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第351回:USBアダプタ対応無線LANルータで家でもWiMAX

アイ・オー・データ機器「WMX-GW02A」


 サービスエリアの拡大やオプションサービスの追加など、徐々にサービス内容が充実しはじめたモバイルWiMAXサービス。そんなモバイルWiMAXを、家庭のブロードバンド環境として使えるのがアイ・オー・データ機器の「WMX-GW02A」だ。合わせて発売されたUSBタイプのWiMAXアダプタ「WMX-U01」を装着して実際に利用してみた。

WiMAXをみんなで共有

 WiMAXは、いろいろな意味でこれまでのモバイルブロードバンドと異なる特徴的なサービスだ。対応機器を気軽に家電量販店で購入でき、サービスの加入/解約がオンラインで簡単にできる点。また、1契約で複数機器の登録に対応するほか、外付けだけではなく、内蔵PCも選択できる点など、ユーザーにとってかなり利便性の高いサービスとなっている。

 もちろん、速度という点でも注目されるサービスではあるが、実際に使ってみると速度よりも、この手軽さ、使いやすさに魅力を感じるところだ。

 そんなWiMAXの利便性をさらに高めることができる製品が、今回紹介するアイ・オー・データ機器の「WMX-GW02A」だ。WiMAX用のUSBアダプタ「WMX-U01」と同時に発売されたWMX-GW02Aの見た目は普通の無線LANルータだが、WAN回線としてWiMAXを利用できるようになっている(標準価格は1万6485円)。


アイ・オー・データ機器の「WMX-GW02A」。「WMX-U01」を接続して無線LANルータとして利用できる

 同様の製品は、すでにUQコミュニケーションズからも「UG010K」が発売されているが、WMX-GW02Aはアイ・オー・データ機器版と言ったところで、本体背面に備えるUSBポートにWMX-U01を装着することで、無線LANで接続したPCやゲーム機などから、WiMAX経由でインターネットに接続することができる。言わば、WiMAXを複数の機器や複数の人で共有するための製品だ。

他社製アダプタは認識せず

見た目は少し小型のルータという印象。IEEE 802.11b/g準拠の無線LAN機能を持つが、アンテナレスですっきりとしている

 製品の外見は、小型の無線LANルータといったところで、サポートする無線LAN規格はIEEE 802.11b/gとなっている。最近では300MbpsのIEEE 802.11n ドラフト2.0、もしくは11nからMIMOを省いた150Mbpsの通信が可能な製品が主流となりつつあるので、少々物足りない印象ではあるが、WAN側のWiMAXの速度(下り最大40Mbps、上り最大10Mbps)を考慮すれば十分と言ったところだろう。

 使い方は非常に簡単だ。本体背面に10BASE-T/100BASE-TX対応の有線LANポート×2と、USBポートが搭載されており、USBポートにWMX-U01を装着すると、自動的にアダプタを認識してWiMAXに接続する。

 もちろん、WMX-GW02Aに装着するWMX-U01は、あらかじめオンラインサインアップを実行し、いずれかの事業者に加入しておく必要はあるが、一部のADSLやFTTHなどのようにWAN側の接続設定などを行う必要はないというわけだ。

 ちなみに、手元にあったNECアクセステクニカ製のWiMAXアダプタ「UD01NA」を装着してみたが、WMX-GW02Aで認識させることはできなかった。他社製のアダプタは認識しないようなので、必ずアイ・オーのWMX-U01を含む、WMX-Uシリーズとの組み合わせで利用しよう。


背面にはLANポート(10BASE-T/100BASE-TX)×2と、WMX-U01を装着するUSBポートを搭載 USBポートにWMX-U01を装着したところ。これにより、WiMAXをWAN回線として利用できる

 WiMAXの接続設定に対して、無線LANの接続設定に関しては基本的に手動となる。WMX-GW02Aにはユーティリティなどは付属しておらず、WindowsもしくはPCにプリインストールされているユーティリティを利用して接続する。本体底面に暗号キーが記載されているので、SSIDを検索後、入力することで接続が可能だ。

 もちろん、WPSもサポートされているため、クライアント側の対応状況によっては、ボタン設定が可能だ。ただ、Windows 7 RC版で試してみたところ、PINコードによる設定は可能だったが、ボタン設定では設定できなかった。基本は手動と考えた方がいいだろう。

ローカル接続と変わらぬ使い心地

 実際に使って見た印象としては、なかなか良好だ。以下はWMX-U01をPCに直接接続した場合と、WMX-GW02A経由でWMX-U01を接続し、無線LAN経由でPCからインターネット接続した場合の速度だ。


PCに直結した場合(左)とWMX-GW02A経由でアクセスした場合(右)の速度。ほぼ同じ値となった(計測は「speed.rbbtoday.com」)

 結果を見ればわかる通り、ローカルでも無線LAN経由でもほとんど速度は変わらない。現状、WiMAXの速度は速くても下りで10Mbps以下のことが多いため、無線LANがボトルネックになることはあまりないだろう。

 複数台機器の同時利用の場合もさほど心配する必要はないそうだ。以下は、2台のPCを無線LANでWMX-GW02Aに接続し、片方でYoutubeを再生しながら(キャッシュを蓄えながら)、もう片方のPCで速度を計測した結果だ。


同時利用時の速度。1台のPCでYoutubeを再生しながら、もう1台で計測。この速度もほとんど変化なし

 速度が半分近くにまで低下するかと思ったが、単独利用の場合とほとんど違いがなかった。もちろん、台数がさらに多くなったり、アクセス先が異なれば、速度が低下する可能性はあるが、一般的な利用であれば同時接続(通信)に関してはあまり気にする必要はなさそうだ。

 とは言え、家族など複数のユーザーで使うとなると、アダプタの取り外しに配慮する必要がある。WMX-GW02Aでは電源オンのまま手軽にアダプタの脱着が可能だが、ほかの人が利用している最中に不用意に取り外すと通信が遮断されてしまう。

 従って、どちらかと言うと家族みんなで共有するという使い方よりは、1人暮らしの人、もしくは自分専用のインターネット接続環境として利用する方が適していると言えそうだ。固定回線の代わりとして利用することも可能だが、あくまでも外出先での利用が主となるWiMAXの特性を考えると、自由に取り外しができる環境での利用をおすすめしたいところだ。

複数SSIDも設定可能

設定画面。WiMAXの電波状況や接続状況なども確認できる

 無線LANルータとしての機能は比較的豊富で、ダイナミックDNSが利用できたり、WPAとWEPの2つのSSIDを設定できるマルチSSID機能など、一般的な製品として十分な実力を備えている。

 ただし、搭載されている機能の中には、WiMAXとの組み合わせ時にはあまり実用的ではないものも含まれている。例えば、前述したダイナミックDNSは外部からのアクセスを受付る際に便利だが、WiMAXの上りの速度は良くても1Mbps、通信環境が悪いと数百kbpsになってしまう。この機能はおそらく実際に使うことはないだろう。

 また、マルチSSIDに関しても、異なるセキュリティレベルで2つ設定できるのは良いが、双方の通信に関しては遮断されないようだ。実際に試してみたところ、WEPの端末から、WPAの端末の共有フォルダにアクセスすることができた。こちらは、PCに加え、ゲーム機をつなぐという使い方が十分に想定されるため、WEPの脆弱性を考慮しても、できれば遮断できるようにして欲しかったところだ。

 なお、ルータの設定画面にアクセスする際のパスワードも標準では設定されていない。セキュリティを重視する場合は、後から設定しておいた方が良いだろう。


マルチSSIDに対応。ただし、各SSID間の通信は遮断されない ルータとしての機能はひと通り揃っており、不足ない印象。ただし、WiMAXの特性を考えるとダイナミックDNSなどの機能は使うことはないだろう。もちろん、搭載されていないよりは遙かに良い

使えるかどうかをチェックしてから購入しよう

 以上、アイ・オー・データ機器のWiMAX用無線LANルータ「WMX-GW02A」を実際に試してみたが、利用環境はWMX-U01をはじめとしたWMX-Uシリーズのユーザーに限られるものの、個人が家の中でもWiMAXを使いたいという場合に便利な製品と言えそうだ。

 これからWiMAXの導入を検討している場合は、家電量販の店頭でWMX-U01とWMX-GW02Aをセットで購入するというのも悪くないだろう。ただし、実際に購入する場合は、WMX-GW02Aを設置する場所がWiMAXのサービスエリアに含まれているかどうかを事前に必ずチェックしておく必要がある。

 UQ WiMAXのエリアは広がっているとは言っても、まだまだ全国どこでも使えるというわけではない。2009年7月の有料サービス開始で、すでにエリアだった場所の通信環境もかなり改善されたようだが、それでも実際に使えるかどうかは試してみないとわからない。


新たに提供開始されたピンポイントエリア判定。事前に自宅で使えるかをチェックしよう 筆者宅では3階の見通しの良い場所でないと通信できない。付属のUSBケーブルと吸盤を使って窓に貼り付けると通信状態が良くなる

 エリアに関する情報は、UQコミュニケーションズの「ピンポイントエリア判定」を利用することで、かなり詳細な判断ができる。特に、WMX-GW02Aを利用する場合は、結果が「△」だと通信が難しい場合もある。筆者宅も見通しの良い場所でないと通信できない。

 心配な場合は先にアダプタだけ購入して利用予定の場所でチェックしたり、UQコミュニケーションズが実施している15日間の使用サービス「Try WiMAX」を利用して、あらかじめチェックするのが確実だろう。


関連情報







2009/7/21 11:00  

清水 理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ

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