場所を選ばず指先だけで操作できる! 超小型トラックボール
サンワダイレクトで限定販売される「400-MA018」。価格は2780円 |
サンワサプライの直販サイト「サンワダイレクト」で販売されている「400-MA018」は、非常に小さなトラックボールである。トラックボールとは、台座に埋め込まれたボールを転がすように操作するポインティングデバイスの一種だ。マウスのようにフラットなスペースを必要とせず、ダイレクトでリニアな操作感を味わえるのが魅力だ。
今回取り上げる「400-MA018」は、このトラックボールを超小型化した製品。本体サイズはSDメモリカードより少し大きい程度。これを伸縮性のあるベルトで指先に取り付けて使用する。言ってみればウェアラブルなトラックボールなのである。いつでもどこでも、場所を選ばずに使用できるのが大きな特徴となっている。
本製品は普通にイメージされるトラックボールとはだいぶ異なる形状だ。本体は小さくて平たいボックス形。裏には太い伸縮性のベルトが取り付けられており、使用時はここに指を通し、親指側に向けて固定する。横から伸びる細めのUSBケーブルは長さを調整できる巻き取りリール付きだ。
ボックスの表面は4つのエリアに等分され、うち1つに直径6mmほどの小さなボールが埋め込まれている。これを親指で回転させることで、マウスと同じようにディスプレイ上のポインタを動かせるのだ。
ボールは硬くて心地良い手触りの透明な素材で、内部にはラメがちりばめられている。動作中は本体内部から赤いLEDライトに照らされてキラキラと輝き、まるでイルミネーションのようである。残り3つのエリアは長方形の全面ボタンだ。通常のマウスでいう左右ボタン、それにポインタを動かす通常モードとスクロールモードを切り替えるボタンである。
SDメモリカードより1回り大きいだけの超小型ポインティングデバイスだ。ボールの直径は6mmほどしかない | 本体は30×35mmの箱形。フロントパネル上には小さなボールと3つのボタンが配置されている | 画像ではわかりにくいが、動作中は内部からの光に照らされてボール内のラメがキラキラと輝く。まるでイルミネーションのようだ |
表面を見ただけではわからないが、実はミドルボタンも装備されている。裏側の隅にある小さな円に囲まれた突起がそれだ。緊急時の強制リセットスイッチのように、指ではなくボールペンの先などで押さなければならないため、常用するのは難しい。どうしても必要なときにだけ使えれば良いという割り切った配置である。
ボールとボタンがあるボックスは、30×35×14mm(縦×横×厚)ほど。指につけていても気にならない重さだ。この小さなボックスの上で親指を細かく動かすのは難しいと思われるかもしれないが、心配は無用。ほとんど違和感はない。
ボールを転がす、あるいはボタンを押すという動作が、指で何かをつまむといった日常の動きと似ているからだ。携帯電話を操作する感覚に近いと言えば、わかりやすいかもしれない。指を伸ばしたり、意識してムリな角度を保つ必要はなく、長時間の使用でも手に大きな負担をかけることはなさそうである。
ポインティングデバイスとしての機能は標準的なスクロールホイール付き2ボタンマウス相当。昨今の多機能マウスを使い慣れていると物足りなさを感じるかもしれない。しかし、これ以上の機能を搭載したとしたら操作が複雑になりすぎ、実用的とは言い難くなってしまうだろう。1本の指だけでPC上で行う一通りの作業をこなすには必要にして十分な機能である。
左端に見えるグレーの突起がミドルボタン。直径は2mmほど。奥まって配置されているので指先で押すのは難しい | 指を通すベルトは幅12mm。伸縮性のある素材だ。指が細く安定しない場合は人差し指と中指の2本を通してしまうと良い | 細めのUSBケーブルは全長約70cm。携帯しやすいようリールに巻き取られ、必要な長さにロックできる |
このユニークなポインティングデバイスのメリットは、やはり軽量コンパクト、動かすスペースを必要とせず、文字通り場所を選ばないという点である。なにしろ本製品を装着した状態でも、片手の親指と人差し指以外はフリーなのだ。
開いたノートPCを両手で抱え、ディスプレイを見ながらポインタを移動させ、さらにクリックまでできてしまうのである。おすすめはしないが、その気になれば歩きながら操作することも可能だろう。今回の試用中も車の助手席、図書館、公園、ファストフード店など、ありとあらゆるシチュエーションで役立ってくれた。常時ノートPCを持ち歩くようなユーザーなら、バッグやポケットに忍ばせておくととても心強いアイテムである。
活躍の場はモバイル環境だけではない。マウスやタッチパッドと異なり、どんな姿勢でも扱えるのだ。自宅のソファでくつろぎながら、あるいはベッドに寝転がりながら、指先をわずかに動かすだけディスプレイ上のポインタを操作できるのである。リラックスした姿勢でWebページを眺めたいときや、DVDを鑑賞するときなどのリモートコントローラとしてもおすすめできるだろう。
ケーブルを延ばし、指先につけてもほとんど負担を感じない。本体ユニットの重量は10数グラムといったところだろう | 本体ユニットの厚さは約14mm。ボタンのストロークは短いが、しっかりした手応えがあるので誤操作の心配はない | 英語表記の簡単なリーフレットが付属。機能的にはマウスと同等なので、日本語マニュアルの必要はなさそうである |
なお、製品パッケージや製品紹介ページには、人差し指を本体裏のベルトに通し、親指側に向けて固定している画像が掲載されている。これがもっとも扱いやすい標準的な使用法だろう。
筆者の場合は、ある程度慣れたあとは中指で使用するようになった。人差し指をあけておけば、つけたままでもキーボードがタイプしやすいからである。右手にペンを持ち、メモなどを取りながら使いたければ左手に着けても良い。マウスのようなスピーディな操作には向かないようではあるが、左右どちらの手でも同様に扱えるのは大きなメリットである。
なお、本製品の製造元は海外のメーカーらしく、英語表記の簡単なリーフレットが付属しているだけで、日本語マニュアルは用意されていなかった。機能的にはマウスと同等なので不自由はないが、イメージが掴みにくい場合は製品紹介ページを参照すると良いだろう。ちなみに本製品と同様の製品(製品URL)が上海問屋でも発売されているので、気になる方はこちらもチェックしてみると良いだろう。