モバイルノートにマッチ! 回転式USBハブ搭載のLANアダプタ

ロジテック「LAN-TX/U2H3シリーズ」


ロジテックのLAN-TX/U2H3シリーズ。3ポートUSBハブを内蔵したUSB接続型の有線LANアダプタだ。直販サイトの価格は2980円で、シルバーとブラックの2色を用意する

 ロジテックの「LAN-TX/U2H3シリーズ」は、10BASE-T/100BASE-TXに対応したUSB接続型のLANアダプタと、USBハブを一体化させたユニークな製品だ。本体にLANケーブルを挿し込むLANポートと3つのUSBポートを備え、これ1台でLANへの接続と複数のUSB機器の接続が可能になる。場所を選ばないコンパクトなボディに2つの機能を内蔵した使い勝手の良い複合デバイスだ。

 LAN-TX/U2H3シリーズの製品パッケージには、アップルの「MacBook Air」とソニーの「VAIO type P」の製品画像が掲載されている。「MacBook Air」はワイヤレス環境の利用を想定し、IEEE 802.11a/b/g/nの無線LAN機能とBluetoothを搭載するかわりに、LANケーブルを接続するコネクタがなく、USBポートも1つしか装備していない。もちろん、無線LAN環境のある自宅やオフィスであれば、これで不自由はないだろう。しかし、無線環境が整えられていない場所、あるいは安定性や速度を重視する状況ではケーブル接続のLANを利用したくなることもあり得るのだ。

 こうしたとき、本製品であれば、USBポートを1つしか持たない「MacBook Air」のUSBポートを目一杯活用し、有線LAN接続と3台のUSB周辺機器を同時に使用できるようにしてくれる。ワイヤレスのスマートさと扱いやすさは大きなメリットだが、状況に応じて安全確実な有線接続も利用したいというユーザーの要望に応えてくれるアイテムなのである。

 一方、ソニーの「VAIO type P」は通常であれば、LANケーブルの接続には外部取り付け式のアタッチメントが必要になるのだが、LAN-TX/U2H3シリーズがあれば、USBポートに本製品を接続するだけで良い。近頃流行のネットブック、あるいはUMPCと呼ばれる超小型モバイルPCとの相性も良いはずだ。


製品パッケージ。製品の対応OSはWindows Vista/XP/2000とMac OS X 10.5以降(Intel製CPUのみ)Windows用のドライバを収めたCD-ROMが付属。Macintoshであればドライバのインストールは必要ない

 一見すると、LAN-TX/U2H3シリーズは対象機種を絞り込んだ製品に見えるかもしれない。しかし、機能的には10BASE-T/100BASE-TXに対応したUSB接続型の有線LANアダプタと、USBハブという利用頻度が高い機器の組み合わせなのだ。つまり、外部機器とのインターフェイスに制限がある小型PCだけでなく、通常のPCでも十分に活用できるのである。

 例えばノートPCをヘビーに使いこなすユーザーの場合、LANとUSBを1本のプラグにまとめることができるというメリットがある。普通であれば、それぞれを個別に接続する必要があるのだが、LAN-TX/U2H3シリーズにあらかじめLANケーブルやマウス、プリンタ、カードリーダーなどを接続しておけばUSBプラグ1つを挿し込むだけで作業は終了。モバイルからデスクトップへ、素早くスマートな移行にも役立つだろう。

 本体サイズは98×36×20mm(幅×奥行×高)で、片方の側面が丸みを帯びた細長いボックス形だ。重量は約59gと非常に軽量で、持ち歩いても負担にならない。左の側面から長さ約10cmのケーブルが伸び、これをPCのUSBポートに接続する。フロントパネル右にはLANケーブル接続用のRJ-45ジャックが1つ。挿し込み口を囲むフレームの角に2つのインジケータランプがあり、接続状況を確認できる。


LANケーブルの枠の上辺左右には接続状況確認用のインジケータランプがある3ポートのUSBハブは本体の左側。Aタイプのコネクタが3つ、「川」の字を描くように並べられている

 LAN-TX/U2H3シリーズは3つのUSBポートを備えているが、その配置がとても変わっている。3つのコネクタが狭い間隔で並べられているのだ。これでは少々大きなプラグ一体型の機器を挿し込むと隣のポートが利用できなくなりそうに思えるが、心配は無用。なんとこのポート、最大180度まで回転させることができるのだ。

 3つのポートそれぞれを少しずつずらした角度に固定すれば、どのような機器でもぶつかることなく、確実に挿し込むことができる。重量のあるものを水平に挿して安定させ、ケーブルや軽量な機器は垂直に挿すといった使い分けも可能だ。また、マウスやカードリーダーなど手元で扱う機器は前方、プリンタやスピーカーなどは後方へ向けて挿し込めば、ケーブルの流れをきれいに整理できるという効用もある。少々奇抜ではあるが実用性が高く機能的なUSBハブと言えるだろう。

 なお、USBバスパワーで供給できる電力は、全ポート合計で200mAまで。外部電源用のジャックはなく、ACアダプタも用意されていないので、セルフパワーを利用することはできない。大きな電力を必要とするHDDや光学ドライブといった機器の接続には注意が必要だ。


3つのUSBポートはそれぞれが上下方向に最大180度回転。プラグ一体型の機器でも隣と干渉することがないUSBポートの回転には軽い抵抗感があり、自由な角度に調整することができる。ケーブル程度の重量なら支えは不要だUSBポートの向きを変えれば用途ごとにケーブルの流れをまとめられる。デスクの回りの整理にも役立ちそうだ

 スタイリッシュなノートPCや超小型のモバイルPCとの接続を想定したLAN-TX/U2H3シリーズではあるが、数世代前のPCと組み合わせてみても良さそうである。旧式の機種ではLANポートを標準搭載していないものが多いのだ。

 筆者の家にもいわゆるレガシーデバイスとUSBポートのみを装備したノートPCが生き残っている。普段はPCカード型のLANアダプタやUSB LANアダプタを使用していたのだが、LAN-TX/U2H3シリーズなら数が限られたPCカードスロットを占有することなく、LAN接続とUSB機器接続を確保できるのが非常に有り難かった。

 ロジテックの直販サイトでの価格が2980円と、比較的リーズナブルなのも魅力。幅広く活用できるコストパフォーマンスの高いアイテムと言えそうである。


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(斉藤 成樹)
2009/8/5 11:00