2006年03月22日

なんかよくわかんないPSE法

 若干世間を騒がせ中のPSE法。PSE法に関して、手っ取り早い説明はココで読める。要はPSEマークが入った電気製品を買えば安心だヨ、みたいなコトなのだが、はて……。

 より安心できる電気製品が流通するための法律なのかナ~とかライトなスタンスで考えてみると、ふーん、イイんじゃない、とか一瞬思えたりする。のだが、考えれば考えるほど、ソレって困る人多いんじゃない、とも。例えば、この“PSEマーク”が入った電気製品じゃないと、売り買いできなくなっちゃうこと。

 平成13年に施行されたこの電気用品安全法の改正により、平成18年4月1日以降は、PSEマークの無い電気製品は売られなくなる。中古品なら買い取っくれる業者がいなくなる、てな感じ。猶予期間が切れるとかそーゆー関係で、モノによってけっこーその時期が変わるのだが、まあ今後の中古市場は“PSEマーク必須”というか“PSEマーク品のみの市場”となるフィーリングである。オークション売買なんかについては、業者っぽくない一般オークション参加者ならOK的なコトになってはいる。

 さておき、これによって拙者的にイヤ~ンと感じられるのは、ビンテージシンセサイザーが世の中に流通しなくなること、だった。PSEとは全然関係ない過去に製造され、ミュージシャンを始め、シンセ好きや機材野郎を至福に至らしめた銘シンセが、みんなの楽しく愉快でコーフンしちゃうシンセ市場から、実質、姿を消すことになる、と思われた。ただ、突然の対策措置により、ビンテージシンセが市場から消えるってコトにはならないハコビになった。JSPAよ、ありがとう!! とか思ったりした。

 けど、なんか、えーと。

 この法律、電気製品の安全性を確保しつつ、国家予算をなるべく使わないでコレを行うという方向のものらしい。あ、そりゃイイんじゃないスかと思ったりした。のだが、でも、しかし、実際にはこの法律により、やってけなくなる(既になった)リサイクル業者が多いらしいですな。電気製品にPSEマーク付けないとダメ。それにはもちろんコストがかかる。リサイクル業者のみならず、リース関連業者もタイヘンっぽい。あ、聞いた話ですけど、ビンテージシンセを扱う小さなショップでは、上記の対策措置が発表になる前にビンテージ機材を叩き売りして大きな損をだしたりしたそうで。

 意味わかんないスね、この法律。裏があると勘ぐりたくなる。例えば素晴らしき中古品販売店のHARD OFFなんですけど、電機業界の巨大で強烈で老獪な黒幕っぽい方が「あそこが儲かるとウチが儲からん」みたいな鶴の一声で役人がヘヘー……といった様子を妄想してしまったりして。あくまでも妄想ですが。

 一方、ウチにある古い電気製品から火が出たとか危険な思いをしたとかいう経験はなかったりする。偶然? だとしたら偶然が多発しまくりの日本国内電気製品ユーザーですな。

 あんまり深く考えたり突っ込んだりするつもりはナイんですけど、古くてもスゲく良い電気製品群を皆殺しにして、それら製品に関わる人もやっつけて、新しいマークの製品だけを売り買いさせるという、なんつーか強引かつ恐怖政治的な流れに、非常に戸惑うわけです。なんかコッソリ感アリでしょコレ。明らかに反リサイクルでしょコレ。つーか電気製品によってある部分の文化を築いてきた日本においては、反文化的なような気がするんですけど、どうなんでしょうか?

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