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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アップル、Apple TV説明会を開催。Apple TVは「家庭用のもう1台のiPod」

 アップルは22日、同日より出荷を開始したネットワークプレーヤー「Apple TV」の説明会を開催。Apple TVの機能説明や、コンテンツ再生のデモンストレーションなどが行なわれた。標準価格は36,800円。


iTunesのコンテンツをテレビで再生

パッケージ
 Apple TVは、iTunesを介してPC内のコンテンツをテレビで再生できるネットワークプレーヤー。本体は40GBのHDDを内蔵しており、PC1台のコンテンツをHDDに同期できるほか、5台までのPCに保存されたコンテンツをストリーミング再生できる。

 ネットワークは10BASE-T/100BASE-TX×1ポートと、IEEE 802.11nドラフト1.0準拠の無線LAN機能も搭載。同じくIEE 802.11nドラフト1.0に準拠したAirMac Extremeのほか、IEEE 802.11a/b/g準拠の無線LANにも対応する。

 映像関連の入出力端子は、映像出力端子がコンポーネント×1、HDMI×1で、音声出力端子がアナログ×1、光デジタル×1で、アナログ映像出力のコンポジットは非対応。再生できるファイルは、動画がH.264(MPEG-4 AVC)、MPEG-4で、音声がAAC/MP3/AIFF/WAV/Apple Lossless、静止画がJPEG/BMP/GIF/TIFF/PNGで、iTunesで購入したDRM付きコンテンツの再生にも対応する。

 映像出力は最大で720pに対応し、1080i、480iでの再生も可能。テレビと接続すると自動で表示可能な映像出力を選択できる。

 本体サイズは197×197×28mm(幅×奥行×高)、重量は1.09kg。対応OSはWindows XP SP2、Mac OS X 10.3.9で、Apple TVと同期するためにはiTunes 7.1以降のインストールが必要になる。


本体パッケージ


本体上部 本体前面

本体背面。コンポジット出力は備えておらず、コンポーネントもしくはHDMIで接続する 底面にもアップルのロゴマーク

同梱品一覧。映像ケーブルは別途用意する 付属のリモコン

PC内のコンテンツを同期してHDDに保存

Apple TVの同期イメージ。イーサネットもしくはワイヤレスで接続できる
 Apple TVでコンテンツを再生する方法は大きく分けて3つ。1つはApple TVと同じネットワーク内にある1台のPC内に保存されたコンテンツを本体のHDDに同期して再生する方法、もう1つはHDDには保存せず、同一ネットワークにあるPCのコンテンツをストリーミングで再生する方法、最後がiTunes Storeで提供されているお試しコンテンツを再生する方法だ。

 まずはApple TVにコンテンツを同期する方法から見てみよう。Apple TVの電源を投入し、言語設定や画面表示設定を行なうと、Apple TVの画面に5桁のパスコード入力画面が表われる。次にApple TVと同期させたいPCからiTunesを起動し、ライブラリから「Apple TV」を選択すると5桁のパスコードが表示される。このパスコードをApple TV側で入力すれば、同期するPCの指定が完了する。

 コンテンツの同期は細かく指定が可能で、動画であれば最新1~10までの動画、未再生の1~10までの動画といった指定のほか、任意の動画ファイルのみを同期することも可能。音楽やPodcast、静止画の同期もプレイリストごとやフォルダごとの指定が可能で、この点はiPodとの同期機能とほぼ同じだ。


同期するPCはApple TVに表示されるパスコードの入力が必要 同一ネットワークのiTunes(7.1以降)にはApple TVの項目が表示される

同期するPCのiTunesでパスコードを入力 パスコードを入力するとApple TVが認証される

Apple TVと同期するファイルは細かく指定できる
 Apple TVのHDDに保存するコンテンツはすべてPCから同期する必要があり、Apple TVのみにファイルを保存する、という設定はできない。例えばPodcastであれば、Apple TVに直接保存するのではなく、PCでダウンロードしたファイルをApple TVへ同期する、という流れになる。また、iPodであれば複数のPCと同期できるが、Apple TVの場合は同期するPCを変更するとHDDのコンテンツがすべて消去される。

 同期によってHDDに保存されたコンテンツは、付属のリモコンを使ってテレビで再生できる。動画はファイル単位で再生でき、途中で停止した場合も続きから再生することが可能。ただし、動画を連続で再生することはできず、他の動画を再生する場合はいったんメニュー画面に戻る必要がある。

 音楽再生はiPodやiTunesとほぼ同様で、PCで作成したプレイリストのほか、アーティストやアルバム、曲、ジャンルごとの再生も可能。iTunesでジャケット画像を取得している楽曲であれば、再生中にその画像も表示できる。

 静止画はスライドショー形式で表示され、BGMにはApple TVに保存された楽曲を設定できる。また、保存された画像をスクリーンセーバーに設定することも可能。スクリーンセーバーは画像のほか、音楽で取得したジャケット画像、アップルのロゴマークなどが指定できる。

 Podcastは、PCでダウンロードしたファイルをApple TVに同期して保存するため、新しいPodcastコンテンツを利用する場合もPCとの同期が必要になる。Podcastは未読・既読管理も可能で、未読のPodcastは青いアイコンで表示される。

 iTunes Storeで購入したコンテンツもApple TVで再生可能だが、PC側に加えてApple TVでも認証を行なうため、Apple TVがインターネットに接続できる環境が必要になる。また、iTunes Storeで購入したコンテンツは最大5台のPCで共有できるが、Apple TVはこの数に含まれない。

【お詫びと訂正】
 初出時、iTunes Storeで購入したコンテンツの共有可能台数にApple TVが含まれるとしておりましたが、実際には含まれません。お詫びして訂正いたします。


動画の再生イメージ


音楽の再生イメージ。iTunesで取得したジャケット画像も表示できる


静止画の利用イメージ Podcastの利用イメージ。未読には青いマークが表示される

同期したPC以外のコンテンツはストリーミングで再生

同期したPC以外のPCからはストリーミングで再生
 Apple TVでは、同期設定を行なったPC以外にも5台のPCのコンテンツをストリーミング再生できる。また、同期したPCの場合も、Apple TVのHDD容量を超えて保存できないファイルに関してはストリーミング再生となる。なお、ストリーミング再生はPCからApple TVへの伝送のみで、Apple TVに同期保存されたコンテンツをPCでストリーミング再生することはできない。

 ストリーミング再生の場合も同期と同様の手順が必要で、メニュー画面から「ソース」を選び、「新規 iTunes に接続」を選ぶとApple TVにパスコードの入力画面が表示され、ストリーミング再生したいiTunesからパスコードを入力すれば設定が完了する。

 ストリーミング再生の場合もHDDに保存したコンテンツとほぼ同様のインターフェイスで利用可能だが、利用できるコンテンツはムービーや音楽、Podcastのみで、静止画のストリーミング再生には対応していない。

 PC内に保存されたコンテンツのほか、iTunes Storeで配信されている映画の予告編やテレビ番組の一部なども無料で視聴できる。Apple TV内のキャッシュを利用して再生するためにPCを利用する必要はないが、Apple TVから直接コンテンツを購入することはできない。また、提供されている映画やテレビ番組はいずれも海外のコンテンツで、日本のコンテンツは用意されていない。

 アップルの広報を務める鈴木氏はApple TVを「家の中のテレビに直付けで使う、もう1台のiPodと思ってもらえれば」と説明。iPodはポータブルオーディオプレーヤーとして広く普及しており、iPodユーザーは楽曲転送のために必ずiTunesを利用していることから、アップルではiTunesのコンテンツをリビングルームでも楽しめるソリューションとしてApple TVを位置づけているという。


ストリーミング再生もパスコード入力が必要 パスコードが認証されるとApple TVから利用可能になる

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.apple.com/jp/news/2007/mar/22appletv.html
  Apple TV 製品情報
  http://www.apple.com/jp/appletv/

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(甲斐祐樹)
2007/03/22 21:04
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