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2005年07月14日

無線LANのチャネル運用を考える

 昨日、アセロスの大澤代表取締役社長の講演レポートを掲載いたしました。

【WIRELESS JAPAN 2005】アセロス大澤氏「今後の無線LANは“干渉”が課題」に
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/10332.html


 主な内容は新たに開放された5GHz帯に関してですが、後半では無線LANの干渉に関する問題提起も行なわれました。その1つの例が、ニューヨークでは2.4GHz帯の無線LANを50近いアクセスポイントで共有しているというものですが、最近、私も同じようなケースに遭遇しました。

 先日とある取材に出向いた時、次の予定まで時間があったので近くの公衆無線LANサービスを利用することに。しかし、「アクセスポイントに接続しました」とのバルーン表示は出るものの、一向に公衆無線LANのポータルが表示されません。SS-IDとWEPを再度手動で設定しなおしたり、PCを再起動したりといろいろ手を尽くしてみたのですが、結局一度もアクセスポイントにつながることはありませんでした。

 不思議に思い、周囲のアクセスポイントを検索してみたところ驚くべき結果が。接続しようとしていたアクセスポイントは10チャネルでしたが、その隣の11チャネルに20近いアクセスポイントがひしめいていたのです。

周囲のアクセスポイント検索結果。ちなみに11チャネルはすべて同じSS-ID

 以前に弊誌連載の「イニシャルB」でご紹介したこともありますが、IEEE 802.11b/gのチャネルは14チャネル(11gは13チャネル)あっても、実際には5チャネル程度がわずかながら同じ帯域を利用しているため、完全に独立して使えるチャネルは3つしかありません。これに対してIEEE 802.11aは、完全に独立したチャネルが8チャネル(新11aの場合)利用できますが、利用は屋内に限られていますし、採用している公衆無線LANも今のところはHOTSPOTだけです。

無線LAN運用のカギはチャネルに有り 干渉を避けるための設定方法を探る(イニシャルB)
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/shimizu/3105.html


 7月中にはライブドアのD-cubic試験サービスも始まり、Yahoo! BBモバイルも商用化に際してアクセスポイントを大量設置する予定。NTTグループもアクセスポイントを共有してエリアの拡大を図るようです。また、無線LANは免許不要で設置できるので、ユーザーが設置したアクセスポイントも事業者のアクセスポイントと同じようにチャネルを使いますし、さらには2.4GHz帯は電子レンジや医療機器の影響も受けるという問題もあります。

エリアやサービスの充実はユーザーとしても非常に期待したいところですが、一方でアクセスポイントやユーザーが増えるにつれ、無線LANのチャネル運用も真剣に考えていかなければいけないとの思いが、昨日の講演を聞いてさらに強まりました。

投稿者 甲斐祐樹 : 2005年07月14日 16:33

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