30日に日本テレコムとの提携が発表されたイー・アクセスのG.dmt AnnexC準拠最大8Mbpsのサービスについてお伺いしてきたのでレポートしよう。対応していただいたのは、イー・アクセス社長室 広報担当の小林秀夫氏と八木直子氏。大きな発表会の翌日でお疲れのところ、ご協力ありがとうございました。
■サービス開始の時期
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イー・アクセス株式会社 社長室広報担当 八木直子氏
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10月には始めたいと思って準備をしています。発表については、各プロバイダーさんと相談してからになるので、プロバイダーさんとのそうした調整がつき次第ということになります。来月には発表したいと思っています。8Mbpsサービスのエリアについては、都内からスタートして、年内にはすべてのエリアでサービスしたいと考えています。
■8Mbpsサービスの価格は
まだ価格については検討中で、これは当社の場合それぞれのプロバイダーさんとのお話し合いで決めることになります。ただ、So-netさんが発表された価格(月額3280円、ADSLモデムレンタル料が月額500円。NTT回線使用料がタイプ1で187円、タイプ2で2062円)をある程度意識した価格付けにはなっていくと思います。
■既存ユーザーの乗り換えは可能?
収容局側でカードを変えるのですが、既存ユーザーの方の場合はすでに回線もあるし開通確認も済んでいるわけなので、基本的には乗り換えに問題はないと思います。ただし、ADSLモデムは変更していただくことになります。
■日本テレコムとの提携で、全国でイー・アクセスが利用可能になる?
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イー・アクセス株式会社 社長室広報担当 バイスプレジデント 小林英夫氏
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日本テレコムさんは、すでに全国規模でサービスを展開していますので、そういうことが可能になる方向で検討しています。販売方法としては、イー・アクセスのエリアはここまでなので、そのほかの地域では日本テレコムさんへどうぞ、という形ではなく、イー・アクセスで申し込んでいただいたら、イー・アクセスでサービスさせていただく。インフラとしては日本テレコムさんがすでに敷設したものがあれば使わせていただいて、当社から日本テレコムさんに使用料をお支払いする、という形になると思います。
たまたまですが、いまのG.liteのサービスについては、日本テレコムさんもイー・アクセスも同じ住友電工のDSL製品を採用しているので、相互にインフラを提供し合うというのは、比較的やりやすいと思います。ただし、8MbpsサービスのG.dmt AnnexCについては、住友電工の製品を採用するかどうかは、まだわかりません。DSL機器については、両社で同じものを採用することで数がまとまり、コスト面でのメリットも今後期待できると考えています。
■8Mbpsサービスなら、局から遠くても速い速度が出る?
速度については、理論値と実際ではさまざまな条件が異なるため一概には言えないのですが、一般的には8MbpsのG.dmtの方がG.liteより高周波数帯を使用するため、距離に対する減衰が早く起きるといわれています。G.liteで1Mbpsが出ていないような場合に、G.dmtでも1Mbpsを超える可能性は低いようです。
また、日本ではISDNはすでに1000万回線を超えていますから、ISDNの干渉というのは、ことに都市部では避けられないと言ってよいと思います。ISDNの干渉がある、たとえば同一ケーブルの中にISDN回線がある場合に、同一条件で計測したならばG.dmt AnnexAよりもG.dmt AnnexCの方が、減衰が少ないということは言えると思います。
もっとも、実際のサービスでは、NTT局からの距離だけでなく、たとえば経路となる物理的な回線が太い方が良いとか、放送電波が特に強い地域であるなど、さまざまな要因で速度が変わってきますので、局からの距離だけでは一概には決められない部分もあります。ただし、やはり距離は近い方が良いのは間違いありません。
□イー・アクセス
http://www.eaccess.net/jp/
(工藤ひろえ)
2001/08/31 20:54
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