ニンテンドーDSの新サービス「ニンテンドーゾーン」をチェック
クーポンや駅情報など利用場所に応じた独自コンテンツも用意
6月19日、ニンテンドーDSの無線通信機能を利用した無料の新サービス「ニンテンドーゾーン」がスタートした。今回、6月20日と21日に東京都三鷹市と調布市内にあるマクドナルド、そしてつくばエクスプレスの秋葉原駅で実際に試してみた。
■ニンテンドーDSの無線通信を使って利用できる無料のサービス
ニンテンドーゾーンの紹介ページ(URL) |
ニンテンドーゾーンが開始する前の2008年5月、任天堂は「ニンテンドースポット」の実験サービスを期間限定で実施。実験サービスでは、東京都世田谷区と杉並区内にあるマクドナルド21店舗とつくばエクスプレス全駅および列車内を対象に、ニンテンドーDS用ソフトの体験版ダウンロードや各種情報を配信していた。
その後、2008年10月に開催した「Nintendo Conference(任天堂カンファレンス 2008.秋)」で、ニンテンドーゾーンを発表。発表から半年以上が経過したが、今回正式にサービスを開始したわけだ。
ニンテンドーゾーンが利用できるのは、全国のマクドナルド約3200店舗。また、つくばエクスプレスでは快速列車が停車する9駅(秋葉原/新御徒町/浅草/南千住/北千住/南流山/流山おおたかの森/守谷/つくば)のホームと改札駅前のコンコース周辺でも利用可能だ。
ニンテンドーDSシリーズは、「ニンテンドーDS」と「ニンテンドーDS Lite」、「ニンテンドーDSi」の3モデルがあるが、いずれのモデルもニンテンドーゾーンの利用が可能。ただし、最新モデル「ニンテンドーDSi」とそれ以外の2モデルでは、ニンテンドーゾーンのアクセスポイントへのアクセス方法が異なる。なお、サービスの利用には本体の無線通信機能をオンにする必要がある。
ニンテンドーDSiでは、ニンテンドーゾーンのエリア内に入ると、本体メニュー画面に「ニンテンドーゾーン」のアイコンが表示される。このアイコンをタッチすると、ニンテンドーゾーンのサービスにアクセスできる。無線LANの混雑状況にもよるが、サービスのトップ画面へのアクセスは30秒から1分程度かかったが、以降のページ間の切り替えは10秒程度で行なえた。
今回は最新ファームウェア「バージョン1.3J」を適用済みの本体を使用したため、特に問題なくニンテンドーゾーンにアクセスできたが、ファームウェアのバージョンによっては更新を促す画面が表示される。この場合、ニンテンドーゾーンから直接更新が可能で、この点は便利だと感じた。
ニンテンドーDSとニンテンドーDS Liteでは、本体メニュー画面から「DSダウンロードプレイ」を選択後に表示される、「ニンテンドーゾーンビューア」をダウンロードすることでサービスの利用が可能になる。
ニンテンドーDSiではエリアに入ると専用アイコンが自動で表示 | 初回利用時にはニンテンドーゾーンが利用可能になった旨が表示される | ニンテンドーDSおよびDS Liteでは「DSダウンロードプレイ」から利用できる |
■独自コンテンツも用意。「マックでDS」では限定キャラ配布など実施
ニンテンドーゾーンでは、利用場所を問わず利用できる共通コンテンツに加え、マクドナルド店舗とつくばエクスプレス駅で、それぞれ独自のコンテンツも用意する。このため、マクドナルドでは「マックでDS」、つくばエクスプレスでは「TXでDS」と異なる名称で、ニンテンドーゾーンを提供している。
マクドナルドでは「マックでDS」の開始を知らせる垂れ幕があった | 入り口にはステッカーも | つくばエクスプレスの秋葉原駅構内には「TXでDS」のステッカー |
共通コンテンツは、ニンテンドーDS用ソフトの体験版をダウンロードできる「DSダウンロードサービス」と、対応ソフトを使ってオンライン対戦などが可能な「ニンテンドーWi-Fiコネクション」の2種類。このうち、「ニンテンドーWi-Fiコネクション」を利用するには接続設定情報を本体側に書き込む必要がある。
設定情報を書き込んだあと、つくばエクスプレスの秋葉原駅で「マリオカートDS」のオンライン対戦を試してみたが、対戦中は通信切断や表示遅延などを感じることなく、他ユーザーとの対戦が楽しめた。
体験版をダウンロードできる「DSダウンロードサービス」 | 接続設定を登録すれば「ニンテンドーWi-Fiコネクション」も利用が可能 | 秋葉原駅で「マリオカートDS」をプレイしたが問題なく利用できた |
「マックでDS」トップ画面 |
独自コンテンツに関してだが、「マックでDS」では商品情報やクーポン、マクドナルドにちなんだクイズやコミックなどのコンテンツを用意する。また、ニンテンドーDS用ゲームの追加キャラクターを配信するコンテンツも展開。6月19日から7月17日まで配布される「ポケットモンスターダイヤモンド・パール・プラチナ」のキャラクター「ジラーチ」は、ネット環境のある自宅、そして「TXでDS」などでも入手が可能だが、今後はマクドナルド限定でのキャラクター配信も実施するという。なお、追加キャラクターの取得には、当然のことながら対応ソフトを用意する必要がある。
「マックでDS」ではこのほか、Wiiウェア用の新作ソフト「乱戦!ポケモンスクランブル」に登場する「ポケモンのおもちゃ」をクイズ形式で集めるコレクションラリーも、6月19日から7月17日まで実施する。ポケモンを8匹集めると「チーズバーガー」、16匹集めると「ビックマック」が無料でもらえるクーポンをプレゼントするなどの特典も用意している。
なお、初回設定時にはニックネームや居住地などを登録する必要もあり、コレクションラリーなどで高得点を獲得したユーザーはランキングにニックネームが表示される。登録情報は、「マックでDS」の設定画面から追って変更も可能だ。
7月17日まで実施するコレクションラリーでは、無料クーポン券ももらえる | マクドナルドの商品情報やクイズ、コミックも読める | 初回利用時にはニックネームなどを登録する必要がある |
■駅情報やニュースなどを用意する「TXでDS」。DSiウェアも購入可能
つくばエクスプレスの快速停車駅で利用できる「TXでDS」 |
つくばエクスプレスの「TXでDS」では、NTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)が運営するポータルサイト「Wi-Fine for DS」にアクセスできる。同サイトでは、つくばエクスプレス各駅の情報をはじめ、スポニチやR25から提供を受けたコンテンツや12星座占いなどが無料で利用できる。
また独自コンテンツではないが、「マックでDS」とは異なり、ニンテンドーDSiから利用できる「ニンテンドーDSiショップ」で、「ニンテンドーDSiウェア」のダウンロードも可能になっている。有料ソフトの場合は「ニンテンドーポイント」を別途用意する必要はあるが、通信費用自体は無料なため、つくばエクスプレスに乗り込む前にソフトをダウンロードして列車移動中に購入したゲームを楽しむ、といった使い方もできるだろう。
なお、「ニンテンドーDSiブラウザー」または「ニンテンドーDSブラウザー」を利用したインターネットのWebサイトへのアクセスは、公衆無線LANサービスへの契約が必要になる。対応するサービスは、マクドナルドがソフトバンクテレコムの「BBモバイルポイント」、つくばエクスプレスがNTT東日本の「フレッツ・スポット」およびNTTドコモの「Mzone」「moperaU U『公衆無線LAN』コース」と、利用可能なサービスが異なる点は注意が必要だ。
Wi-Fine for DS | つくばエクスプレスの駅情報も確認可能 | ニンテンドーDSiショップも利用できる |
■ポケモン効果? 時間帯によっては無線が混雑している場合も
以上、ニンテンドーゾーンを紹介してきたが、ニンテンドーDSiでは他の2モデルにはない「メモウィンドウ」機能も用意されている。表示中の画面を保存できる「画面メモ」に加え、手書きメモやカメラ機能を使った写真メモの3種類を用意する。ここで保存した内容はニンテンドーゾーンのエリア外でも確認可能なので、例えば画面メモ機能を使ってつくばエクスプレスの駅情報を保存して、必要に応じてチェックする使い方もあるだろう。
ニンテンドーDSiでは「メモウィンドウ」機能も用意 | メモは手書きメモと写真メモ、画面メモの3種類 | 同機能自体はニンテンドーゾーンエリア外でも利用できる |
マクドナルドではサービスが利用しにくい場合がある旨、告知の張り紙も |
今回はサービス開始最初の週末である6月20日と21日に、つくばエクスプレスの秋葉原駅に加え、マクドナルド店舗で深夜0時前後と15時前後にニンテンドーゾーンを試したが、特に15時頃のマクドナルド店舗ではニンテンドーDSを持った子どもたちを多数見かけた。
サービス開始直後で、さらにポケモンの「ジラーチ」の入手やコレクションラリーが利用できる点が影響しているのだろう。このため、店舗入り口などにもBBモバイルポイントを含めて無線LANが利用しにくい場合がある告知が張り出されていた。実際、つくばエクスプレスの秋葉原駅や深夜帯の利用時と比べ、ニンテンドーゾーンへのアクセスに時間がかかり、改めてポケモン人気を実感させられた。なお、「マックでDS」のWebサイトでも、同様にアクセス集中時にはサービスが利用しにくい場合がある旨、告知されている。
現在はマクドナルドとつくばエクスプレスの駅にエリアが限られているが、それぞれに独自コンテンツが用意されているのは面白いと感じた。特に「マックでDS」ではクーポン券も入手が可能で、コンテンツを楽しみながら特典を得られるのは嬉しい点だろう。例えば、レンタルビデオ店での割引クーポン、量販店などでのお買い得情報などが登場すると面白いかもしれない。利用場所の拡大を含めた、ニンテンドーゾーンのサービスの広がりにも今後期待したいところだ。