【CEATEC JAPAN 2009】
ヤマハ、自動演奏ピアノでiPhoneやセカイカメラ、女性ロボと連携


ヤマハブース。デモ時には多数の来場者が集まっていた

 CEATEC JAPAN 2009のヤマハブースでは、自動演奏機能を備えたピアノ「ディスクラビア(Disklavier)」をネットワークに対応させて、女性型ロボットやiPhoneアプリなどと連携させたデモンストレーションを実施している。

 ヤマハが販売するピアノ「ディスクラビア」では、自分がピアノで演奏した情報を内蔵メモリに記録して自動演奏できる機能を搭載している。ヤマハでは今回、演奏した楽曲データ(MIDI形式)や打鍵の強弱情報などを保存できるサーバー「Piano Lifelog」を用意。デモ中に実際に弾かれた楽曲を「Piano Lifelog」サーバーに保存したのち、オンデマンドで演奏した楽曲を自動再生する活用例を紹介している。

 デモではまた、ピアノ演奏時にビデオカメラで撮影した動画をYouTubeにアップロードして、動画再生時に「ディスクラビア」で自動演奏を実現させるオンデマンド配信技術を紹介。これは専用アプリケーションを使って、YouTube側にアップロードする動画に同期信号を記録。その上で、YouTube動画を再生時に、アプリケーションが「Piano Lifelog」から演奏情報を取得して、動画に合わせた自動演奏が可能になるという。


YouTubeの動画を再生するとディスクラビアで自動演奏が開始される技術概要

 加えて、ヤマハが開発した歌声合成システム「VOCALOID」や独立行政法人産業技術総合研究所の女性型ロボット「HRP-4C」と組み合わせた、自動伴奏と歌声合成、ロボット操作のデモも実施された。このデモでは、「VOCALOID」で合成した歌声やロボットの振り付け情報を「HRP-4C」に対して配信し、自動演奏に合わせて顔や口が動作していた。

 このほか、iPhoneアプリケーションと連携させた2種類のデモンストレーションも紹介。打鍵ガイドに沿って画面に表示された鍵盤をタッチしてピアノが演奏できるアプリ「FingerPiano Share」との連携では、「FingerPiano Share」で演奏した演奏情報を無線LAN経由でピアノに送信して、演奏を再現できる機能を紹介した。


「VOCALOID」や「HRP-4C」と連携した演奏デモも連携の技術概要デモ時にはセカイカメラを利用した楽曲リクエストを受け付けていた

FingerPiano ShareFingerPiano Shareの演奏に合わせて、ピアノが動く同デモでは、リアルタイムMIDI伝送技術を用いているという

 また、頓智ドット株式会社の位置情報機能を使ってタグを付加できるアプリ「セカイカメラ」との連携では、「FingerPiano Share」で演奏された情報を「Piano Lifelog」上に保存する際に、位置情報も合わせて登録。ブース内にあるiPhoneにインストールされた「セカイカメラ」から、位置情報に応じて登録された鍵盤アイコンのタグを選択すると、「FingerPiano Share」が起動してサーバーに保存された演奏情報を取得して再生できる。

 いずれもヤマハや各社が提供する既存のサービスやアプリケーションを応用したものだが、具体的なサービス化時期は未定。ただし、ヤマハの説明員によれば、演奏情報を保存できるサーバー「Piano Lifelog」に関しては、前向きに実用化を目指しているという。

 なお、これらデモンストレーションは毎日11時と12時、14時30分、16時を目安に解説を交えながら実施されている。また、回によっては「HRP-4C」が衣装を着ている場合もあり、イベント初日の6日にはRobot Watchで紹介されているように初音ミクの衣装を着て登場した。


セカイカメラPiano Lifelogに演奏された情報をタグとして登録タグを選択すると、FingerPiano Shareが起動して演奏情報を再生できる

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(村松 健至)
2009/10/7 16:46