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第179回:専用ボタンを搭載したスカイプ対応ハンドセット
バッファロー「BSKP-U202」


 バッファローから、スカイプに対応したUSB接続のハンドセット「BSKP-U202」が発売された。マイクとスピーカーの置き換え的な単純なハンドセットではなく、ハンドセットのボタン操作でスカイプを手軽に操作できる。スカイプの最新バージョン「2.0」が正式に公開されたこともあり、注目の製品と言えそうだ。





専用ボタンでスカイプを簡単に操作できる

BSKP-U202
 高い品質の音声通話を実現できるという点で大きな注目を集めているスカイプだが、個人的には、これまでテストとして利用することはあっても、日常的に利用することはあまりなかった。理由は単純で、PCのマイクやスピーカー、もしくはヘッドセットを利用した通話に違和感を感じ、どうしても慣れることができなかったからだ。このような利用環境の不便さから、スカイプを利用していないというユーザーも少なくないことだろう。

 しかし、バッファローから発売されたスカイプ用ハンドセット「BSKP-U202」を実際に利用してみて、これなら電話としても使えるのではないか、と率直に感じた。BSKP-U202は、いわゆるUSB接続のハンドセットだ。内蔵されたマイクとスピーカーによって、PCのマイクとスピーカー、もしくはヘッドセットの代わりとしてスカイプの音声通話に利用できる。

 同様のハンドセットは、比較的古くから存在したが、BSKP-U202の特徴はスカイプとの高い親和性を備えている点だ。

 付属のBSKP-U202設定ユーティリティをPCに常駐させることで、スカイプのAPIを利用して、BSKP-U202からスカイプのさまざまな機能を制御できる。たとえば、BSKP-U202の発信キーを押すと、タスクトレイに格納されていたスカイプが起動し、デスクトップにスカイプの画面が表示される。


BSKP-U202は、付属のユーティリティがスカイプのAPIを利用することで、スカイプをコントロールできる

 この状態で、「LIST」と書かれたボタンを押すとコンタクトリストが表示され、通話したい相手を選択して再び発信キーを押せば通話できる。同様に「OUT」ボタンを押して、電話番号を入力すれば、オプションサービス「スカイプアウト」を利用して固定電話や携帯電話にもかけられる。短縮ダイヤル機能も搭載しており、終了キーを長押しすれば、デスクトップに表示されたスカイプの画面を閉じてタスクトレイに格納することも可能だ。


スカイプのほとんどの機能をBSKP-U202のボタンだけで操作可能。コンタクトリストから相手を選んで通話、そして通話を終了するという一連の流れがスムーズにできる


 電話の子機や携帯電話などの電話帳から電話をかけるのと同じようなイメージで、電話をかける、通話する、通話を終了するという一連の操作ができるのは非常に便利だ。極端な話、スカイプで電話をかけるだけなら、BSKP-U202さえ接続されていれば、PCにスピーカーやマイクはもちろん、キーボードやマウスが接続されていなくても利用できるだろう。





ファンクションキーのカスタマイズも可能

 しかも、このような高機能ボタンの操作は、ユーザーによるカスタマイズにも対応している。本体上部に配置された「○」「□」「△」のファンクションキーには、標準でそれぞれ「チャットの開始」「ボイスメールを送る」「着信音設定」が割り当てられているが、このほか「リダイヤル」「保留」「ステータス変更」「ボイスメール再生」などの機能を選択できる。


BSKP-U202設定ユーティリティによって、ファンクションキーの操作をカスタマイズすることも可能。自分の使い方に合わせてより使いやすく変更できる

 どの機能を割り当てるかは使い方にもよるだろうが、スカイプをインスタントメッセンジャーとしても利用する場合は「ステータスの変更」などに割り当てておくとかなり便利だ。マウスで操作しなくても、ボタンを押すだけで手軽に自分の状態を変更できる。

 もちろん、サウンドの設定も可能となっており、スカイプのサウンドにはBSKP-U202を、通常のWindowsのサウンドはPC内蔵のサウンド機能といったように、きちんと使い分けられる。BSKP-U202からWindowsのサウンドが聞こえてきたり、スカイプの通話相手の声がPCのスピーカーから聞こえてしまうといったこともない。実際に利用してみたところ、通話品質にも問題はなかった。


サウンドデバイスの設定も可能で、スカイプとWindowsのサウンドをきちんと使い分けられる




スカイプの利用頻度によってはお買い得

 このように、BSKP-U202は、スカイプの機能をフルに活用することができる非常に多機能なハンドセットと言える。今回、公開されたばかりのスカイプ 2.0や一般的なSIPソフトフォン、MSNメッセンジャーでも利用してみたが、問題なく利用できた。ただし、スカイプ以外では専用ボタンなどが利用できないため、あくまでもマイクとスピーカーとして利用できる。

 デザインもPC向けのヘッドセットとしてはスタイリッシュといえるデザインで、専用のスタンドによってデスクの上に設置して利用することも可能だ。価格は決して安いといえるものではないが、機能を考えれば妥当ではないだろうか。

 ただし、実際に購入するかは、ひとえにスカイプの利用頻度次第だろう。筆者のようにほぼ一日中PCが起動し、PCの前で日常的にスカイプを使える環境であれば、BSKP-U202によってスカイプの利便性を高めることもできるだろう。しかし、スカイプはおろかPCも日常的に使う機会がないということになると、ここまで高機能なハンドセットは必要ないかもしれない。スカイプへの依存度が高いユーザー、もしくはこれから本格的にスカイプを使ってみたいと考えているユーザー向けの製品と言えるだろう。



URL
  BSKP-U202製品情報
  http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/b/bskp-u202/

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2006/01/10 13:06

清水理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ
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