前号で筆者のPCは4ポートのハブへ直付けしていることを書いたが、そろそろ高速ルータも安価になってきたこともあり、ネットワーク環境の改善を図ることにした。
■現在の環境
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有線ブロードネットワークスに接続して以来、ずっと使ってきた4ポートのスイッチングハブ。いうまでもなく、この状態が一番速い |
前回と話は重複するが、現在の通信環境は、単純にメディアコンバータから4ポートハブへ接続、そこへ3台のPCをつないでいる。セキュリティ面ではインターネットへ直付けということもあり、あまり望ましくない方法であるものの、接続するルータによっては、スループットが大幅に低下する可能性も考えられる。せっかくのFTTH、スループットが落ちてしまっては面白くなく、セキュリティを犠牲にして高速性をとった形となっていた。
また、Bフレッツやフレッツ・ADSLなどの一般的なPPPoEとは違い、有線ブロードネットワークスでは、そのままPCが4台まで接続でき、わざわざルータを置いて回線を共有する必要がなかったことも、こうなっていた理由の1つに挙げられる。
しかしここ最近、実測40Mbpsをはるかに超える高速ルータが続々登場! そこで重い腰を上げ、ハブからルータへ切り替えることにした。
試しに回線速度を測ってみた。経路にもよるのであくまでも目安であるものの、軽く40Mbpsをオーバーしている。
【メディアコンバータからハブ経由で接続した状態でのスループット計測結果】
測定サイト | ブロードバンドスピードテスト v2.0.8 |
測定時刻 | 2002/08/24 17:35:59 |
回線種類/線路長 | FTTH/- |
キャリア/ISP | -/- |
ホスト1 WebArena(NTTPC) | 52Mbps(9971kB,1.5秒) |
ホスト2 at-link(C&W IDC) | 52Mbps(9971kB,1.5秒) |
推定最大スループット | 52Mbps(6551kB/s) |
■ルータ選び
さて、実測40Mbpsを超えるルータを調べたところ、メルコ BLR3-TX4、マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT90、プラネックスコミュニケーションズ BRL-04FBなどが候補に挙がった。いろいろ悩んだ結果、今回はBRL-04FBを使うことにした。
理由は3つ。「超高速スループット91Mbps!」と書いてある(笑)、UPnP(Universal Plug and Play)対応、そして事務所でメインに使っている同社のスイッチングハブ、FHSW-8080NWが購入以来ずっと動き続けているメーカーとしての信頼性……と、こんな感じだ。UPnPについては、後日のファームアップデートで対応を謳っている製品は多いものの、はじめから対応しているのは珍しい。また、肝心のスループットに関しては、実際接続しないと何とも言えないが、そこは雑誌やWebの記事を少し研究して大丈夫だろうとの判断だ。
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プラネックス BRL-04FB 直販サイトで1万3800円
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メルコ BLR3-TX4 実売価格1万3800円程度
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マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT90 直販価格1万9800円
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□プラネックス BRL-04FB
http://www.planex.co.jp/product/broadlanner/brl04fb.shtml
□メルコ BLR3-TX4
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2002/005_1.html
□マイクロ総合研究所 NetGenesis SuperOPT90
http://www.mrl.co.jp/news/release/pr_mr-nwgop7090.htm
■セットアップとスループット
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ブラウザでルータの設定ができ、初心者にも簡単に扱うことができる |
単に接続するだけならいたって簡単! ルータでよくあるパターンだ。Webブラウザを起動し、設定サイトのURLに飛んでルータの設定画面を表示、必要な項目を指定するだけで終了。有線ブロードネットワークスの場合、LAN側もWAN側もどちらも単にDHCPとするだけなので間違えようがない。かかった時間はわずかに数分。ハブを接続するのと大差ない。
LAN側のPCからインターネットへ接続できることを確認した後、とりあえず、工場出荷時に設定されている設定画面用のパスワードを変更。スループットを測ってみた。この状態がルータにとって一番速い設定なのだが、楽々40Mbpsをクリア。先のハブでの接続と比較しても遜色ない。数Mbpsの差は誤差の範囲であり、ルータを接続したことによるオーバーヘッドはないと見てよいだろう。
【ルータを接続してのスループット計測結果】
測定サイト | ブロードバンドスピードテスト v2.0.8 |
測定時刻 | 2002/08/24 18:05:26 |
回線種類/線路長 | FTTH/- |
キャリア/ISP | -/- |
ホスト1 WebArena(NTTPC) | 48.9Mbps(9971kB,1.6秒) |
ホスト2 at-link(C&W IDC) | 43.2Mbps(6008kB,1.1秒) |
推定最大スループット | 48.9Mbps(6109kB/s) |
次にファイアウォールの設定だ。BRL-04FBではDoS攻撃検出/遮断機能を持っているため難しいポートの設定などせず、一発で対応可能。今回は、“DoS攻撃検出を有効にする”、“WAN側回線速度2Mbps以上”、“WANインターネットからのPINGの応答しない”とした。ここで再度スループットを測ってみたところ、同じく40Mbpsオーバーで値も誤差の範囲。DoS攻撃検出/遮断機能をONにした程度ではこのルータはびくともしない。これならファイアウォールをONにしたままで常用してもOKだ。
【ファイアウォール設定後のスループット計測結果】
測定サイト | ブロードバンドスピードテスト v2.0.8 |
測定時刻 | 2002/08/24 18:02:36 |
回線種類/線路長 | FTTH/- |
キャリア/ISP | -/- |
ホスト1 WebArena(NTTPC) | 45.8Mbps(9971kB,1.7秒) |
ホスト2 at-link(C&W IDC) | NaNMbps(539kB,.2秒) |
推定最大スループット | 45.8Mbps(5720kB/s) |
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上の4ポートハブと比較してわかるるように、BRL-04FBは非常に小さくコンパクトだ |
最後の仕上げは、通常RemoteDesktopで管理しているストリーミング専用マシンとNotePCの接続チェック。今回、BRL-04FBからストリーミング専用マシンへ新しく割り振られたIPアドレスは“192.168.1.3”。もちろんOK。これで全マシン、完全にBRL-04FBへ移行した。かかった時間は10分未満。こんなに簡単なら、もっと早くにやっとくべきだったかな!?(笑)
気になるファームウェアについては、現在、最新版のβ版が同社のWebに登録されている。まだ予期せぬハングアップなどを経験していないこともあり、正式版になるまではアップデートを行なわない予定である。
実測40Mbpsを軽く超える有線ブロードネットワークスと、その高速性を生かしながらコントロールできるBRL-04FBは、ある意味、ベストマッチングではないだろうか!
(2002/08/30)
□有線ブロードネットワークス
http://www.usen.com/
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