mixiが2009年度下半期に登録制導入へ、上場後初の減益予想も


ミクシィの笠原健治代表取締役社長

 ミクシィは11日、同社が運営するSNS「mixi」において、2009年度下半期をめどに、招待状が不要で利用できる登録制に移行する方針を明らかにした。mixiは2008年12月、これまで18歳以上としてきた年齢制限を15歳に引き下げており、登録制の導入でさらなるユーザーを獲得する狙い。当初は2009年春の予定だった。

 11日の決算説明会でミクシィの笠原健治代表取締役社長は、mixiの登録制導入にあたっては「マイミクが0件のユーザーでも友人・知人と多様なコミュニケーションを図れる仕組みが重要」と述べ、「mixiアプリ」が多様化してユーザー同士の交流がさらに活性化した時点で慎重に登録制に移行したいと説明した。

 外部の開発者がmixi上で動作するアプリケーションを提供できるmixiアプリについては、8月にPC向け、9月にモバイル向けの正式サービスを開始する。また、同社がmixiアプリ向けに広告を配信し、1ページビュー(PV)あたり最低0.01円を開発者の報酬とする広告プログラムを9月に開始するほか、mixiアプリの課金システムも10月から提供する予定。

 笠原氏は、「mixiは5周年を迎えたが、これまでは日記が中心で、主に女性に向けたサービスとして大成功を収めた。今後の5年は40歳以上の男性や家族間、仕事の関係でも深いコミュニケーションが図れるようにサービスを多様化する」と語り、その牽引役がmixiアプリであると期待を込めた。

 2008年度(2008年4月~2009年3月)の連結決算は、売上高が120億5200万円、営業利益が37億7100万円、経常利益が37億8700万円、当期純利益が19億4600万円だった。2009年度の予想は、売上高が130億円で7.9%の増収を見込む一方、営業利益が32億円で15.1%減、経常利益が32億円で15.5%減、当期純利益が17億円で12.7%減。減益予想の要因は、mixiアプリの先行投資やプロモーション費用の増加が予想されるため。減益予想は、2006年9月の上場以来初めてだという。

 3月31日時点におけるmixiのユーザー数は1683万人。3月のPVはモバイル向けが111億PV、PC向けが42.5億PVで合計153億6000万PV。


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(増田 覚)
2009/5/11 19:45