爆笑必至! セキュリティのプロによるガチンコ対決動画
防犯グッズの「CCDカメラショップ ケーヨー」(後編)


売りっぱなしでは終わらない! メーカーとしての心意気

 防犯カメラや盗聴発見器などを買う上で、一般の人がもっとも気になるのは「自分に使いこなせるか」という点だろう。ケイヨーテクノの場合、顧客サポートにはかなり気を遣っていて、機器を販売したあとも売りっぱなしにはしない。

 たとえば、通販で盗聴発見器を購入したユーザーが実際に発見機を使用してなんらかの反応が出ると、店に電話をかけてきて「こういう反応があったんだけど」と相談されることがよくあるという。その場合も、同店ではていねいにアドバイスしている。

 「中には、ほかの店で購入した方からも『使い方がわからない』という問い合わせが来たりもします。そんなときでも、できる限り対応するようにはしています」(伊藤氏)という。

 ケイヨーテクノはセキュリティ機器を製造しているメーカーでもあり、海外のメーカーの代理店でもある。「代理店を務めている商品であれば、もちろんアフターサービスはしっかりやらないといけないですし、うちで代理店になっていない商品でも、そのうち代理店として扱うことになる可能性もありますからね。あと、ご購入いただいた場合の故障対応なども、できるだけ迅速に行うように心がけています。」(伊藤氏)

 場合によるとはいえ、他店の購入者まで面倒を見ようなんて、実に立派! しかもサポート回線はフリーダイヤルというからうれしい。一方で、秋葉原に店を構えているからか、通販の顧客が店を訪れることも少なくないという。

 「店舗のほうに来て『カリスマ部長はいる?』と、訪ねてこられる方もいらっしゃいますよ(笑)。実際にお客さまとお会いして声を聞けるのはうれしいですね。あとWebサイトでも「CCDカメラショップ ケーヨー」でアンケートも行っています。購入された方に、今後も利用したいかどうかを質問したり、商品のリクエストを受け付けたりもしています。お客さまの生の声が聞けるので、Webサイト作りや商品開発の参考にしていますね」(森澤氏)

秋葉原の店舗の1つ「ケーヨーカタスコポス」アンケートページ


見逃せないメルマガのおトク情報

 IT事業部のスタッフは現在6名。Webサイトも社内で更新をしている。Webサイトのデザインで気を付けているのは、「できるだけわかりやすくシンプルに」(森澤氏)ということ。同社が扱うセキュリティ機器は点数が多いので、情報を整理するのは大変だ。

 「商品紹介も充実させてはいますが、とにかくコンテンツに力を入れているので、お客さまにはそこも見ていただきたいですね。あと、見逃せないのがメルマガです。お買い得品のセールやプレゼントなど、Webサイトに載せていない情報もけっこうあるので、定期的にチェックしていただくとお得な情報が得られると思いますよ」(森澤氏)

IT事業部は総勢6名で、Webサイトもスタッフが更新している


イタズラから車を守った防犯カメラ

 ところで伊藤さんと森澤さんは、なぜこの業界に入ったのだろうか。お2人に入社の経緯をお聞きした。

 「私は前職は飲食店関係です。今37歳なんですけど、ここで世話になり始めたのが30代前半のころ。防犯グッズに興味があったというよりは、人の縁ですね(笑)。最初はアルバイトで、それから社員になりました。やはり最初はアルバイトというパターンが多くて、彼(伊藤氏)もそうです」(森澤氏)

 「スタッフはほとんどが違う業界から来た人たちですね。中には青果店で働いていた者もいます。最初に入社したころは防犯カメラの知識もほとんど無かったし、そのころに感じた初心者としての目線を忘れないようにWebサイトを作っていきたいと思っています」(伊藤氏)

 ちなみに現在の仕事のどんなところにやりがいを感じているのだろうか。

 「この仕事をしていて報われるのは、やはりお客さまに喜んでいただいたときですね。たとえば以前、車にイタズラをされていた方がいて、なんとかしようと防犯カメラを購入していきました。その後、『こういう映像が撮れたよ』と、とても喜んでいただけましてね。証拠品として警察に提出したりして、ニュースでも取り上げられました。」(伊藤氏)

 「本当は、防犯カメラなんて無いほうがいい社会だと思うんですよ。でも、やはり今はこういうご時世ですから、現実にはそういう機器が個人の安全を守ったり、地域に貢献したりしている。そういう仕事に携わっていることにはやりがいを感じます。」(伊藤氏)

 スタッフは商品の販売だけでなく、ときには海外に行って製造元と交渉することもあるという。セキュリティ機器のメーカーは台湾や韓国、中国など東アジアが多く、そういった国々に出張に赴くことも少なくない。

 「製品のクオリティとしては日本製が一番ですが、どうしても値段が高くなってしまうので、海外製品の需要も高いです。できるだけ安い価格で、日本製と同程度の品質やサポートを実現している製品を探してくるのが、自分に課せられた使命だと思っています。」(伊藤氏)

オフィスの一角にある商品の撮影ブースカメラの品質をチェックするためのモニター群


防水カメラをバケツに突っ込んで実験

 自社サイトやショッピングモールなど多数の通販サイトを展開している同社だが、今はサイトを統合する過渡期でもある。たとえば「ケイヨーインターネットストア」は、今年の7月31日からは「CCDカメラショップ ケーヨー」と統合する予定だ。掲載するコンテンツも、もっともっと進化させていく方針だという。

 「今までは商品の操作方法を重点的に解説していたんですが、今後は『こんな場所で、こんな使い方ができるんだよ』というような提案もしていきたいと思っています。あとはレビュー記事の充実ですね。たとえば屋外で使用する防水カメラで『雨に濡れても大丈夫』とアピールしている商品があるんですが、それを本当に水に突っ込んだらどうなるんだろう、とか。そういう実験を自分たちでやってみたいですね」(森澤氏)

 「実際に1台、無駄にするつもりで試してみたんですよ。水を入れたバケツの中に突っ込んで。そのあとUSB端子のキャップを外してみたら、その中にも水が入ってしまっていて、『防水じゃないよね、これ』と(笑)。もしメーカーの宣伝文句をそのままWebに載せて、買ってもらったあとにそんなことが起きたら、ウチの信用問題になりますから、まずわれわれが試してみて、安心してお客さまに提供できると思った商品しか載せたくないですね」(伊藤)

 セキュリティ関連の商品だけでなく、最近では親が家事や仕事をしている間に乳児を監視するためのワイヤレスカメラ「ベビーモニター」など、ギフトにも最適な商品も扱っている。ふつうの新聞やニュースサイトには、このような防犯カメラや盗聴発見器の新着情報などはあまり出ないので、最新の製品情報をいち早くユーザーに伝えていくのも同社の大事な役割となっている。

 「この業界は商品のサイクルがとにかく早いんですよ。今後も新しい情報をどこよりも早く正確に発信していきたいですね。とくに海外の商品の場合、国内よりも多機能なものが多いんです。防犯レコーダーをネットワークにつないで、それを携帯電話から見たりとか、そういった機器の情報はまだ国内では少ないので、『海外にはこんな便利な商品がありますよ』と伝えていきたいですね」(伊藤氏)

 防犯カメラや盗聴発見器など、一般の人には馴染みの薄い専門商品を扱っている同店だが、その裏にはさまざまな工夫や苦労があった。今後もスタッフの存在を身近に感じられる、同社ならではのコンテンツの充実を期待したい。

盗撮カメラ発見器「WCH-200X」棚にはカメラのケーブルなどが所狭しと並ぶ

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2009/6/26 11:00  
碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース・コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。