2004年2月に「mixi」と「GREE」が登場してから9カ月。この短い間に日本にも数多くのソーシャルネットワークサービスが登場し、さらなる盛り上がりを見せるとともに、ユーザー数も激増しています。第2回では、日本のソーシャルネットワークサービスの一部を取り上げ、実際にどんなことができるのか、各サービスの機能や特徴を解説しながら紹介していきます。
■国内最大級の「mixi」
「mixi」は、日本で最大のユーザー数を誇るソーシャルネットワークサービスです。コメントを付けることができる日記機能、同じ趣味を持つ者同士が交流を深めることができるコミュニティ機能、オフ会の開催に役立つイベント機能など、コミュニティを広げるための機能が数多く盛り込まれています。
ユーザーのトップページには、マイミクシィ(登録した友達)の日記や、参加しているコミュニティの投稿などの更新情報がリスト化され、自分に関連した友人知人やコミュニティの最新情報を把握することができます。また、携帯電話に対応した「mixi モバイル」機能も備えており、いつでもどこでもmixiの更新や確認が可能です。
mixiの特徴的である「足あと」機能では、ユーザーのトップページや日記にアクセスしてきたユーザーのログが記録され、誰が見に来たのかひと目でわかるようになっています。足跡をたどったり、足あとを残すという些細なきっかけから交流が始まることもあり、楽しめる要素の1つです。
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女性を意識したサービス名やサイトデザインを採用。実際、女性の参加者数は多いという
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mixiの特徴でもある「足あと」機能。ログだけでなくアクセス数も記録されている。設定したアクセス数に達した時にメールで知らせてくれる「足あとお知らせメール」機能も備える
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■リアルな人間関係を強化する「GREE」
個人で運営・開発が行なわれているソーシャルネットワークサービス「GREE」は、友達との関係や印象を記入する「紹介文」に重点を置き、インターネット上で友達と友達の繋がりをより強くすることを基本コンセプトとして運営されています。そのため、本名や出身校や勤務先など実際の情報を登録しているユーザーが多く、実生活の交友関係を基にしたコミュニティを作りたいのであればGREEが最適と言ってもよいでしょう。
主な機能としては、コミュニティ機能、おすすめ商品を紹介するレビュー機能、すべてのユーザーが閲覧することができる掲示板機能などが挙げられます。日記を書くことはできませんが、自分が運営しているブログの内容を表示する機能により、日々の出来事をGREE内で公開することも可能です。また、小学校から大学までの出身校を登録する機能も備わっています。もしかしたら、数年来出会っていない同級生との交流が再開するなんてことも起きるかもしれません。
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友達やコミュニティなどを問わず、会員なら誰でも投稿・閲覧が可能なリスティング機能(掲示板)を搭載。イベントや、売ります/買いますなどの告知を広く伝えることができる
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出身校を登録して同級生を捜すこともできる。同級生数ランキングでは、ゼミの名簿をGREEで作っているという慶応義塾大学がダントツで1位、2位を占めている
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■鉄人ご愛用ソーシャルネットワークサービス「キヌガサ」
サービス名だけでなく、お知らせの文体やキャラクターからもわかるように、軽いノリを追求した(?)ソーシャルネットワークサービス「キヌガサ」。プロフィールの登録を行なう時に、自分が何の鉄人なのかを登録するよう迫られます。一発で印象を決める項目でもあるので、招待された時に備えて今のうちに考えておくとよいでしょう。
キヌガサの特徴は機能の豊富さにつきます。オークションサイト「ビッダーズ」の出品情報表示機能、パソコンで再生している曲をネットに公開する「音ログ」との連携、「MSNメッセンジャー」のメンバーリストを利用した一括招待機能など、他では見られない機能が満載です。
基本的に招待制ですが、レンタルサーバーサービスの「ロリポップ」、ブログサービスの「JUGEM」、ニュース配信サービス「mypop」のユーザーになることでキヌガサに参加することができます。
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トップページだけを見るとネタ的なイメージを感じてしまうキヌガサだが、機能の豊富さは他の追随を許さないという意気込みを感じるほど
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「音ログ」の機能を導入すると、右側にパソコンで再生している曲名が表示される。現在はアップル社のiTunesのみに対応
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■コミュニティを広げる機能が豊富な「UUME」
「UUME」は、2003年12月に中国で開始され、2004年8月に日本へ上陸したアジア最大級のソーシャルネットワークサービスです。招待制ではないため、誰でもすぐに参加することができます。招待制以外で安心感を高める方法として、プロフィールや日記が閲覧できるのは自分から4階層以内の参加者(友達の友達の友達の友達)までという制限を行なっています。また、友達リストに家系図のようなツリー表示を採用することで、友達との繋がりも視覚的に確認できるようになっています。
コミュニティ機能に重点を置いたUUMEでは、イベント機能やアルバム機能だけでなく、リアルタイムでコミュニティメンバーとの会話を楽しむことができるチャット機能を備えています。さらに、ユーザー以外に内部を公開しないことが多いソーシャルネットワークサービスの中では珍しく、UUMEのコミュニティは、設定次第でユーザー以外にも公開することができます。UUMEに参加していない人がコミュニティ内の様子を見て興味を持ち、コミュニティに参加するために入会するということもあるでしょう。招待制ではないことも含め、参加するための入り口が広いこともUUMEの特徴です。
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4階層までツリーで表示される友達リスト。どのように繋がっているのかを追っていくだけでも面白い
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コミュニティのチャット機能を利用すれば、OFF会の相談や白熱した議論も円滑に進めることが可能だ
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■ソーシャルネットワークと音楽配信を組み合わせた「recommuni」
「recommuni」は、招待制によって築かれる信頼関係で結ばれたコミュニティを利用し、コピーコントロールを行なわない音楽配信を目指したソーシャルネットワークサービスです。ソーシャルネットワークの機能としては、日記、メッセージの送受信、グループなどの基本的な機能は押さえており、音楽を中心としたコミュニティを形成できます。
recommuni最大の特徴は、やはり音楽配信機能でしょう。参加者は、みんなに聞いてほしいと思う曲を紹介し、自分でCDからパソコンに取り込んだ音楽ファイルをアップロードします。アップロードされた曲は、他の参加者も自由にダウンロードして購入することができます。
自作の曲だけでなく一般に販売されている曲のアップロードが可能ですが、権利者の許諾が必要な曲についてはレコミュニ事務局が許諾申請を行ない、許諾が得られた曲に限ってダウンロードが可能になります。また、紹介した曲がダウンロードされたり、ダウンロードの際に曲へのコメントが参考にされた場合に報酬が支払われるというシステムも用意されています。このような仕組みを採用することにより、お気に入りの曲をみんなに聴いてもらいたいという音楽ファンの希望に1つの答えをだしたのがrecommuniです。
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ユーザーのトップページには、自分や友達が紹介した曲のリストとコメントが表示される
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権利者の許諾を得た曲はダウンロードリストに公開されていく。もちろん、許諾を得ることができずにずにお蔵入りしてしまう曲もある。一曲の価格は曲の権利者により決定され、最低50円から
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■目的に合わせて選ぼう
今回取り上げたソーシャルネットワークサービスはごく一部であり、その他にもビジネスでの繋がりを重視した「トモモト」、音楽友達を作ることを目的とした「プレイヤーズ王国」、友達同士の現在位置がわかる携帯電話専用の「HotPlace」、航空会社ANAが運営する「ANAフレンドパーク」、女性限定の「Public Cafe」など、斬新な機能を備えたサービスや、目的を明確にしたサービスが次々と誕生し、参加への入り口が広がりつつあります。
これを機に参加してみたい! と思った方は、友達や知人にソーシャルネットワークの話題を投げかけてみましょう。友達が参加していない場合でも、もしかしたら友達の友達が参加していて、招待状が送られてくるかもしれません。もちろん、「UUME」のような招待制ではないサービスから始めることもできますので、自分に合った入り口を探してみてください。
次回は、現在もっともユーザー数が多く、コミュニティサービスとして盛り上がりを見せている「mixi」を取り上げ、体験談と共にソーシャルネットワークの具体的な使い方をご紹介します。
(2004/11/04)
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