アイ・オー、RAID 6に対応したLAN接続HDD「LAN DISK XR」

LAN DISK XR（HDL-XRシリーズ）

　アイ・オー・データ機器は、HDDを4台内蔵し、RAID 6に対応したLAN接続型HDD「LAN DISK XR（HDL-XRシリーズ）」を9月17日に発売する。標準価格は2TBモデルが10万380円、4TBモデルが14万4900円、6TBモデルが17万8500円で、受注生産の8TBモデルが29万9250円。

　HDL-XRシリーズは、1.2GHz駆動のCPUを採用し、従来モデル「HDL-GTRシリーズ」と比較して、読み込み速度が約2.6倍、書き込み速度が約2倍と、転送速度が向上した。また、同時接続可能な推奨台数は従来の16台から32台へと倍増。設定画面のデザインも一新して、表示速度を向上させたという。

　RAID機能では、4台中2台のHDDに障害が発生した場合でもデータを復旧できる「RAID 6」に対応。また、3台のHDDで「RAID 5」を構成して、残り1台を予備として運用する「RAID 5+S」、3台のHDDに同一のデータを保存して冗長化し、障害発生時には残り1台に切り替わる「RAID 1m+S」なども利用できる。

　バックアップ機能では、eSATAポートに接続した外付けHDDに対して、保存データや設定内容をバックアップできる「eSATAミラーリング」、USBまたはeSATAポートに接続した外付けHDDに差分データをバックアップする「履歴差分バックアップ」、HDL-XRシリーズを2台用意してリアルタイムに保存データをコピーする「レプリケーション」機能を用意した。

　ユーザー管理機能としては、ユーザー単位で共有フォルダに保存できる容量を設定できるほか、グループ単位やフォルダ単位での設定にも対応。また、RAID 6/5動作時には添付USBロックキーを使用した256bitのAESによるハードウェア暗号化機能も利用できる。

　有線LANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T×2ポートを搭載。このうち1ポートは、Intel製のチップを使用しており、Wake On LAN機能が利用できる。また、本体USBポートにはAPCまたはオムロン社製のUPSも接続可能で、電源障害発生時の自動シャットダウンや復旧時にUPSと連動した自動再起動機能が利用できる。

本体前面	背面	1.2GHz駆動のCPUを採用して転送速度を向上させた

RAID 6に対応	複数のバックアップ機能も用意する	その他の機能強化点

　対応OSは、Windows 7/Windows Vista/XP/2000およびWindows Server 2008/R2、Windows Server 2003 SP1/R2、Windows 2000 Server、Mac OS X 10.4以降。このほか製品には、複数台のHDL-XRシリーズ管理できる「LAN DISK Admin」、設定データをコピー・復元できる「LAN DISK Restore」、共有フォルダの更新状況を監視する「Sight On」などが添付する。

　本体サイズは170×230×183mm（幅×奥行×高）で、重量は約7kg。本体電源は日本国内で設計・生産された製品を採用したほか、メインFANは後日発売する交換用FANとの入れ替えにも対応する。

　また、アイ・オーの有料保守サービス「アイオー・セーフティ・サービス（ISS）」も利用が可能。ISSでは新たに、ネットワーク経由でHDL-XRシリーズの動作状況を監視して、定期レポートをメールで報告する「ISS監視」サービスなどを新たに提供。ISS監視の利用料金は年額3万6000円からになる。

　このほか、日本IBMの「Tivoli Storage Manager FastBack」やシマンテックの「Symantec Backup Exec System Recovery ver8.5」など、他社製バックアップソフトの動作確認も実施している。

　製品発表に合わせて開催した発表会の中で、アイ・オー・データ機器の執行役員で第1開発本部の本部長を務める平野義久氏は、「ビジネス向けNASの最上位モデルとしてHDL-XRシリーズを発売する」と説明。従来モデルと比較した本体性能向上に加え、「販売店に対する支援策の強化、実際に利用するユーザーへの用途提案なども進めていきたい」と語った。

アイ・オー・データ機器の平野氏	ビジネスNASの最上位モデルとして位置づけ	ISSの利用にも対応する