NTTグループ会社、Mr.マリックらが講師の趣味の講座を有料配信


 NTTナレッジ・スクウェア株式会社は4日、趣味やビジネスなどに関する講座を有料でオンデマンド配信する教育サービス「N-Academy」を開始した。NTTのフレッツ回線以外からも利用が可能で、受講料は講座ごとに異なるが、数千円から数万円程度になる。

ゴルフや釣り、スイーツなどの趣味の講座が充実

N-Academy

 NTTナレッジ・スクウェアは、NTTグループとeラーニング事業を手がける株式会社デジタル・ナレッジが2009年9月に設立した企業。NTTグループでは、ブロードバンドサービスを活用したアプリケーションやコンテンツの利活用を推進しており、今回開始した「N-Academy」もその一環。

 「N-Academy」では、各分野で活躍する人物を講師として迎えた講座を用意。Mr.マリック氏のマジック講座やパティシエの辻口博啓氏のスイーツ講座、ゴルフツアープロコーチの谷将貴氏によるゴルフ講座をはじめ、コーチングや釣り、メイクアップ、シナリオ創作の講座などを順次開講。また、ヒューマンアカデミーと連携して、色彩検定や秘書検定、フードコーディネーター講座もラインナップする。

 講座の内容は動画で配信され、動画の画面サイズは854×480ドット、ビットレートは1.5Mbps。今後はハイビジョン映像など、高画質版の動画配信も予定する。

 各講座にはクラス担任が配置され、受講生への学習サポートや質問への対応を担当する。また、講座の理解度を確認できるテストに加え、インターネット経由で課題を提出するアップロード機能を用意。料理講座などでは、デジタルカメラで撮影した料理の写真も提出できる。なお、動画で課題を提出する機能も来春をめどに実装する予定だ。


オンデマンド配信で動画による講座を受講できるユーザー別のマイページも用意クラス担任制度や他ユーザーとのコミュニケーション機能も

Mr.マリック氏や辻口博啓氏などが講師を担当ヨガ講座には千葉麗子氏も釣り講座や華道講座なども順次開設する

 「N-Academy」では、講師が実際に登場するリアル授業やオフ会の開催も予定。また、同じ講座を受講するユーザー同士でのディスカッションやコミュニケーションが可能な「クラスルーム」機能も用意する。NTTナレッジ・スクウェアでは、受講生へのサポート体制やユーザー間のコミュニケーションを活発化させることで、ユーザーの学習モチベーションを高めたいとしている。

 受講料や受講期間は講座ごとに異なる。11月4日に受講申し込みを開始した、パティシエの辻口博啓氏が講師を務める講座の場合で、1レッスンを体験受講できる「プレコース」は受講期間が1カ月間で、受講料が2000円。お菓子作りの基礎を学べる「スイーツ・ベーシックコース」は受講期間が3カ月で、受講料が18万5000円(教材費含む)。なお、今後は無料の体験講座も設けるという。

 決済方法は、銀行振込とNTTナレッジ・スクウェアの提携会社による分割払いに対応。また、クレジットカード決済も近日中に対応を予定する。

 「N-Academy」の推奨環境は、Windows 7/Vista SP2以降/XP SP3以降/2000 SP4以降およびMac OS X 10.4以降で、Silverlight 3以降とFlash Player 10以降が必要。また、推奨するWebブラウザは、Windows OSの場合でInternet Explorer 6.0 SP3以降/Safari 3.1以降/Firefox 3.0以降/Chrome 3.0以降、Mac OSの場合でSafari 3.1以降。インターネット接続回線は、1.5Mbps以上の通信が可能な光ファイバー回線やCATVインターネット回線などを推奨する。

NTTナレッジ・スクウェア古賀社長「本物を学べる環境が実現」

NTTナレッジ・スクウェアの古賀社長

 NTTナレッジ・スクウェアの古賀哲夫代表取締役社長は、4日に開催した発表会で「日本の光ファイバー接続サービス契約数は約1600万件と世界と比べて大きな数値になっているが、一方で高速なインフラを活用したサービスやアプリケーションが出てきていない」と指摘。NTTグループとデジタル・ナレッジが9月に設立したNTTナレッジ・スクウェアについて、「高速なインフラを活用した教育サービスを提供するために設立した企業である」と述べた。

 「N-Academy」のサービス展開にあたっては、デジタル・ナレッジが持つeラーニング事業のノウハウを活用するとともに、学校や塾、通信教育事業などを手がける企業とも協力を進める方針。古賀社長は「NTTナレッジ・スクウェア自体がコンテンツを作るのではなく、各社と協力して教育コンテンツのプラットフォーマーとしての役割を担いたい」と語った。

 また、各界で活躍する著名人を講師として迎えることで、「ユーザーの住んでいる場所を問わず、本物を学べる環境が実現できる」とした。NTTナレッジ・スクウェアでは今後も順次講座を拡充する予定で、サービス開始から3年後に20億円規模の売上げを目指す考えだ。


「N-Academy」の事業モデル教育コンテンツにおけるプラットフォームとしての役割を目指す

 4日の発表会には「N-Academy」で講座を持つMr.マリック氏や辻口博啓氏をはじめ、6名の講師が登壇。マジックを披露したMr.マリック氏は、「これまでマジックを解説する本やDVDを出してきたが、本当に役立ててもらえたかはわからなかった」と述べ、「インターネットを介した『N-Academy』では受講者からの質問も受け付けられ、双方向な教育が実現できる」と期待を寄せた。


Mr.マリック氏や辻口博啓氏ら講師6名が出席したMr.マリック氏は質問などを通じた教育に期待を寄せた発表会では、500円玉が瓶の中に入るマジックも披露した

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(村松 健至)
2009/11/4 18:45