ファンの回転を自動調整できる!
機能満載のノートPC用クーラーパッド「X-WING」


 大きな処理能力を必要とする作業時や気温が高い時期に重宝する冷却機能付きのスタンド。熱暴走などのトラブルを回避するのに役立ってくれるアイテムである。

 サンワサプライの直販サイト「サンワダイレクト」で販売されているクーラーパッド「X-WING」も、温度上昇を防ぐノートPC用の台座だ。回転数の自動調整が可能な大型放熱ファンに3ポートのUSBハブ、さらにメディアプレーヤーのコントローラーまで搭載した多機能が自慢の製品である。単にPCを冷やすのではなく、周辺機器として利用価値の高い新しいタイプのクーラーパッドだ。

ファンの回転速度は6段階。自動調整にも対応

「X-WING(400-CLN009)」の外観。販売価格は6980円だ

 「X-WING(400-CLN009)」は、従来のクーラーパッドとは異なり、オーディオ製品のような雰囲気がある。丸みを帯びたラインとブラックとシルバーを組み合わせたシンプルな配色は、どのようなノートPCとも違和感なくマッチするだろう。デザイン面で目に付くのは手前側に大きく張り出したタッチパネル。ここに並ぶアイコンに軽く触れるだけで、内蔵ファンの回転数調整、またPCにインストールされたメディアプレーヤーのコントロールが可能なのだ。

 ノートPCを載せる上面の中央付近に直径7cmの大型ファンが取り付けられている。上面を覆うパネルは、小さな穴が多数空けられたメッシュ状。熱を伝えやすい金属製らしく、これだけでもかなりの放熱効果が期待できそうである。メッシュパネルの大きさは37×25cm(横×縦)ほど。3カ所に幅広の滑り止めが取り付けられていて、載せたノートPCをしっかりとホールドした上でパネルとの間にスペースを設け、十分な通気性を確保している。

 X-WINGの放熱ファンには、なんとオートモードが搭載されている。温度を検出してファンを最適な回転数に自動調整してくれるのだ。必要ならタッチパネルを手動操作することで回転数を6段階に切り替えることも可能。負荷がかかる作業の前にあらかじめ回転数を上げておくことができるし、逆にファンの回転数を落とし、消費電力や騒音を抑えるといった使用法にも対応できる。

 ファンの回転数はタッチパネルにあるバーグラフで確認できるほか、隣の7セグメントディスプレイに数値として表示される。このディスプレイは温度表示の可能なので、PCの稼働状況を把握するための簡易モニタとしての役目も果たせるだろう。

 放熱ファンはPCに向けて風を吹き付けて冷やすのではなく、底面付近に溜まる熱気をX-WING内に吸い込み、後方のスリットから外へと排出する方式だ。騒音レベルは最大でも20.5dBAと非常に低く抑えられており、回転数を上げても、ほとんど音が聞こえてこない。エアコンの動作音など、部屋のバックグラウンドノイズに紛れてしまうレベルである。


幅38cm、奥行き35cm。17インチクラスのディスプレイを搭載した大型ノートPCにも余裕で対応できるだろうノートPCを置くパネルは全面に小さな穴が空けられたメッシュ状。ファンを回さなくてもある程度の放熱効果が期待できそうであるタッチパネルのファンコントローラー部。7セグメントディスプレイの表示はファンの回転数と温度を切り替えられる

メディアプレーヤーボタンやUSBポートも装備

タッチパネル左側に配置されたメディアプレーヤーのコントローラー。ノートPCでのビデオ鑑賞などに便利な機能だ

 タッチパネルの左側には、PCにインストールされているメディアプレーヤーをコントロールするためのボタンが用意されている。ポインティングデバイスに触れることなく、起動や再生、停止、送りと戻し、それに音量調整が可能。ノートPCでのDVD鑑賞などに便利な機能だ。

 内蔵の3ポートUSBハブはマウスや外部キーボードなど、デスクトップで使う周辺機器を接続しておくのにちょうど良い。ただ、内蔵の大型放熱ファンとタッチパネルの電力はPC側のUSBポートから供給されるため、バスパワーを使用する機器では電源容量に注意が必要となる。

 X-WINGには、PC側のポートに挿し込むプラグが2つある専用USBケーブルを採用しているが、これを一方だけしか接続しないと正常に動作しない場合があるようなのだ。大きな電力が必要となるUSB接続の製品を利用する場合、ACアダプタなどが付属していれば製品自体で電源供給させるようにするなど、対策を考えておくと良いかもしれない。

 上面パネルは手前に向けて約5度という緩やかな傾斜が付けられており、裏側に埋め込まれた小さなプレートを引き起こすことで約7度まで傾けることができる。ちょうどデスクトップPC用のキーボードと同じ感覚でタイピングできる角度だ。スリムな機種を載せた場合、手前に張り出したタッチパネルに手首が触れそうになることもあるが、スイッチにはロック機能が搭載されているので誤動作の心配はない。


メッシュパネル中央付近のファンは空気を吹き付けるのではなく吸い込む方式。熱気は後方のスリットから排出されるPCへ接続するミニBタイプと周辺機器へ接続するAタイプのUSBポート。中央に外部電源用らしきジャックがあるが詳細は不明だった内蔵USBハブのポートは後面の左右端に計3つ。ファンやタッチパネルが電力を消費するため、バスパワーの使用には注意が必要だ

付属のUSBケーブルはPCのポートに接続するAタイプのプラグが2つ付いた専用品。一方だけでは正常に動作しない場合がある小さなプレートを引き起こすことで角度の調整が可能。普段は目立たない底面のデザインにも気をつかっており、好感が持てる製品にはUSBケーブルと説明書のほか、専用のバッグが付属している。薄手の布製で、どちらかといえば収納用だろう

 本体の大きさは約38×35×5cm(幅×奥行×厚)。大きく、堅牢な作りのためか重量は1.2kgほどあるため、相当な重量をかけてもたわむようなことはない。17インチ以上のディスプレイを搭載した大型ノートPCにも余裕で対応できるだろう。

 逆にネットブックなどの極端に小さいノートPCはメッシュパネル上の滑り止めパッドに載りきらない可能性がある。この場合でも、少々滑りやすくなるという難点はあるが、放熱ファンやタッチパネルなどの機能に大きな影響はないようである。ノートPCをデスクトップでヘビーに活用するためのベースステーションともいうべきアイテムではないだろうか。


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(斉藤 成樹)
2009/9/30 11:00