「春からのブログ入門」として2月から開始した本連載ですが、季節はいつのまにか初夏となり、また連載第1回において「本格的にブログを始めたのはつい1カ月ほど前」といっていた私のブログ歴も、半年近くになろうとしています。
今回は春の終わりを期に、ちょっとしたまとめの意味も込めて、個人的な体験談も交えつつ「ブログを続けるコツ」を考えてみたいと思います。
ブログを始めてみたものの、いつのまにか飽きてしまう、更新が止まってしまう、というのは残念ながらよくあることです。ふと辿り着いたブログが数カ月前から更新が止まっていたりするのは、物悲しいものですね。
どうしてブログは続かなくなってしまうのでしょう。そして、続けるためにはどうすればいいのでしょうか?
■ブログの上にも3カ月!?
「石の上にも3年」ならぬ「ブログの上にも3カ月」。始めたばかりのブログは、検索エンジンにも載っていないし、記事の数も少なく、また書き手の経験も少ないため、質的にも弱い――簡単にいえば、おもしろみのない――記事であることが多いでしょう。そのためアクセスも少なく、だからコメントやトラックバックが来ることもなく、なんとも淋しい気持ちになってしまいます。
しかし、始めたばかりのブログにコメントやトラックバックがつかないのは当たり前。数十アクセス程度の変動なんて、ユーザーの気まぐれで起きる誤差にすぎません。ブログを始めて最初の3カ月、最低でも1カ月は修行と仕込み(アーカイブの記事数をある程度貯めて、初めて見に来た読者が満足できるボリュームにする)の期間だと考えて、アクセス数やコメントなどは気にせず、地道に更新を続けてみましょう。
だいたい開設から1~3週間ほど経つと、ブログが検索エンジンに登録されて、検索エンジンからのアクセスがあるようになります。扱うテーマや記事の内容にもよりますが、1日1記事のペースで書き続けて1カ月もすればブログを書くことにも慣れ、少しずつ固定読者もついて、毎日コンスタントに30~50アクセス(トップページで)ぐらいは稼げるようになるでしょう。
……と、いうのが一般論ではあるのですが、ただ黙々と3カ月も記事を書き続けるだけなんて単なる苦行ですし、その後が楽しくなる保証もありません。そこで、ブログが楽しく続けられるように、こんなことを考えてみましょう。
■自力で達成する「目的」を決めてみよう
ブログを始めて三日坊主に終わってしまい「いやー、毎日続けようと思ったんだけど、やっぱりダメだったね」などと話す人の多くは、「ブログを続けること」そのものしか見えていません。漠然と始めて、漠然としたもの以外は見えてこないまま、結局飽きてしまっています。
基本的に、ブログを続けるという行為は「手段」に過ぎません。その向こうにある何らかの具体的な目的を見据えていなければ何の達成感も満足も得られず、続けられるものではありません。
たとえば私は、ライターをいう仕事に役立つよう、仕事に関連した情報を集めて整理し、記憶の強化(記事を書くことでしっかり記憶に残ります)や備忘録として機能させることを目的としてブログを始めました。実際には、カテゴリ分類がいいかげんで過去の情報が見つからずに探しまわったりもしていますが。
「情報を集め、整理しておく」という目的に対して、ブログツール、そして「フィルタ」というブログのスタイルは、とても親和性が高く便利です。仕事関連でも趣味関連でもいいですし、自分の住む地域の情報、好きなアイドルに関する情報でもいいでしょう。自分のために情報を集めるブログなら、アクセス数が少なかろうが、コメントやトラックバックがなかろうが気になりません。情報が集まっている時点で満足できるのですから。
「有名になる」とか「アクセスランキングで1番になる」、「友達を増やす」といった目的もあるでしょうが、これらは他人のアクセスがあって初めて達成できること。こういったことだけを目的にしていると、どうしても反響ばかりが気になり、やる気の波が大きくなって精神衛生上よろしくありません。とりあえずは自分自身の努力でのみ達成できることを目的として設定することで気持ちも安定し、達成感も得やすくなるでしょう。
自力で達成できる目的としては、他にも「文章力をつける」、「考えを整理する」、「やせる(ダイエット日記のブログで)」なども考えられます。
■無理な決めごとは作らない
目的を持つということは、自分のブログの理想像を持つということでもありますが、あまり理想が高すぎると挫折してしまいます。また、実行の難しいルールを決めると挫折する、ということもあるでしょう。たとえば「毎日必ず更新する」とか。
ブログでご飯を食べている、というわけでもなければ、ブログは普段の生活の中のできる範囲で、無理なく、むしろ目的に関係ない部分では極力ラクをしながら続けることが大切です。可能な範囲内で目的を設定し、あまり欲張ることはやめておきましょう。
私は、実は今年2月に入籍したのですが、その前に、交換日記のブログ版のようなものを書いていました。もちろん普通の交換日記をWebで公開するわけではなく、ひとつのテーマについて、私と婚約者(当時)のそれぞれの視点から書いていく、というコンセプトでした。こうして書いてみることで価値観の共通点や違いが見えてきたらおもしろいのではないか、という考えで、離れて住んでいた頃にはある程度続いていたのですが、一緒に暮らし始めたら、とたんに更新が滞るようになってしまいました。
原因は明らかで、「作り込みすぎ」だったのです。まずお互いが何かしら書けるようなテーマを探し、どちらかが疑問点を振って相手が答えるとか、一方がボケ倒た後でもう一方がフォローを入れたりとか、ある程度の進行まで決めてから書き始めます。この作業は、離れて暮しているときにはメール等で打ち合わせしながら互いの空き時間にできたのですが、一緒に暮らしながらだとふたり揃って時間を取ることが必要になり、とても続けられませんでした。
結局、この交換ブログは更新を断念し、現在ほかのブログサービスで「それぞれが空いた時間を使って適当に更新する」という方針で始めてみています。お互いのコミュニケーションの一助として意義があると思うので、何らかの形で「ふたりでブログを書く」ということは続けていきたいと思っています。
■「ごほうび」を楽しもう
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アクセス解析やアフィリエイトの報酬額を見るのも、ブログの楽しみのひとつ。それだけが楽しみというのでは虚しいけれども
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前述の「有名になる」とか「アクセスランキングで1番になる」のような、他人のアクセスがあって初めて達成できる類の目的を、私は「ごほうび」として別枠の扱いで考えています。「アフィリエイトでお金を稼ぐ」も、まさに「ごほうび」といえるでしょう。「目的」が時間をかけて自分でコツコツと目指していくものだとすれば、「ごほうび」は時々ランダムで発生して、ブログの楽しみを味わえるイベントのような感覚です。
アクセス数が増えたり、コメントやトラックバックが貰えるのも「ごほうび」。不思議なもので、「アクセスを増やしたい」、「アフィリエイトで儲けたい」と思ってギラギラしている時ほど、そうなってくれないものです。ところが、副次的な「ごほうび」だと思っていると、いつのまにかそうなっていることもあります。狙いすぎるよりも、一旦それを忘れて余裕を持ってブログを楽しむことが、かえって近道になることも多いはずです。
■寄り道も楽しもう
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トラックバック野郎
http://trackbackyaro.cocolog-nifty.com/
毎週火曜日にお題が出るトラックバック企画。寄せられた中からおもしろい記事は、毎月の「トラックバックPartII」のコーナーで取り上げられる
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いくら「目的」を持っても、そこに向けてまっすぐ進むだけではつまりません。寄り道もまた、ブログの楽しみだといえるでしょう。寄り道用のカテゴリ(たとえば「雑談」とか)を作って記事を書けば、全体の邪魔にもなりません。
旅行に行ってパソコンに触れないときには突発的なモブログ特集をしてみたり、ほかのブログで話題になっている、気になったことについて言及してみたり。あちこちのトラックバック企画に参加してみるのもいいでしょう。同じテーマに言及したのが縁で友達が増えたり、お気に入りのブログが増えたりするかもしれません。目的地に着くまでにいろんなことがある水戸黄門の旅みたいで、なんだか楽しい気がしてきませんか?
最後に、以前の回では紹介しなかったトラックバック企画を紹介します。いずれもココログ、gooBLOGなどのブログサービスが主催しているものですが、ほかのサービスを利用していても参加OKとのこと。面白そうなお題があったら、参加してみましょう。
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テーマサロン
http://blog.goo.ne.jp/themesalon
毎週金曜日にテーマが出るトラックバック企画。翌週金曜日に「まとめ」があり、いくつかの興味深い記事が紹介される
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トラックバックセンター
http://center.exblog.jp/
毎週月曜日にテーマが出るトラックバック企画。寄せられるトラックバックの数はもっとも多い
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(2004/05/28)
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