「Firefox 3.5」正式版は日本時間7月1日公開予定
Mozilla Japanテクニカルマーケティングの浅井智也氏 |
Mozilla Japanは29日、次期Webブラウザ「Firefox 3.5」に関する事前説明会を開催した。Mozilla Japan代表理事の瀧田佐登子氏は、Firefox 3.5の正式版について、現時点では米国時間6月30日の早朝、日本時間では日付が変わって7月1日の深夜にリリースする予定であることを明らかにした。
Firefox 3.5の新機能については、Mozilla Japanテクニカルマーケティングの浅井智也氏が説明した。浅井氏はFirefox 3.5の特徴として「多彩なサービスを楽しむWebプレーヤー」を挙げ、HTML 5のvideo/audioタグのサポートを紹介。HTML 5のvideo/audioタグを標準でサポートすることで、これまではプラグインによる別処理となっていた動画が同じHTMLの中で処理できる形になるとして、動画をJavaScriptで操作するデモを披露した。
動画・音声の形式としては、オープンソースコーデックのOgg Theora/Vorbisを標準でサポートしており、H.264と遜色ない画質が実現できていると説明。また、H.264などの特許技術を含むコーデックに頼らず、フリーなコーデックを使用できるようになる点も重要だとして、「自由に使える技術がインターネットに広がっていくことで、創造性も広がっていく」と語った。
浅井氏はFirefox 3.5の2つ目の特徴として「高速化を続けるプラットフォーム」であるという点を挙げた。Firefox 3.5では、新たなJavaScriptエンジン「TraceMonkey」の採用により、ベンチマークの速度ではFirefox 3に比べて2.4倍に高速化、特にJavaScriptによる画像編集処理では6倍速くなっており、こうした高速性を活かした画像編集サイトなども登場していると説明。また、マルチスレッドのサポートや描画ライブラリの最適化、リンク先の先読み名前解決など数多くの高速化を実現しており、「ブラウザが高速化することで、これまで提供できなかったサービスも提供できる。『Webだからこんなことしかできない』とは言わずに済むような時代がやってくる」と語った。
このほか、ユーザーの履歴を残さない「プライベートブラウジングモード」機能や、セッション復元機能の改善、CSS3のWebフォント機能のサポート、カラーマネージメントの対応などの新機能を紹介。「Firefoxはユーザーが本当に求めている機能を実現し、さまざまなWebの制約を解放していく」と語った。
Firefox 3.5の特徴 | 動画形式としてOgg Theoraを標準でサポート |
JavaScriptはベンチマークではFirefox 3に比べて2.4倍高速化 | JavaScriptによる画像編集アプリでは処理速度は6倍に |