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第5回:mixiを立ち上げたイー・マーキュリー代表取締役 笠原健治氏に聞く
[2004/11/25]
第4回:
「mixi」でソーシャルネットワークサービスを知ろう 〜後編〜
[2004/11/18]
第3回:
「mixi」でソーシャルネットワークサービスを知ろう 〜前編〜
[2004/11/11]
第2回:
ソーシャルネットワークサービスって、なにができるの?
[2004/11/04]
第1回:
ソーシャルネットワークサービスってなに?
[2004/10/28]
ソーシャルネットワークってなんだ?

〜ネットで広げる友達の輪〜

第1回:ソーシャルネットワークサービスってなに?

 「ソーシャルネットワーク」という言葉は聞いたことがあるでしょうか? 今年、インターネット界に広がったニューウェーブとして、まず第一に「ブログ」、そして「ソーシャルネットワークサービス」が挙げられるでしょう。

 ただし、ソーシャルネットワークサービスはその性質上、利用前にいまいち全容をつかみにくいのも事実。この連載ではソーシャルネットワークサービスってなに? と疑問をお持ちのみなさんに、ソーシャルネットワークの世界をご紹介していきたいと思います。


ソーシャルネットワークサービス最大のキーワードは「社交的」

米Google社では、開発者に1週間の業務のうち1日は個人的なプロジェクトに携わるという決まりがあり、この時間を生かして作られた「orkut」は、日本にソーシャルネットワークを認知させる発端になりました

 まずソーシャルネットワークの中身に触れる前に、その名称について考えてみましょう。ネットワークはご存知の通り、コンピュータ同士をつなぎ、データリンクを行なう通信網を意味します。では頭についているソーシャルとは? ソーシャルを直訳すれば「社会」や「社交的」という意味になります。

 つまり、ソーシャルネットワークとは、「社交的なネットワーク」と表現しても差しつかえないでしょう。ソーシャルネットワークというコミュニティサービスでは、「社交的」という言葉が意味する、人と人とのつながりがサービスの鍵となっています。

 ソーシャルネットワークサービスでは、アカウントによりサービスの参加者を管理しています。その際、名前や職業、趣味などのプロフィールを登録し、自分がどのような人物なのかを公開することによって、信頼をもった交流を始めることができます。実際、本名を公開しているユーザーも多く、本名から数年来会っていない同級生を発見するなど、思いもよらない出会いに遭遇することもあります。

 従来は、インターネットで個人情報を公開するデメリットばかりが注目されてきましたが、ソーシャルネットワークにより非匿名性のメリットを引き出す環境が整ったともいえるでしょう。



招待制によって広がる友達の輪

 それではなぜ、匿名が良しとされてきたインターネットでプロフィールを公開することができるのでしょうか。その理由としては、「サービス参加への招待制度」というものがあげられます。多くのソーシャルネットワークサービスでは、すでに参加している人からの招待メールを受け取ることで、はじめて参加することができるようになります。

 招待する側は、実際の友人や知り合いを招待することになり、サービス内に参加できる人は、必ず誰かしらすでに参加しているユーザーとの接点がある人に限定されます。このような仕組みにより、ソーシャルネットワークでは、現実世界の友人・知人同士の人間関係に基づいた信頼あるネットワークが広がっていくことになります。

 つまりソーシャルネットワークとは、例えるなら「知り合いコミュニティ」です。すべてのメンバーが現実世界の知り合いとして誰かしらに繋がっていることから、健全なやりとりがなされると言えるでしょう。

 世間話をするグループもいれば、友人同士を引き合わせている出会いの場もあります。はたまた、お互いに健全な意識で参加している場ということもあって、ビジネスの話をやりとりする人もいるでしょう。ソーシャルネットワークとは、そうした「社交的な」コミュニティが「インターネット上で」運営されている場であり、個々の人間関係からネットワークが広がっていくのです。

日本のソーシャルネットワークサービス「mixi」のトップページ。「新規登録」ボタンが用意されていますが、招待制を採用しているため「招待メールが来るまでしばらくお待ちください。」と表示されてしまいます クローズドなソーシャルネットワークサービスでは、このような招待メールを受け取って始めてアカウント登録を行なうことができます



まだまだ歴史は浅いソーシャルネットワークサービス

 社交的で健全なコミュニティという特色を持ったソーシャルネットワークサービスですが、最初にインターネット上に登場したのは2003年3月頃。米Friendster社の「Friendster」を皮切りに米国を中心に広がりを見せていました。日本で話題になり始めたのは、やはり2004年1月に登場した「Orkut」からでしょう。これはgoogleのエンジニアが開発したということもあり、Googleのネームバリューで注目が集まったとも言えるでしょう。

 当時は「googleが出会い系サービスを開始する?」というニュースが駆けめぐり、それに連れてソーシャルネットワークサービスの存在が認知され始めました。Orkutでの日本人ユーザー数も1万人を超えるなど、いっとき盛り上がりを見せましたが、サービス内の対応言語が英語だけということと、ソーシャルネットワーク特有の招待制という馴染みのない制度も重なり、「ソーシャルネットワークサービスは敷居が高い」というイメージが芽生えしまったようにも見受けられます。

 そんな理由からも、ブレイク一歩手前という盛り上がりに留まっていたソーシャルネットワークサービスですが、2004年2月後半に、田中良和氏個人が開発・運営を行なっている「GREE」、株式会社イー・マーキュリーの「mixi」という2つの純国産ソーシャルネットワークサービスが誕生しました。

 最初こそ、ユーザーのとまどいも見られたものの、この2つのサービスは順調に支持を集め、多数の参加ユーザー数を獲得。現在では登録IDが15万に達しています。GREEとmixiという2つのサービスによって、ソーシャルネットワークが日本でも一般ユーザーに広まり始めたと言ってよいでしょう。

 今回は、ソーシャルネットワークの基本とその成り立ちをご紹介しました。次回は、多様化を見せ始めたソーシャルネットワークサービスの中から、新しい要素や独自の特徴などが見られるサービス、また、その使用方法などがユニークなものまで、日本国内だけではなく、海外で展開されているサービスを含めてご紹介していきます。

2003年3月から始まった「frendster」は、3カ月で100万人のユーザーを集めるだけでなく、米Google社から5,000万ドルの買収提案を断るなど、多くの伝説を残しています 日本のソーシャルネットワークサービスの先駆け「GREE」は、10万人以上のユーザーを抱えながらも個人で開発・運営を行なっています

(2004/10/28)

□田中良和氏が個人で開発・運営している「GREE」
http://www.gree.jp/
□株式会社イー・マーキュリーが運営する「mixi」
http://mixi.jp/
□米Friendster社の「Friendster」
http://www.friendster.com/
□米Google社の「orkut」
http://www.orkut.com/

西野滋仁(にしの しげひと)
オンラインゲームで真っ直ぐに敷かれた人生のレールから飛び出し、5年の歳月を個人サイトの運営につぎ込み、インターネットこそ我が人生と言い切る若干26歳。現在、ソーシャルネットワークサービスで人間関係の再構築に奮闘中。
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