弁当男子必見! 厳選食材で“愛ある料理”を
「三浦半島まるかじり クックアンドダイン」(後編)


牛肉の赤身のうまさを味わえる甲州ワインビーフ

 「クックアンドダイン」で最近人気なのが、山梨県甲斐市で育てられた牛の肉「甲州ワインビーフ」。これは、ワイン用にしぼったブドウのかすを発酵させたものを、エサに混ぜて食べさせた牛の肉だという。ブドウのしぼりかすを混ぜることで牛の食欲が増し、さらに乳酸菌の効果で牛の健康も良くなり肉質が向上するそうだ。

 牛種は黒毛和牛と乳牛をかけ合わせた交雑種で、純粋な黒毛和牛よりも価格がリーズナブル。しかもこの肉は赤身の美味しさを追求しているという点がユニークだ。赤身の牛肉というと一般的には堅いイメージがあるが、「甲州ワインビーフ」の場合は肉質がとてもやわらかく、牛肉本来の赤身のうまさを味わえる。

 「牛肉というと、日本では脂が大量に入った霜降りの肉が高級とされていますが、そういう肉はしつこくて多くは食べられません。それよりも、毎日食べても飽きないような、肉のうまみを追求した牛肉を提供したいと思いました。銘柄牛を売ったほうが一般受けするけど、『そういう肉を本当に毎日食べたいですか?』ということを問いたかったんですね。」(山口さん)

 氷見漁港のブリなどメジャーな商品を扱う一方で、「甲州ワインビーフ」のような珍しい食材も売っている点が、「クックアンドダイン」ならではのユニークな魅力だ。最初に食べたときに山口さんはそのうまさに感動して、すぐに山梨に行って生産者と話し、取り扱いを決めた。購入した人からの反響も高く、リピーターが多い商品だそうだ。

 このほか、「マルイ漬物」の“ぬか床”や、「伊勢音商店」のダシなど、老舗の逸品もそろえている。ぬか床は57年ものの無農薬有機栽培ぬか100%で、ホーロー製のぬか床容器が付いている。「クックアンドダイン」では5本指に入るほどの人気商品で、新鮮な野菜を漬けて食べると本当においしいそうだ。食材の味を引き立てるぬか床やダシも扱うことで、ユーザーに新たな食のスタイルを提案している。

甲州ワインビーフマルイ漬物のぬか床


厚さ6mmの鉄板を使ったオリジナルのソテーパン

 食材だけでなく、調理器具を取り揃えているのもユニークだ。とくにダッチオーブン(金属製の蓋付き鍋)は、山口さん自身が長年キャンプなどで使ってきた経験もあり、オープン当初から幅広く扱っている。

 ダッチオーブンはズッシリと重い鋳鉄製なので蓄熱量が高く、重いフタが圧力鍋のような機能を果たすことで、肉や野菜の本来のうまみを活かした料理ができる。このダッチオーブンの使用法について、「クックアンドダイン」は専用のコーナーを設けて解説している。「シーズニング」と呼ばれる慣らし方の方法や、メンテナンス法、レシピなどの相談もメールや電話で受け付けており、買ったあとのサポートは万全だ。

「食材が良ければ、余計な手を加えなくても美味しく食べられます。そのための最適な調理器具としてダッチオーブンを提案しています。ダッチオーブンに入れて塩とコショウをふって火にかけるだけで、本当に美味しい料理が味わえる。食を楽しむための最高の道具として位置付けているわけです」

 ダッチオーブンのほかにも、「クックアンドダイン」ではさまざまな調理器具を販売している。最近ではオリジナルの調理器具にも力を入れている。中でも注目されるのが、今年発売された「男のソテーパン」だ。

 このソテーパンは、鉄板を打ち出し機で叩いて成形する“打ち出し中華鍋”で有名な山田工業所と「クックアンドダイン」のコラボレーションによって生まれたもので、なんと厚さ6mmの鉄の底板を使用している。山田工業所の中華鍋は一流料理人に広く使われている逸品で、その技術と商品の質の高さには定評がある。

「お好み焼きや餃子などを、もっと美味しく焼けるフライパンは無いものかと色々考えたところ、極厚の底板を使ったソテーパンを思いつきました。底板がこれだけ厚いと、温度が均等になるので焼きムラが無くなります。お好み焼き店やステーキハウスに設置されているような業務用の鉄板の味を家庭で再現できるわけですね。」

「山田工業所さんに相談したところ、これだけ鉄板が厚いと打ち出しは無理だけど、ハンドルや側板を溶接して付ければ可能ということで作っていただきました。ダッチオーブンやスキレットよりもさらに厚い鉄板なので、ステーキを焼くにも最適です。」(山口さん)

 実際に餃子やお好み焼きを焼いているところの写真や、焼き上がった料理の写真なども掲載されている。プロの料理人が作ったものではなく、山口さんが調理したできあがりの写真をそのまま見せており、一般の人が使ってもうまく作れることがよくわかる。

男のソテーパン


地鶏の丸焼きを作れるコンパクトなロースター

 また、地鶏の丸焼きを作るためのバーベキューロースター「BBQ・ぐるり」という商品もある。これはホリデーロードというアウトドアメーカーとのコラボレーションによる商品で、地鶏や牛肉を串に刺して豪快に丸焼きにできるロースターだ。オールステンレスのシンプルな構造で、組み立て式になっておりコンパクトに持ち運べる。

 肉の塊を串に刺してグルグル回しながら焼く、映画の1シーンなどでこういう場面を見ることはたまにあるが、実際に製品として売っているのを見るのは珍しい。大勢で酒でも飲みつつ、肉が焼き上がるのを待つのはきっと楽しいだろう。「BBQ・ぐるり」を通じて、山口さんは網焼きのバーベキューやダッチオーブンでは味わえなかった新たな楽しみ方を提案しているのだ。

 さらに、プロの料理人からも支持されているナイフ「グローバル」のオリジナルケースも提供している。これは皮革職人の山崎充昭氏の手によるもので、切れ味の鋭いグローバルのナイフを安全に持ち運ぶことができるケースだ。上質な革を使用しており、デザインもグローバルナイフに合う美しいフォルムである。細部にこだわりまくって作ったために値段は少し高めだが、グローバルナイフの愛用者にとってはたまらない商品と言える。

BBQ・ぐるり「グローバル」専用のナイフケース


ユーザーと活発にコミュニケーション

 食材やオリジナル調理器具と幅広い商品を扱う「クックアンドダイン」だが、どの商品のページも解説や写真が豊富で、読んでいて楽しい。とくに食材については、近場であれば山口さんが直接、生産者に会って取材して、写真などを掲載しているそうだ。また、定置網漁の乗船レポートや、おすすめのレシピ集も載っている。

 ダッチオーブンの講習会なども年に数回、開催している。ユーザーを生産者の畑に呼んで、獲れたての野菜をダッチオーブンで調理しているそうだ。

 「いずれはお客さまを集めて、生産者を訪ねるツアーのようなものができないかと考えています。ユーザーにしてみれば、自分の好きな食材をどんな人が作っているのか直接見られるチャンスだし、生産者のほうも『消費者の顔を見たい』と言う方がけっこう多いんです。」(山口さん)

 「クックアンドダイン」の掲示板コーナーを見ると、ユーザーからの書き込みが非常に活発なのに驚かされる。購入した食材の感想コメントに、スタッフ1人1人が丁寧に答えており、誹謗中傷の書き込みも極めて少ない。単なるインターネット通販サイトではなく、食にこだわる人たちが訪れるサロンのような快適な空間。それが「クックアンドダイン」というサイトなのかもしれない。

掲示板はこまめにチェックスタッフ一同

関連情報
2009/8/7 11:00  
碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース・コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。