腐女子ツアー客をゲストに迎えた「日米腐女子座談会」
海外で人気のBLグッズは“攻受Tシャツ”
日米腐女子座談会 |
女性向けポータル「がる★パラ!」を運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントは、池袋の“乙女ロード”などを観光する米国の日本観光ツアー「Fujoshi Paradise」と提携し、「日米腐女子座談会」を開催した。
「Fujoshi Paradise」は、米国で日本の女性向け漫画などを出版するデジタルマンガ社のツアー事業部が主催する日本観光ツアー。男性同士の恋愛をテーマにしたボーイズラブ(BL)を好む“腐女子”をターゲットに、京都や東京の観光地のほか、秋葉原や池袋の「乙女ロード」、ドイツの男子校をテーマにしたカフェ「Edelstein」などを巡る。価格は約2209ドル(約22万円、5月20日現在)。
「日米腐女子座談会」では、「Fujoshi Paradise」に参加したツアー客をゲストに迎え、「海外で腐女子はどう思われているか」「どんなBLグッズが発売されているか」などの議題について、「がる★パラ!」編集部が質問する形で進められた。
ツアーには米国のほか、カナダやオーストラリアなどからの参加者もいた。「BL歴10年。14~15歳から読み始めた」「『グラビデーション』が最初。ソフトコアよりハードコアが好き」などのコメントとともに英語で自己紹介を開始。“やおい”“同人誌”“攻”“受”などの用語は日本語のまま使用された。
日米腐女子座談会のタイトルスクリーン | スクリーンには議題などを表示する | 会場風景 |
■好きなキャラクター同士なら「カップリングは気にしない」
「自分たちのような腐女子は周囲にどう思われているか」という質問に、アメリカから参加したJennifer・Wさんは「腐女子は“やおいファンガールズ”と呼ばれている」と回答。「“ボーイズラブ”で通じる人はいいが、ノーマルな人には“小さい男の子が好き”という変態的な意味合いに思われることが多い。だから“やおい”の意味はわからないが“やおい”を使っている」と話した。
ゲームやドラマCDなどは、日本から輸入する。オーストラリアから姉妹で参加したBethanyさんは、アメリカでは13ドル程度の日本のドラマCDなどを、アメリカ経由で30ドル程度で購入するという。全て日本語だが「運がよければ通訳されたものをYouTubeなどで見られる」という。また、Jennifer・Wさんは、「日本の声優がいいので日本語で聞きたい」とコメントした。
また、「日本の腐女子はカップリングにこだわりがあるが、海外ではどうか」という質問には、「好きなキャラクター同士のペアであれば逆転しても気にしない」という意見が多数を占めた。理由は「ゲイの人もスイッチすることはよくある」ためだが、「カップリングの好み自体はある」という。これについて「がる★パラ!」の杉浦郁代編集長は、「日本では、カップリングが逆転した同人誌を買うことはまずない」と話した。
Jennifer・Wさん。15歳くらいからBLが好きだと語る | オーストラリアから参加したBethanyさん(右側:姉)とEmmaさん(左側:妹) | 女性向けポータル「がる★パラ!」の杉浦郁代編集長 |
■海外のBLグッズは“攻”と“受”が書かれた「攻受Tシャツ」
ツアーでは、女性向けの同人誌やグッズを販売する店が並ぶ池袋のサンシャイン60通り界隈“乙女ロード”も組み込まれている。Dianaさんは、乙女ロードで、週刊少年ジャンプに掲載されていた漫画「テニスの王子様」のキャラクターソングCDを24枚購入した。
海外ではBL好きであることをオープンにしても、日本のカルチャーが好きだと理解される。また、海外のみのBLグッズとしては、Tシャツに“攻”と“受”の文字が書かれた「攻受Tシャツ」が存在。参加者も所持しているという。
9年前から腐女子だというDianaさんは、BLが好きな理由として「アートワークが素晴らしく、いろいろな関係性があるから」と語った。Wendyさんはアニメ「純情ロマンチカ」や「お金がないっ」が好きだというほか、会場内ではあさぎり夕の「金のカイン」や村上真紀の「グラビデーション」などが好きな漫画として挙げられた。
このほか、会場では、奴隷階級の男リキと支配階級に君臨するイアソンの恋愛描いたアニメ「間の楔(あいのくさび)」リメイク版のプロモーションビデオを上映。杉浦編集長は、「2時間は少なすぎたが、北米の人と腐女子について語り合え、とても有意義な時間となった」とコメントした。
「間の楔(リメイク版)」プロモーション映像。この直後に映像が切り替わると、皆で残念がる場面も | Dianaさん | Wendyさん。乙女ロードでの購入物を見せてくれる |
「がる★パラ!」編集協力の鳥飼えい子氏(「間の楔(リメイク版)」プロデューサー) | 「がる★パラ!」編集スタッフの株田馨氏 | 「がる★パラ!」編集スタッフの赤松愛氏 |
赤松氏はガンホー・オンライン・エンターテイメントのオンラインゲーム「ヨーグルティング」の衣装で参加 | 世界腐女子サミットの開催も議題に。参加者からは「最初はやはり日本で。毎年やるなら海外でも」という声があがった | 海外で売って欲しい商品はBLがテーマのPCゲームという |