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第344回:コレガのネットワーク対応USBハブ「CG-NUH04」

仮想USBでScanSnapもLAN対応に


 コレガから、USB機器をネットワーク経由で利用できるネットワーク対応のUSBハブが発売された。さまざまなUSB機器を、従来の共有ではなく、一種の仮想USBとして動作させることでネットワーク経由で利用可能となる製品だ。その機能を検証してみた。

「ネットワークで使えたら良いのに……」を可能にする製品

CG-NUH04

 NASやネットワークプリンタ、複合機など、最近ではPC周辺機器がネットワーク機能を標準でサポートすることが珍しくなくなってきた。おかげで、家庭内にPCが複数台ある場合でも、さまざまな周辺機器を共有できるようになった上、設置場所もネットワークに接続できる範囲で比較的自由に選べるようになり、効率的な機器利用が可能となった。

 一方、そんな中でも、まだ物理的なつなぎ替えや配線に悩まされる機器も少なくない。例えば、ネットブックにアプリケーションをインストールしようと、USB接続型のDVDドライブを引っ張りだしてきて接続しなければならなかったり、小型とは言え、それなりに設置場所が必要なドキュメントスキャナをPC付近に置かなければならない場合などがそうだ。

 HDDやプリンタがネットワークで共有できるのだから、DVDドライブやスキャナもネットワークで使えたら良いのに……、と常々不満に思っていたところ、コレガからちょうど良い機器が発売された。それが今回取り上げる、ネットワーク対応のUSBハブ「CG-NUH04」だ。4ポートタイプの製品で、標準価格は7875円。これに加え、1ポートタイプの「CG-NUH01」も5565円で発売されている。


HDDやDVDドライブ、スキャナなどのUSB機器をネットワーク経由で利用できる

 本製品と同様に、HDDやプリンタなど、USB接続の機器をネットワークで共有できる製品はこれまでにも存在した。しかし、その多くは、Sambaなどの機能を応用した製品がほとんどで、例えばHDDにしてもローカル環境と同様に使用できるのではなく、共有フォルダとして利用するという形態であった。

 これに対して、コレガの「CG-NUH04」では共有ではなく一種の仮想的なUSBとして動作するのが特徴だ。これによって、USB機器をネットワーク化しつつも、PCからはネットワーク機器ではなく、ローカルのUSB機器として扱える製品となっている。

ユーティリティでUSB機器を接続

 そうは言っても、なかなか直感的には理解しにくいので、実際の使い方を紹介していこう。

 本製品の見た目は、USBハブそのものだ。前面にUSBポートを4個搭載しており、ここにUSB接続のHDDやプリンタ、スキャナ、DVDドライブなどを接続できる。一方、通常のUSBハブと異なるのが背面部分だ。PCと接続するためのタイプBのUSBポートはなく、その代わりに10BASE-T/100BASE-TX対応の有線LANポートが用意されている。

 つまり、USB機器を接続するまでの流れは同じだが、背面のLANポートをルータなどに接続することで、PCとはネットワーク経由で接続するわけだ。


本体側面 背面

 このように接続した本製品は、PCにインストールした専用ユーティリティを使って制御する。付属CDからPCに「NUHユーティリティ」をインストールして起動すると、ネットワーク上にある本製品が自動検出され、各USBポートに接続した機器がリストアップされる。ユーティリティの対応OSはWindows Vista/XPになる(ともに32bit版)。

 手元にあったバッファロー製のDVDドライブを接続してみたところ、「BUFFALO INC.USB2.0-IDE Bridge」と表示された。これを選択し、ユーティリティ上の「接続」ボタンをクリックすると、まるでPC本体のUSBポートに機器を接続したときと同じように、機器がOSに認識されドライバのインストールが開始した。

 その後、ドライバのインストールが完了すれば、コンピュータのドライブ一覧にDVDドライブが表示されるというわけだ。DVDドライブにメディアを挿入すれば自動再生の画面が表示され、PCからファイルを開くことができる上、もちろんDVDドライブ側が対応していればデータの書き込みも可能だ。

 これはネットブックなどを利用している場合に大変便利だ。アプリケーションのインストール時に物理的な接続の必要ないだけではなく、例えば無線LANでネットワークに接続しておけば、DVDビデオをセットした状態であれば、USBもLANもワイヤレスで映画を楽しめる。


CG-NUH04用のユーティリティ。USBポートに接続した機器の接続/切断をネットワーク経由でコントロールする USB接続の書込型DVDドライブをつないだ例。ユーティリティで接続すると、OSに認識されドライバがインストールされる 本製品経由で接続した機器はローカル接続と同様に扱うことが可能。書き込みも可能なほか、再生ソフトがあればDVDビデオも視聴できる

ScanSnapユーザーにオススメ

 このようにDVDドライブの場合、ファイルの参照だけでなく、メディアへの書き込みやDVDビデオの再生などまでが可能になる。そして同様のローカル接続と同じ使用感は他の機器でも共通だ。

 例えば、HDDを繋げばドライブレターが割り当てられたローカルのドライブとして認識される上、ディスク管理から領域の確保やフォーマットなども実行できる。また、プリンタなどの場合、双方向通信にも対応するためインク残量の確認なども可能できる。


HDDもディスクの管理から認識可能。領域確保やフォーマットなども実行できる プリンタの場合、インクの残量などの情報も取得可能(画面はもともとネットワークに対応したHP OfficeJet PRO L7580だがCG-NUH04経由で接続した際のもの)

 便利なのは、何と言ってもドキュメントスキャナでの利用だろう。紙の書類の電子化目的などで、最近ではUSB接続のドキュメントスキャナを利用する機会が増えてきているが、このような製品の多くはUSB接続にしか対応していない。

 企業などでは、スキャナの近くに専用のPCを設置して、スキャンした画像をPC経由でファイルサーバーに送るなどの工夫をしていたはずだ。

 しかし本製品であれば、このようなドキュメントスキャナの共有も手軽に可能だ。試しに、個人的に利用しているPFUの「ScanSnap S1500」を本製品で利用してみたところ、ScanSnapのユーティリティから本製品に接続した機器を問題なく認識することができ、ローカルに接続している場合とまったく同じようにドキュメントのスキャンや保存ができた。

 ドキュメントスキャナをネットワークで共有したいと考えているユーザーには非常に便利な製品だろう。


ScanSnap S1500写真 本製品経由でScanSnap S1500を接続した画面。問題なく認識され、付属のユーティリティを利用したスキャンができた 本製品ではUSB機器とPCの接続は常に1対1。他のPCで使用中の機器は赤く表示される。別々のUSB機器を複数台のPCから同時に利用することは可能

 もちろん、複数のPCで共有する場合、各PCにユーティリティをインストールする必要があるため、スキャナに付属しているアプリケーションによってはライセンスの形態をよく確認する必要がある。特にPDFへの変換に必要なAcrobatなどは1台のPCへのインストールが前提となるため、共有する場合は注意が必要だ。

 また、本製品はUSBポートに接続した機器を複数台のPCから参照することができるが、1台の機器に対して同時に接続できるPCは1台のみに限られる。

 例えば、本製品にUSB接続型のDVDドライブとScanSnapを接続したとしよう。このとき、ネットワーク上の1台のPCがScanSnapに接続していると、他のPCでユーティリティを起動してもScanSnapは接続できないことを示す赤いアイコンで表示される。

 一方、ScanSnap以外の機器は利用可能なため、他のPCからDVDドライブに接続することはできるわけだ。つまり、複数台のPCでUSB機器を共有することは可能だが、同時に接続できるのは常に1台のPCとなるわけだ。常に排他的な利用となることから、複数ユーザーでの共有は運用の工夫が必要だろう。

ストレージや光学ドライブ、プリンタなどの利用がメイン

UQ WiMAXのアダプタを接続してみたところ。機器によってはユーティリティ上で接続エラーが発生する

 このように本製品を利用すると、ローカルでしか使えなかったUSB機器を手軽にネットワーク対応にすることができる。

 ただし、すべてのUSB機器を利用できるわけではない点には注意が必要だ。むしろ対応するのは、HDD、USBメモリ、DVD/CDの光学ドライブ系、プリンタ、スキャナなどに限られると考えた方が無難だ。

 筆者が試してみた限り、「UQ WiMAX」のUSBアダプタに関しては本製品経由では利用できなかった。通信機器のように本製品のユーティリティ側で未対応のため接続が禁止される場合はまだマシだが、機器によっては認識されたように見えてもドライバがインストールできなかったり、機器のユーティリティから認識されない場合があったり、最悪の場合は接続ボタンを押した直後にブルースクリーンになることもあった。


・接続テスト結果
機器 種類 結果 備考
DVSM-XE1218U2 DVDドライブ
USB HDDケース(2.5インチ) USB HDD
HP OfficeJet Pro L7580 複合機 プリンタ・スキャナ全機能利用可能
ScanSnap S1500 ドキュメントスキャナ
iPod Touch 音楽プレーヤー iTunes起動でブルースクリーン(iTunesなしの環境ならOK)
DH-KONE/U2R ワンセグチューナー × ブルースクリーン発生
DT-H50/U2 地デジチューナー × NUHユーティリティで「×」印
GV-MVP/TZ アナログチューナー × NUH認識もテレビソフトから認識せず
UD01NA UQ WiMAXアダプタ × エラーメッセージ
D02HW イー・モバイルアダプタ × ドライバインストールエラー

 コレガの製品情報ページでは、機器別動作検証表が公表されているが、現状はあまり数が多くなく、通信機器やテレビチューナー、ポータブルオーディオなどの機器についての情報も掲載されていない。

 正直なところ、ドライブ、スキャナ、プリンタ系以外の機器の場合、どのような製品が使えるかは他のユーザーの動作報告を参照するか、自分でやってみるしかないだろう。

 とは言え、対応さえ確認できれば、わざわざPCにケーブルを接続する必要がない上、無線LANとの組み合わせてUSB機器をワイヤレス化して場所を問わず利用することができるのは極めて便利だ。

 可能であれば、ユーティリティ上で常に使う機器を起動時に自動接続するなどの工夫が欲しかったが、個人的には、ネットブックでのワイヤレスDVDビデオ鑑賞、ScanSnapの利用だけでも、十分に導入する価値がある製品だと考えている。安定して使えるようになると手放せなくなる製品だ。


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2009/6/2 11:00  

清水 理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ

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