアンテナ
[2002/04/25]
通信の基礎知識(5)
身近なアンテナたち
[2002/04/18]
通信の基礎知識(4)
アンテナの世界
[2002/04/10]
スピードネットのネットワーク(4)
FTTHサービスと無線の近未来
[2002/04/03]
スピードネットのネットワーク(3)
スピードネットの無線システム
[2002/03/27]
スピードネットのネットワーク(2)
周波数ホッピングはノイズに強かった
[2002/03/20]
スピードネットのネットワーク(1)
環状にエリアを展開しているワケ
[2002/03/13]
ホームネットワークのインフラ(10)
ホームのインフラ予備軍たち
[2002/03/06]
ホームネットワークのインフラ(9)
54Mbps無線LANの実力
[2002/02/20]
ホームネットワークのインフラ(8)
無線LANが遅いワケ
[2002/02/13]
ホームネットワークのインフラ(7)
より速くより正確にを実現したOFDM
[2002/02/07]
ホームネットワークのインフラ(6)
スペクトル拡散に迫る
[2002/02/01]
ホームネットワークのインフラ(5)
無線LANの仕組
[2002/01/24]
ホームネットワークのインフラ(4)
気になる無線LANの動向
[2002/01/17]
ホームネットワークのインフラ(3)
イーサネットの高速化技術
[2002/01/11]
ホームネットワークのインフラ(2)
イーサネットの仕組
[2001/12/27]
ホームネットワークのインフラ(1)
イーサネットファミリー集結
[2001/12/20]
東京電力のネットワーク(3)
躍進する電力系ネットワーク
[2001/12/06]
東京電力のネットワーク(2)
東電のFTTHとは
[2001/11/22]
東京電力のネットワーク(1)
電力網の仕組と通信インフラ
[2001/11/08]
海底ケーブルネットワーク(5)
WDMが誘うテラビットの世界
[2001/11/01]
海底ケーブルネットワーク(4)
ベールを脱ぐ光通信技術
[2001/10/24]
海底ケーブルネットワーク(3)
海底ケーブルを敷こう!
[2001/10/17]
海底ケーブルネットワーク(2)
これが海底ケーブルだ!
[2001/10/10]
海底ケーブルネットワーク(1)
KDDIのインフラ
[2001/10/04]
通信の基礎知識(3)
デジタル変調の世界
[2001/09/26]
CATVのインフラ(3)
CATVでインターネット
[2001/09/19]
CATVのインフラ(2)
行け行け! 同軸ケーブル
[2001/09/12]
CATVのインフラ(1)
それは共同視聴から始まった
[2001/09/05]
NTTのインフラ(4)
光ファイバがやってくる
[2001/08/29]
NTTのインフラ(3)
開花するADSLサービス
[2001/08/22]
NTTのインフラ(2)
MDFの向こう側
[2001/08/08]
NTTのインフラ(1)
モジュラージャックの向こう側
[2001/08/01]
通信の基礎知識(2)
[2001/07/25]
通信の基礎知識(1)
[2001/07/18]
【Click Here!】



NTTのインフラ(1)
モジュラージャックの向こう側


 インフラ探検隊最初の実地見分は、通信に欠かすことのできないNTTのインフラを取り上げてみたい。企画の趣旨としては、NTT内部の設備を見せていただきたかったのだが、今回はちょっと都合がつかず、NTT東日本の本社ビルにおじゃまして、営業部の田畑雅裕氏と設備部の井上淳也氏にお話を伺うことになった。セッティングをして下さった広報室の大縄恒介氏ともども、この場を借りてお礼を申し上げたい。

モジュラージャックの向こう側

 人が住んでいるところであれば、基本的にどこでもつながるといわれる電話網。この国内最大のネットワークの入り口が、壁についた小さなモジュラージャックである。アナログ電話もISDNも、ここには同じ1対のメタルケーブルが配線されている。コネクタには、端子が6個並んでいるが、真ん中の2つが回線に配線されている端子だ。

 では、このモジュラージャックの先はどうなっているのだろうか。まずは、市内を縦横に走っている、電話回線を見てみよう。

 一軒家と集合住宅とでは若干異なるが、一軒家の場合には屋内配線を伝って壁の外に出たケーブルは、外壁などに取り付けられた「保安器」という装置に取り込まれる。この保安器の中で、電柱から下りてきた引き込み線とヒューズのようなもの介して接続されており、落雷などによって機器が直接被害を受けないように保護している。

 ちなみに円筒形の古いタイプは、中身がもろにヒューズなのだが、クリーム色のタイプは回線チェック用の回路なども入っている。集合住宅の場合には、各戸の電話線がIDF(Intermediate Distribution Frame:中間配線盤)やMDF(Main Distribution Frame:主配線盤)と呼ばれる配線盤(壁などに付いている鉄の扉や扉付きの箱)でまとめられ、それから屋外へ出ていく形だ。

端子函に向かう電話線

 引き込み線の行く先は電柱。ところどころに黒いボックスが付いているのが電話のケーブルで、この箱を端子函という。

 端子函は、主にケーブルの中継と引き出しを行なうためのもので、通常は次の端子函にストレートにつながっている。電話を引くときには、たくさんある電話線の中から使用する電話線を引き込み線側につなぎ換える仕組みで、中継か引き込みかといったつなぎ換えをこの端子函で行なうわけだ。

 ちなみに、電柱間の配線を架空(がくう)といい、太い架空ケーブル(標準外径33.5mm)になると、1本のケーブルに400対もの電話線が束ねられているそうだ。

落雷などから電話を守ってくれる保安器
ケーブルの中継と引き出しを行なうための端子函

電柱から地下へ

き線点で地下に下りるケーブル
 架空ケーブルをさらにたどっていくと、ケーブルの先が地下に引き込まれている電柱に出くわす。ケーブルはここから、管路と呼ばれる地下に埋め込んだ管の中を通る地下ケーブルになるわけだ。架空と地下を結ぶこの入り口をき線点といい、地下管路では3600芯線(標準外径59mm)という太いケーブルも使われるそうである。

 ところどころにあるNTTのマンホールを頼りに、さらに先をたどれるかもしれないが、管路がどこをどう巡っているのかさっぱり分からないので、実地見分はこれにて終了。後は、伺ったお話をもとにした探索である。

 といっても、市内を巡りながらNTTのビルを目指すだけなのだが、この巡り方で実際の電話線の全長が大きく変わるだろうなということは察しがつく。ADSLのようなケーブル長に左右されるサービスの場合、ケーブルの引かれ方によっては、局に近くても品質が低下する可能性がある。

MDFの正体

 1つの局がカバーするエリアは、人口の密集度によって異なり、一般に都会では狭く田舎では広くなる。

 だが、広くてもせいぜい7km程度とのこと(一部例外もあるそうだが)。多少の回り道もあるだろうが、地下ケーブルは最終的にNTTのビルにたどり着き、MDFと呼ばれる配線盤に接続される。

 モジュラージャックの向こうに続いていた1対の電話線は、途中で多芯の太いケーブルに束ねられているが、ここで再びバラされ、1本1本MDFの端子に直結されるのである。

 このMDFは、提供するサービスに応じて電話線の行き先を変えるためのもので、アナログ電話やISDNの交換機などの諸設備に続くケーブルもすべてここに立ち上がってきている。

 そしてその間を、ジャンパ線と呼ばれるケーブルでつなぎ、各ユーザーの電話線を目的の設備に接続するのである(後日詳しくお話しするが、ADSLを導入する際もここで配線を変える)。

 エリア内の電話線と、接続先となる設備がすべてここに集中するわけだから、同じ配線盤でも集合住宅のそれとは桁違い。写真のように、見渡す限りの配線盤という凄まじいいものである(1列に連なっている中の1ブロックに、128とか256とかの回線がつながっているそうだ)。

 ちなみに配線は、基本的に手作業。よく局内工事などというが、確かにこれを見ると「配線をちょこっと変えて」なんて世界ではない。

NTTのMDF(Main Distribution Frame:主配線盤)。赤く見える部分は、すべて配線。ものすごい量だ


□NTT東日本
http://www.ntt-east.co.jp/

鈴木直美
幅広い技術的知識と深い洞察力をベースとした読み応えのある記事には定評がある。現在、PC Watchで「PC Watch先週のキーワード」を連載中。
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.