これまでは、どちらかと言えばハードウェア寄りの話を書いたが、今回は「じゃ、実際は何してるの?」ってことで、筆者がインターネットで日頃楽しんでいることを書いてみたい。
■常時接続の便利さは!?
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筆者のオーディオシステム1
ご覧のように、メインのスピーカーはバックロードホーンと呼ばれ、かなり巨大なものだ。立てると圧迫感が凄いので、昔から横へ寝転がして使っている。これで片方だ。上に乗っている小型スピーカーが購入したSP-LE8T |
インターネットを使うとき常時接続になって何が一番便利か!? というと、実は買い物系だったりする(笑)。もちろん、原稿を書くときも、資料を探してあちこちウロウロするが、筆者の場合、年中原稿を書いているわけではなく、メール処理とインターネットラジオ以外の多くはオークションも含めた買い物系に時間を費やしている。後は写真系かな!? 今やインターネットで何でも買える時代となったが、逆にこれが困った問題! つまり、見なければ買わないのに、見つけてしまうから欲しくなり、ついつい買ってしまう。1つ1万円程度だからと次々買っていると、気が付けば10万円オーバーっていうのはよくある話だ。店へ行かなくとも、パソコンの前で買えてしまうからタチが悪い。
筆者がインターネット上で何を買っているかというと、中古オーディオ機器関連である。大昔、学生時代の頃かなり凝っており、最後にこの関連の買い物をしたのは約18年前。手元に揃った機器は(わかる人しかわからないと思うが)以下の通りで、それなりの(?)ものを持っている。
プリアンプ | McIntosh C22 |
メインアンプ | McIntosh MC275 |
CDプレーヤー | McIntosh MCD7007 |
アナログプレーヤー | Micro BL-101L + SME 3012-R + ortofon SPU-A + maranz MC1000 |
スピーカー | JBL D130 + LE175 + H91 + L91 + 4530
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しかしこの10年以上、仕事が忙しくなったり、夜などプライベートの時間の使い方が変わってしまい、完全に埃をかぶった状態になっていたのだ。それを再び触りだすきっかけとなったのが、Aopenの真空管搭載マザーボード「AX4B533-TUBE」の評価記事を書いたこと。妙に真空管の音が懐かしくなって、約15年ぶりにアナログプレーヤーをのぞく全てをセッティングし、おそるおそる電源を入れてみた。特にアンプはノーメンテ。既に40年近く経っている骨董品のような真空管アンプなので、いつコンデンサが破裂してもおかしくない状態。音が出たときの安堵感は言葉で書き表わすことができないほどであった(笑)。
さて、無事懐かしい音に触れたものの、一日の中で音楽をのんびり聴ける時間帯は、夜中の風呂上りのビールタイム以降寝るまでの間。当然、このような巨大スピーカーを満足できる音量で鳴らせるハズもなく、数日間極小音量で聞いていた。しかし、徐々に物足らなくなり「小音量で聴くなら、昔持っていたSP-LE8T(もちろん現行機種ではない)が欲しいな!」っと思った瞬間、もう止まらない。インターネットでSP-LE8Tの在庫があるショップを探し回り、都内のオーディオショップを発見。翌日には見に行って、状態が良かったので買ってしまった。実際、音を聴くと「あっ、これだよこれ、SP-LE8Tだ!」と、大昔に聞いた音を覚えている。不思議な感覚だ。
こうして楽しい(散財地獄の)オーディオ機器の買い漁りが始まった……。
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筆者のオーディオシステム2 McIntoshのC22とMC275は一瞬復活したものの、また使わなくなりお蔵入り。真空管のKT88(Genalex Gold Monarch)とECC83(Telefunken)だけ取り出して、後述するVP-MINI88 MarkIIへ移植した。アナログプレーヤーと昇圧トランス(左下/maranz MC1000)は既にレコードがないため全く使っていない。オークションに出そうかな!?
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Aopen AX4B533-TUBE製品写真
これが、今回散財するきっかけを作った真空管搭載マザーボード。これさえ見なければ平和だったのに……
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□Aopen AX4B533-TUBE
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0906/tube.htm
□McIntosh C22、MC275
http://www.retroaudio.ru/mcintosh/index.shtml
■次から次へ…。
無事、SP-LE8Tをゲットすると今度は、「アンプが余りにも大げさだし、うたた寝してる間にコンデンサが破裂したら怖いので、小型の真空管アンプが欲しいな!」となった。いろいろ探した結果、TRIODE VP-MINI88 MarkIIの中古を半額以下で発見。名古屋のショップだったが、振り込んだ翌日の昼には事務所へ届いた。都内のショップで在庫がないため取り寄せ……のパターンよりずっとスピーディだ。この真空管アンプは現行機種で、小音量時にはMcIntosh MC275といい勝負をする。コストパフォーマンスはかなり高く、筆者お勧めの逸品である。
これで本来の“夜中に小音量で聴いてバランスの良いシステム”という目的は達成した。ここで止めればいいものを「そういえば、昔はお金が足らなくて高級ケーブル類は試してなかったな!」と思い、Yahoo!オークションのケーブルを眺めると、あるわあるわ……、PAD、TRANSPARENT、ortofon、KIMBER、CARDAS、MIT、WIREWORLD……。昔高価で買えなかった憧れのケーブルがゾロゾロ。中でも筆者的に好きそうなMIT T2i(RCAインコネクト)とT2s(スピーカーケーブル)を安価で発見! 即落価格で一気にゲットした。普通の人なら、いくら中古とはいえ、RCAケーブル1mとスピーカーケーブル3mで計約5万円はちょっと信じられない金額だろう。しかし、プラス5万円でアンプやCDプレーヤーのランクを上げるより、場合によってはかなりの効果が期待できる。事実、今まで使っていたケーブル(といっても1万円程度はするもの)と入れ替えたところ、驚くほどの変化! システムから出てくる音は数ランク以上向上した。「こんなに潜在能力があったのか!?」っと驚いた次第だ。
あまりの違いに、T2sは大型スピーカーへ接続、SP-LE8Tは少し系統の違った“まったり系”のケーブル、ortofon 6.7N SPK500(4500円/m)の1.5m×2を安価でゲット。このケーブルは高域と低域を少し誇張することもあり20cmフルレンジのLE8Tにはピッタリの音となった。更に「じゃ、次は電源ケーブル」……と、どんどんエスカレートしてケーブルばかりをちょっと恥ずかしくて書けないほど落札した。
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TRIODE VP-MINI88 MarkII KT88をTRIODE接続した真空管アンプ。安価で小型の割りに音は抜群! 出力12Wであるものの、スピーカーの能率がいいため、ボリュームの位置で10~11時程度でマンション内限界音量になる。安定して音が滑らかになるまで約CD 1枚分ほど時間がかかるのが欠点といえば欠点か!?
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T2i(左)、T2 Bi-Wire(右)
筆者がケーブルおたくになるきっかけを作った逸品。ケーブルに付いている箱がこのシリーズの特徴である。これまで何百回と聴いたCDが別のCDに聞こえてしまうほど出てくる音が激変する。とにかく最初は驚いた! 後にT2sは、T2 Bi-Wireへ買い替え
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□TRIODE VP-MINI88 MarkII
http://www.triode.co.jp/VP-Mini88_2.htm
□MIT T2i, T2s、T2 Bi-Wire
http://www.knicom.co.jp/mit/mi_term.html
■とにかくオークションは危険!
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よく見ているYahoo!オークションのカテゴリ
これらのカテゴリは筆者にとって危険エリア。特に、ケーブル、JBL、McIntosh。忙しいと見る暇もないが、ちょっとした待ち時間などにうっかり見てしまうともう大変!
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いつも「これを落とせばもう終わり!」っと思っている筆者であるが、気が付くと毎週毎週次々に欲しいものがオークションに出展される。最も危険なのが5万円までの品物だ。もし毎週買ったら、あっという間に月20万円コースである。パチンコと同じように上限を決めて遊ばないと、とんでもないことになりかねないので要注意!
さて、このように楽しく(?)買い物やオークションできるのも、有線ブロードネットワークスを引いて常時接続になったおかげ。一般的にFTTHはスループットの話に終始するが、常時接続であるということも忘れてはならないポイントである。
今回、どちらかといえば、AV Watchネタになったしまったものの、12回続くこの連載、たまにはこんな話もいいだろう。どうやらパソコン&デジタルカメラ関係者には筆者と同じように、昔オーディオに凝った人がけっこういるようだし!(笑) こうしている間にまた新たなMcIntoshが出ている! 次なるターゲットは、LE8T用の大きい箱と、McIntoshのブルーメーターが付いたパワーアンプだ。まだ中級一眼レフデジタルカメラ程度の予算が必要だな。いっぱい書いて稼がないと!
(2002/10/31)
□有線ブロードネットワークス
http://www.usen.com/
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