ユニーク鉄道グッズ「トレインロールメモ」に注目!
「グッズステーションtraindo」(後編)


洗練されたデザインが魅力の海外鉄道グッズ

WORLD RAILWAY GOODS COLLECTION
http://traindo.com/world/

「グッズステーションtraindo」内の海外鉄道グッズのコーナー

 前編で取り上げた「トレインロールメモ」や「方向幕ボールペン」のように、「グッズステーションtraindo」では他店にないユニークな鉄道グッズを数多く用意している。

 その中でもとくに目を惹くのが、海外鉄道グッズのコーナー「WORLD RAILWAY GOODS COLLECTION」だ。ここでは、海外の鉄道会社が現地で販売している鉄道グッズを直輸入したものや、海外の鉄道をモチーフにして日本で商品化されたオリジナルグッズがそろっている。

 もちろん日本で商品化されたグッズも、すべて各国の鉄道会社に正式な許諾を取って製作したものだ。たとえばスウェーデン鉄道関連のグッズとしては、スウェーデンの若手デザイン集団、フェローデザイナーズのデザインによるコミュニケーションキャラクターをあしらったマグカップやランチボックス、ブックカバーなどが用意されている。青地に白抜きの親しみやすいデザインが描かれたグッズは、女性にも大人気だ。

 「鉄道グッズを購入される方というと、お子さまやコアなファンの方がどうしても多数派になりがちです。たとえば若い人が趣味の話をするときに、車や飛行機の話をするよりもマニアックなものとして見られてしまうという現状が、私どもとしても歯がゆいわけです。」

 「しかし鉄道というのは男の子であれば必ず一度は通る道であり、これからの時代に合ったエコな乗り物です。鉄道趣味はけっしてマニアックな趣味というわけではありません。大人になっても、電車の先頭車両に乗るとついつい運転席が気になる方も多いのではないでしょうか。そういう方がすべてマニアかというと、そうではないはずです。」

 「だからこそ、コアなファン以外の男性や、女性の方でも買いやすい商品を提供しようということで思いついたのが海外の鉄道グッズでした。洗練されたデザインのものが多いので、こういうアイテムなら女性でも持ちやすいのではないかと。デザイン雑貨の1つとして持てるのではないかと思ったわけですね。」(竹原さん)

 スウェーデン鉄道のほかに、パリ地下鉄や台湾高速鉄道、ロンドン地下鉄、香港MTR、ドイツ鉄道など、各国から集めたさまざまなグッズがそろっている。いずれもカラフルなデザインで、一見すると鉄道グッズには見えないユニークなものばかりだ。サイトもFlashを使って凝ったデザインとなっており、各鉄道会社の解説なども詳しく載っている。

スウェーデン語で「どうぞ召し上がれ」と書かれた、スウェーデン鉄道のキャラクターを使ったスタッキングマグ。重ねて収納できるので置き場所をとらないドイツ鉄道の本物の線路から作られた置き時計。ドイツ鉄道の駅や車内に設置されているドイツ鉄道の共通デザインを採用している

ピクトグラムをモチーフにしたデザインで女性にアピール

 女性にも手に取りやすい商品としてもうひとつ注目したいのが、「Pictrain(ピクトレイン)」というシリーズだ。階段やエレベーター、トイレ、非常口、車椅子など、駅や街中にある情報を伝えるための絵文字を「ピクトグラム」と呼ぶが、「Pictrain」ではこれらのピクトグラムをデザインした雑貨を販売している。「グッズステーションtraindo」とは別ドメインの別サイトとなっているが、この「ピクトレイン」も、ジェイアール東海エージェンシーが運営しているショップである。

 「ピクトグラムというのは駅でよく使われているもので、これも広い意味で“鉄道グッズ”と解釈して、これらを使ったデザイン雑貨もアリではないかということで2年ほど前に立ち上げました。『Pictrain』は新しい鉄道グッズユーザーの開拓ということで考えたシリーズで、それまでの私どもお客さまとは違う層にアピールした商品です。」(竹原さん)

 「Pictrain」は特定のデザイナーに偏ることなく、いろいろなデザイナーに制作を依頼しているという。

 「『ピクトグラムのデザインは必ず使う』というコンセプトだけは揺るがないようにして、あとは各デザイナーさんの色を自由に出してほしいということでデザインしていただいてます。気を付けている点は、色使いを明るくして、女性が使えるようなデザインを心がけていますね。」(竹原さん)

 「Pictrain」では、トートバッグやパスケース、ボックスペンポーチ、プチアルバム、ボトルカバーなどのステーショナリーや雑貨をそろえている。開発スタッフによるブログや、「ピクトレイン・脳年齢測定ゲーム」などのコンテンツに加えて、街中で見られるピクトグラムを集めた「ピクトグラム・データベース」というコーナーもある。まさにピクトグラム尽くしのサイトで、見ているだけでも楽しい。

Pictrain
http://www.pictrain.com/
売れ筋ランキング1位の「Pictrain100クリップ」

JR東海グループだからこそできたチョロQのフェア

 ちなみに今までさまざまな商品を扱ってきた中で、もっともヒットした商品というと、やはり「チョロQ」だという。とくに、2003年にJR東海が行ったキャンペーン「AMBITIOUS JAPAN!」のロゴが入った新幹線のチョロQは大人気だったそうだ。

 「当時は電車のチョロQがかなり人気だったころで、コアなファンの方も含めて膨大な数が売れた時代でした。『AMBITIOUS JAPAN!』のロゴが入った新幹線のチョロQは、全国規模のキャンペーンに連動したものだったので、反響も非常に大きく、あまりの人気で深夜に申し込みメールが止まってしまうようなこともありました。」

 チョロQについては、その後もさまざまな鉄道会社が作ったチョロQを集めて、「グッズステーションtraindo」上でフェアを開催したこともあった。

 「全国の鉄道会社に問い合わせて、40社くらいから仕入れました。チョロQは各地の鉄道会社さんが作ったものもあれば、地元の模型店や玩具店さんが作ったものもあります。そういうものだと、1回の注文で数千個作って、完売したら終わりという感じなので、かなり希少価値があります。そこで、各地に『まだチョロQは残っていますか』と直接電話して、在庫があるものを仕入れさせていただきました。」

 「中には、地方の山奥にしか走っていないような電車のチョロQとか、現地に行って電車に乗らないと手に入らないような限定グッズも一部、融通していただきました。ふつうでは卸していただけないような貴重なチョロQも、『JR東海さんがやることだから、いいですよ』と許可をいただいたこともあります。このようにJR東海のグループ企業だからこそできることもたくさんあると思いますので、これからもJR東海グループが持つ“信頼”という強みを活かしていきたいですね。」(竹原さん)

今もチョロQグッズは人気が高く、ロングセラー商品となっている。ただし、個別の商品は限定ものも多いため、欲しいものは見かけた時に確保しておきたい

リニューアルでさらに魅力を増した「グッズステーションtraindo」

 このように「グッズステーションtraindo」は2003年のオープン以来、取り扱う商品の幅をどんどん広げていったが、2009年の春には5周年を機にサイトデザインも大きくリニューアルして、新たなスタートを切った。

 「オープン当初は商品のアイテム数も30~50点ほどでしたが、今は1,000点くらいに増えています。そこで、もう少し商品を探しやすいように、各アイテムへの誘導をスムーズにしようとリニューアルしました。あと、情報が更新されたことがお客さまに伝わりやすいように、トップページで最新ニュースを見られるようにもしました。」(竹原さん)

 このリニューアルによって、新たなコンテンツも加わった。ネコ・パブリッシングの雑誌「鉄道おもちゃ」および「鉄道だいすき」の記事と連動したコンテンツ「鉄おも情報館」だ。ここではユニークな鉄道グッズの新商品情報や、特定のテーマに絞って商品を紹介する「鉄すき図鑑」などのコーナーに加えて、雑誌の記事を読める特集ページも掲載されている。

 10月初旬にアクセスしたところ、特集ページでは「中国おもちゃ工場見聞録」という記事が掲載されていた。これは「鉄道おもちゃ」の第6号に掲載されている特集記事をピックアップして紹介したもので、食玩の製造工程を詳しく取材している。原型製作や金型製作、成型、塗装、仕上げ、組み立て、試験走行、梱包作業と、製造工程を1つずつ写真入りで紹介しており、この手の玩具が好きな人は必見だ。

 このほか、「ハッピートレッコ!」というオリジナルキャラが日記形式で最新の話題を紹介するブログのコーナーや、クリアするとスクリーンセーバーがもらえるゲーム、壁紙やスクリーンセーバーのダウンロードコーナー、売れ筋ランキングなど、通販以外にもさまざまなコンテンツが用意されている。

 ユニークなオリジナルグッズをはじめ、定番の鉄道グッズ、海外鉄道グッズ、ピクトグラムをモチーフにした「Pictrain」、そしてチョロQなど多彩な品揃えを誇る「グッズステーションtraindo」は、今回のリニューアルでよりいっそう魅力的な鉄道グッズショップへと進化した。コアな鉄道ファンはもちろん、鉄道にそれほど興味のない人も、一度アクセスしてみてはいかがだろうか?

「鉄おも情報館」の特集ページ「ハッピートレッコ!」のブログ

関連情報
2009/10/16 11:00  
碓氷 貫
フリーライター/編集者。Eコマースや地図サービス、データベース・コンテンツなど、Webサイトの価値を高めるさまざまなサービスをテーマに活動している。地図やハンディGPSを片手に街や山を徘徊する一方で、通販サイトでお買い得品をチェックすることにも余念がない。