ケイ・オプティとK-CAT、「eo光テレビ」で新メニューを提供

CSハイビジョンチャンネルの拡充やBSパススルーに対応


 ケイ・キャット(K-CAT)とケイ・オプティコムは、光ファイバ回線を利用した多チャンネル放送サービス「K-CAT eo光テレビ」で、CSハイビジョンチャンネルを拡充するとともに、BSパススルーサービスに対応した新メニューを5月18日に開始する。

CS基本チャンネルでハイビジョンに対応。BSはSTB不要で視聴可能に

「K-CAT eo光テレビ」新メニューの概要

 「K-CAT eo光テレビ」は、電気通信役務利用放送事業者のK-CATが、ケイ・オプティコムの光ファイバ回線を利用して提供する多チャンネル放送サービス。ケイ・オプティコムが「eo光ネット」を展開するサービスエリアのうち、近畿2府4県の154市町村で利用可能で、地上デジタル/アナログおよびBS/CSデジタル放送の視聴やFMラジオ放送の聴取に対応する。

 18日に開始する新メニューでは、CSハイビジョンチャンネルのラインナップを拡充するとともに、BSデジタル放送のパススルーサービスに対応。現行メニューでは、CSチャンネルの基本チャンネルは標準画質で、ハイビジョン画質は有料オプションチャンネルのみ対応していたが、新メニューでは基本チャンネルでもハイビジョン対応を実施する。

 また、BSデジタル放送ではパススルーサービスの提供によって、専用セットトップボックス(STB)を利用することなく、BSデジタルチューナーを搭載したテレビなどで直接視聴が可能になった。

 「eo光ネット」とセット利用時の料金は、CSチャンネルを58チャンネル視聴できる「プレミアムHD」が月額3980円で、42チャンネルの視聴が可能な「ベーシックHD」が月額3500円。また、「K-CAT eo光テレビ」単体利用時の料金は、「プレミアムHD」が月額5870円、「ベーシックHD」が月額5390円。

 また、地上/BSデジタル放送の再送信用途に、放送大学や通信販売番組などCSチャンネルを標準画質の6チャンネルに絞った「コンパクト」メニューも用意。「eo光ネット」とのセット時は月額1800円で、単体利用時は月額3690円。このほか、サービス申込時には初期費用が別途発生する。

 なお、「プレミアムHD」と「ベーシックHD」で視聴できるCSハイビジョンチャンネル数は、2009年5月から2010年4月にかけて順次拡大する。「プレミアムHD」では、2009年5月の段階で13チャンネル、2010年4月までに35チャンネルまでに拡充する予定だ。移行期間中のCSチャンネルは標準画質で視聴できる。

 このほか、「eo光ネット」と「K-CAT eo光テレビ」に加え、OAB~J番号によるIP電話サービス「eo光電話」をセットにしたトリプルサービス利用時の割引メニューなども用意する。また、5月18日から8月2日に「K-CAT eo光テレビ」へ新規加入したユーザーを対象に、1年間にわたって月額料金を800円割り引くなどのキャンペーンを実施する。

 なお、現行メニューでは基本チャンネルのCSハイビジョン対応や、BSパススルーサービスへの対応は行なわれない。このため、これら機能拡充を利用する際には、新メニューへのコース変更手続きが必要で、ONU交換などによる工事費も発生する。また、現行メニューは新メニューの提供開始に伴って、新規申込受付を終了する。


現行メニューとの比較eo光のサービスエリア

現行ユーザーを対象にしたアンケート調査結果。回答者103名のうち、約80%が3000円台以下のテレビサービスを希望したというBSパススルーサービスの概要

「K-CAT eo光テレビ」契約数は5月末で20万件を達成予定

(左から)ケイ・オプティコムの河田氏、K-CATの関氏と半澤氏

 K-CATの半澤俊一常務取締役は11日開催の発表会で、「2003年11月のサービス開始から約5年半が経過したが、現在では近畿2府4県の154市町村で『K-CAT eo光テレビ』の利用が可能になった」と説明。同エリア内でのサービス利用可能世帯数は760万世帯で、半澤氏は「我が国屈指のCATV事業者に成長できたと考えている」と述べた上で、「競合他社との激しい競争を続けているが、新メニューの投入で今後とも切磋琢磨しながらより良いサービスを提供していきたい」と抱負を語った。

 「K-CAT eo光テレビ」の契約世帯数は、2008年2月に10万件を突破し、2009年5月末には20万件を突破する見込み。また、現行メニューでのコース別加入割合は、「ベーシックHD」に相当する「バリューパック」が7割超と大半を占める。残り3割を「プレミアムHD」に相当する「スタンダードパック」と、「コンパクト」に相当する「ライト」が分け合う形だという。

 「eo光」サービス全体に関しては、ケイ・オプティコムでサービス戦略グループ チームマネージャーを務める河田靖弘氏が説明。この中で、「eo光ネット」の契約数は2008年度末に84万件を達成しており、河田氏は2009年度中に100万加入達成を目指す考えを示した。

 このほか河田氏は、近畿地域におけるブロードバンドサービス利用状況も紹介。それによれば、FTTH契約数がADSL契約数を上回った時期は2007年12月末と、全国平均と比べて2四半期早かったほか、都道府県別のFTTH世帯普及率でも和歌山県を除いた5府県で、全国平均の27.6%を上回る数値を示したという。


「K-CAT eo光テレビ」の契約数こちらは「eo光ネット」の契約数近畿地方におけるブロードバンドサービス利用状況

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(村松 健至)
2009/5/11 17:52