« 編集部ブログはじめます | メイン | ソフトバンク新オフィスからの眺め »

2005年05月31日

ソフトバンク孫社長のお話を聞いてきました

 本日、ソフトバンクが開催したプレス向けのイベントに出席するために、汐留へ移転したソフトバンクの新社屋に初めて行って参りました。ソフトバンクの入っている東京汐留ビルディングには、ビル共有の食堂スペースが用意されているのですが、これが25階の高さから浜離宮を見下ろしつつもお台場のフジテレビも見える絶好の景色。しかしそれにもまして豪華だったのが当日の出席陣で、日本テレコムの倉重社長やソフトバンクBBの宮川潤一常務取締役、ソフトバンクの宮内謙取締役などの重役がそろい踏み。そこにはもちろん孫正義社長の姿もありました。

 イベントは時間にして約1時間半程度でしたが、会場にはおいしい食事がたくさん用意されているのも関わらず、孫社長の周りから人だかりが絶える時間がまったくないほどの人気ぶり。せっかくの機会なので、私も側でいろいろとお話をおうかがいしてきました。公式な発表の場でないこともあり、見聞きしてきた内容はこちらで簡単にご紹介しようと思います。

 とはいっても、お話の内容はあちらこちらの発表会で話されていることとほぼ同じで、特に目新しいことがあったわけではありませんが、中心となったのはやはりというべきかNTTに関する話題。孫社長は「イコールフッティング(equal footing)」という言葉をくりかえし使って、NTTとソフトバンクの立ち位置の違いを説明していました。

 イコールフッティングとは「対等な立場や地位」という意味ですが、要はNTTとソフトバンクの間には競争上で大きな壁があるということ。光ファイバでいえばNTTは電力会社と一括契約しているから電柱を使う手続きが必要ないのに、ソフトバンクは1本1本手続きをしなければいけないし、ADSLも今だに電話回線の名義人が違うと手続きが進まないことも。さらには問い合わせ窓口の番号も、NTTは「116」という3桁番号を使えるのに、ソフトバンクは0120から始まる10桁の番号しか使えない。「社長の僕でさえ0120から始まる番号を覚えきれないのに、そんな番号じゃとても宣伝できるはずがない」と憤慨しきりです。

 孫社長の主張は「有利にして欲しいわけではなく、イコールな環境が欲しい」の一点。対等に競争できる環境さえあれば、「技術も営業力も安心感もNTTに決して劣っていないことはADSLで証明した」という自負があり、だからこそ対等な勝負の場が欲しいという強い気持ちが伝わってきました。

 何より強烈だったのは、「携帯電話事業者に、どこに新規参入されたら一番嫌かを聞いてください。間違いなくそれはウチですから」のひとこと。「新規参入に1.7GHz帯に割り当てるなら、それは競争力のある事業者でなければいけない」という言葉には徹底的な競争でADSLのコストを下げ、日本をブロードバンド大国に導いた牽引役である孫社長ならではの重みを感じました。

 携帯電話も定額制が導入されましたが、まだまだ料金は1万円近くかかってしまいますし、有限の周波数を使っているとは言え、通信速度が10倍以上のADSLやFTTHよりも月額料金ははるかに高いのが現状。「何が何でも参入する」という意気込みのソフトバンクが携帯電話事業に参入することで、通信料金も下がるといいな、と実感させられました。

投稿者 甲斐祐樹 : 2005年05月31日 22:20

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.impress.co.jp/mt/mt-tb.cgi/1106