爆笑必至! セキュリティのプロによるガチンコ対決動画
防犯グッズの「CCDカメラショップ ケーヨー」(前編)


 いきなりで恐縮だが、今週から新連載である。めでたいことはめでたいのだが、これからいったいどんな店に巡り会えるのか、ドキドキなのだ。

 この連載では毎回ユニークなインターネット通販サイトを取材して、そのレポートを紹介していきたい。不景気だなんだと叫ばれているが、そんな中でもインターネット通販はなかなか好調だ。

 それもみな、ユニークな品揃えやていねいな商品解説、訪れた人の目を惹くサイトデザイン、読み応えのあるコンテンツなど、通販サイトのさまざまな取り組みのたまものなのだ。この連載を通じて、そんな頑張っているサイトの魅力を余すことなくお伝えしていきたい。

6つの店を持つセキュリティ機器ショップ

 第1回にご紹介するのは、秋葉原で防犯グッズショップを展開する株式会社ケイヨーテクノだ。同社は創業1983年のセキュリティ機器販売店で、インターネット通販は2003年から開始した。

 現在は自社サイトの「CCDカメラショップ ケーヨー」をはじめ、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」、「ビッダーズ」などさまざまなショッピングモールに出店している。また、このほかに「ケイヨーインターネットショップ」など、店ごとに運営しているサイトもあり、その数は全部で6サイトにものぼる。

 店の数がこれだけ多いのは、もともと最初はショップごとにサイトを運営していたからだそうだ。2006年にIT事業部ができてからは、サイト運営も統括されつつある。

CCDカメラショップ ケーヨーアストップケイヨー(Yahoo!店)


株式会社ケイヨーテクノが運営するWeb通販ショップ

■CCDカメラショップ ケーヨー
http://ccd-camera-pro.com/
■ケイヨーインターネットストア(CCDカメラショップ ケーヨーに統合予定)
http://as-keiyo.co.jp/
■アストップケイヨー(楽天市場店)
http://www.rakuten.ne.jp/gold/askeiyo/
■アストップケイヨー(Yahoo!店)
http://store.shopping.yahoo.co.jp/keiyo/
■アストップケイヨー(ビッダーズ店)
http://www.as-keiyo.com/
■ケイヨーインターネットショップ
http://www.catascopoz.com/


アキバ発! 動画コンテンツがてんこもり

IT事業部・部長の伊藤氏(左)と、統括部長の森澤氏(右)

 取材で訪れたのは、同社IT事業部のあるJR秋葉原駅前の野村ビル。4階のオフィスのベランダからは秋葉原駅前のラジオ会館などが一望できるが、実は私にとってこの景色は初めてではない。同社サイトの防犯カメラの商品解説ページには、このベランダから防犯カメラで撮影したサンプル動画が見られるようになっているからだ。

 「通販サイトを立ち上げた当初は静止画だけしか載せていませんでしたが、やはり実際にカメラで撮影した映像を載せたほうがお客さまもわかりやすいんじゃないかと思って、最近は動画を多用しています」という。

 動画はスタッフの編集による手作り。もともとPCの自作が得意なスタッフがいたので、編集ソフトなどの使い方を学びつつ試行錯誤しながら作っている。「売り上げへの影響はわかりませんが、やはり動画を掲載するとページビューなどは上がるので、注目度は高いと思います。」(伊藤氏)

 動画コンテンツは、防犯カメラのサンプル映像だけではない。「ケイヨーインターネットストア」には、「第一回ガチンコ配線対決~小型防犯カメラ・ワンケーブル編~」という動画コンテンツもある。

 これは防犯カメラとレコーダーとの接続が、新商品の登場でどれくらい簡単になったのかを伝えるために、ケーブルの配線勝負の動画を収録したものだ。登場するのは、今回取材に対応していただいた森澤部長。森澤部長がスタッフとフリートークしながら配線勝負を繰り広げるシーンは爆笑ものだ。「ケイヨーインターネットストア」を見ていると、随所にスタッフが登場し、とにかくスタッフの顔が見えるサイトという印象だ。

 「私どももユーザーの立場で考えたときに、やはり顔が見えると安心できると思いますので、お客さまの立場で物事を考えてコンテンツを作ろうという思いは強いです。お客さまからも反響が多いですし、『楽しい』とか『わかりやすい』とか感想のメールをいただくと、ものすごく励みになりますね。」(森澤氏)

秋葉原駅前を写したサンプル動画第一回ガチンコ配線対決


カリスマ部長が活躍する写真日記

 森澤さんが“活躍”するコンテンツとしては、ほかに「楽天市場店」や「Yahoo!店」に掲載している「防犯イベント日記」がある。これは同店の店舗やオフィス、社外のイベントや取引先で起こったさまざまなできごとを、写真を交えてレポートするコーナーだ。

 「防犯イベント日記」は、とにかくタイトルが面白い。「花も恥じらう初体験!? 大里主任の憂鬱編」とか、「いつかは俺も…都内高級億ション編」とか、「俺もこなれてきたなぁ~、防犯設備士早川将司の工事日誌(想像)、大田区マンション編」など、いったいどんな内容なのか知りたくなり、思わずクリックしてしまう。

 日記の内容自体は、セキュリティ関係の展示会のレポートや防犯カメラの設置工事の様子などを、ハードボイルド小説のような文体で紹介するというもので、カメラの取り付けのプロセスなどがわかりやすくまとめられている。

 「カリスマ部長の盗聴・盗撮発見講座」というコーナーもあり、最新の防犯グッズの使用感を紹介している。写真にはマンガのようにフキダシでセリフも入っていたりして読みやすい。“カリスマ部長”というのは、もちろん森澤さんのことだ。

 防犯グッズというと、ちょっと怖い気がして身構えてしまう人もいるかもしれないが、このサイトはほどよく肩の力が抜けたユルい雰囲気で、専門機器の敷居の高さをできるだけ低くしようという心意気が強く伝わってくる。

防犯イベント日記カリスマ部長の盗聴・盗撮発見講座


意外と多い!? 盗聴発見器に関する問い合わせ

 このような親しみやすいコンテンツをそろえていることもあって、Webサイトを見て問い合わせてくる顧客は少なくない。インターネット通販というとメールでのサポートしか受け付けていないところも多いが、同社は電話での問い合わせも可能だ。

 現在はマンパワーの問題で受け付けていないが、少し前までは盗聴器や盗聴カメラの発見サービスも行っていた。盗聴器の発見なんて、ふつうは盗聴発見の専門業者や探偵事務所などに頼むのではないかと思いきや、防犯グッズショップに問い合わせてくる人もけっこういるそうだ。

 「『情報が漏れてる!』となんとなく感じて問い合わせてくる方が多いですね。企業の場合もあれば個人の場合もあります。盗聴器の機種によっては遠隔から操作ができるものもあるので、発見業者が1回訪れただけでは見つけられないケースがあるんですよ。たまたま発見業者が行ったときに電波がオフになっていたら、まず絶対に発見はできません。」(森澤氏)

 確実に発見するには、ユーザーが自分で機器を購入して使い方を覚えてしまったほうが早いという話になる。また、費用の問題もある。業者に1回動いてもらえば、当然だがそのつど費用がかかる。「発見業の価格はさまざまなので一概には言えませんが、『機材の値段しか出せないので自分で探したい』というお客さまも多いですね。」(森澤氏)

 防犯カメラだけでなく盗聴発見器の問い合わせも多いという同店だが、どちらも専門的な機器だけに、買う側にとってはいろいろと不安な面もある。後編では同社のサポートへの取り組みを中心に紹介したい。

IT事業部のオフィス探偵さんなどに人気のリモコンキー型カメラ内蔵ビデオレコーダー「PC-300」

(明日の後編につづく)


関連情報
2009/6/25 11:00  
碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース・コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。