KDDI、WiMAX/CDMAのデュアル対応データ通信端末
KDDIおよび沖縄セルラーは、WiMAX方式とCDMA方式に対応した、データ通信カード「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」を開発した。12月以降に順次発売される。
端末は、USBタイプの「DATA01」「DATA03」と、ExpressCardタイプの「DATA02」「DATA04」の2種類で、定額制と従量制の2つの料金プランによって、定額制が「DATA01」と「DATA02」、従量制が「DATA03」と「DATA04」と型番が変わる。
端末は、法人、個人のどちらでも購入可能で、年末近くに登場する予定。今回、料金プランについては詳細は明らかにされていない。12月の発売間近になってから、KDDIではあらためて発表する方針。定額制プラン、従量制プランのいずれも、WiMAXの利用料金とCDMAの利用料金を含めた、1つの専用料金プランとして用意される。
データ通信カード「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」 | 利用イメージ |
通信速度は、いずれも理論値となるが、WiMAX時に下り最大40Mbps、上り最大10Mbps、CDMA時に下り最大3.1Mbps、上り最大1.8Mbpsとなる。なお、通信環境に応じてWiMAXとCDMAが切り替わり、WiMAXエリア圏外となれば自動的にCDMA方式に、再びWiMAXエリア圏内となれば自動的にWiMAXに接続するハンドオーバー機能が搭載される。
なお、定額制プランの「DATA01」「DATA02」については、CDMA方式で大量に通信した場合、ネットワークの負荷を軽減するため、通信状況に応じて速度制限される。これは従来のKDDIのデータ通信端末と同様の仕組み。
端末にはインストーラーが内蔵されており、パソコンに接続すると自動的にドライバなどのセットアップが開始される。プロバイダーは初期設定時にはau.NETとなっており、対応プロバイダーは現時点でau.NET(月額945円)とau one net(パケットサービス利用料として月額682円、ADSLなど利用で追加料金不要)。対応プロバイダーは順次拡大される予定。
このほか、法人ユーザー向けの機能として、接続先を限定する機能が用意されている。「KDDI セキュアPCアクセス」(仮称)や「PCリモートデータ削除サービス」など、法人ソリュションとの連携機能となる。KDDIが提供するイントラネット網へ接続するリモートアクセスサービス「CPA」にも対応する。
今回発表されたデータ通信端末は、いずれも日立製作所製端末となる。日立製の携帯電話は、カシオ日立モバイルコミュニケーションズが手がけているが、今回のデータ端末については開発も含めて日立製作所が行っている。
USBタイプは、USB2.0に準拠する。対応OSはWindws XP/Vista/7(予定)、Mac OS X 10.5/10.6(予定)。サイズは、USBタイプが約28×82×12.2mmで、重さが30.2g、ExpressCardタイプが約34×105×5.1mm(最厚部15.3mm)で、重さが約34.2gとなる。端末価格はオープンプライスとなるが、2~3万円程度となる見込み。
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■法人市場をメインにデータ端末を拡充
KDDIの小林氏 |
KDDIのソリューション商品企画本部長の小林昌弘氏は、企業がパンデミックや対策に取り組まなければならない一方で、それに見合った投資が行えていない状況であると説明。そこを解決する手段としてICTが活躍するとした。
今回発表されたデータ通信端末は、「オフィスと同等の環境を実現できる高速な端末」であるとし、サービスエリアに不安のあるモバイルWiMAXを、CDMAの通信エリアが補完するものだという。
小林氏は、イントラネットへの接続や接続先限定機能など、法人需要を想定した機能をアピールしており、メインのターゲットが法人ユーザーであることをうかがわせた。KDDIのデータ通信端末は法人ユーザーを主な顧客としており、同社では法人向けのソリューションなどとともに納入していきたい考えだ。
装着イメージ | ITCソリューション全体図 | WiMAX機能を搭載したWINデータ通信端末 |
WiMAXとCDMAでの自動切換を予定 | 小型化やセキュアなアクセスなども特徴 | ビジネス向け用途も想定 |