■ 3本のアンテナにより高速な無線LAN通信を実現
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写真1:
バッファローのMIMO対応無線LANルータ「WZR-G108」。サイズはアンテナ収納時で215×177.6×47.5mm(幅×奥行×高)と、最近の製品としては大ぶり。横置き専用というのも珍しい
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現在主流の無線LANの規格は周知のとおり、最大11MbpsのIEEE 802.11b、最大54MbpsのIEEE 802.11a、IEEE 802.11gの3種類である。しかしながら、最大54MbpsのIEEE 802.11a/gであっても、実効速度は条件が良いところで20~30Mbpsといったところ。これ以上の速度を求める声も少なくない。
そこで、現在IEEEにおいて100Mbps以上のスループットを実現できる「802.11n」規格が審議中であるが、その規格において検討されているのが「MIMO(Multi Input Multi Output)」と呼ばれるものである。MIMOに関しては、こちらにまとめたが、要するに複数のアンテナから信号を送信し、複数のアンテナで受信する方式である。複数のアンテナを使った送受信であるため、スループット向上のほかに、遮蔽物などによる信号の劣化に対しても耐久性が高く、到達距離の延長にも役に立つとされている。
今回取り上げるバッファローの「WZR-G108」は、このMIMO技術を採用した無線LANルータである(写真1)。MIMOには2種類の方式がある、という話は上述の記事に述べたとおりであるが、本機はWWiSEが推進するMIMO-OFDM(多入力多出力直交周波数分割多重方式)を採用している。
本製品は背面部分に3本のアンテナを備えており、3本すべてを受信に使うほか、このうち2本を送信に利用する(写真2、3)。また、MIMOは送受信に複数のアンテナが必要となるため、当然ながらルータ側に加えてクライアント側も対応が必要となる。バッファローでは、MIMO対応の無線LANカード「WLI-CB-G108」を発売しており、こちらにも3本のアンテナを内蔵している(写真4)。なお、WZR-G108とWLI-CB-G108をセットにしたモデルとして「WZR-G108/P」もラインナップされている。
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写真2:
本製品の特徴が背面に設けられた3本のアンテナ。複数のアンテナを使ってMIMOと呼ばれる方式で送受信を行なう
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写真3:
製品の内部をのぞいてみると、基板はすべてシールドに覆われており、アンテナのみが外に出ている格好
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写真4:
MIMOはアクセスポイント側とクライアント側の両方の対応が必要になる。同社ではMIMO対応の無線LANカード「WLI-CB-G108」をリリースしているほか、本製品とのセットモデルも用意されている
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写真5:
本体上面のLED部。同社独自のAOSS用ランプが用意されるほかは、各ポートのLink/ACTなどを設けた一般的なスタイルである
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それでは、ほかの部分の外観を紹介しておこう。本体サイズは最近のルータにしてはかなり大きい印象を受けるが、レイアウトもやや特殊なのが特徴だ。まず、一般的にフロント面に備えられるLEDは、本体上面のみに配置されている(写真5)。
また、LAN、WANの各ポートは本体背面ではなく、向かって左側面に配置される(写真6)。これはアンテナを背面に備えるため致し方ないレイアウトといえるが、ACアダプタの接続口を本体前面寄りに配置した点だけは使い勝手の悪さを否定できない。このほか、背面には3本のアンテナ以外に設定初期化と同社独自の無線LAN設定機能である「AOSS」を兼ねるスイッチが用意されている(写真7)。
すべてのレイアウトは横置きを前提にしており、縦置きは初めから考えていないようだ。このあたりは従来のバッファローの製品とちょっと芸風が異なっている気がする。付属品としては、ACアダプタ(写真8)のほか、マニュアルやドライバ類を収録したCD-ROM、「らくらくセットアップシート」と呼ばれる設定ガイドなどが用意される。
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写真6:
本体左側面にポートが用意される独特のレイアウト。ACアダプタの接続口もここに設けられている
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写真7:
背面にはスイッチが1つ用意される。これは設定初期化とAOSSの設定スイッチを兼ねている。機能は長押しの時間によって判別されている
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写真8:
付属のACアダプタは小ぶりで、ACケーブルとは分離するタイプ
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■ 特別な設定なくMIMOの利用が可能
続いて、ルータの設定について触れたいが、これについては従来のバッファロー製品と大きく変わらない印象だ。付属のCD-ROMに収録される「エアステーション設定」を利用すれば、ネットワーク内のルータを検出し、設定画面を呼び出せるようデスクトップ上に設定画面へのショートカットを作ってくれる。このショートカットはデフォルトでは「http://192.168.11.1/」に設定され、LAN側ネットワークはDHCPにより自動的にIPアドレスが割り振られる(画面1、2)。
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画面1:
付属のCD-ROMをセットするとオートランで起動する画面。オンラインマニュアルや無線LANカードのドライバ、ルータの初期設定などを行なうメニューが表示される
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画面2:
ルータの各種設定はWebブラウザで行なう。トップ画面からWAN側接続の設定ウィザードを実行できるほか、「アドバンスト」設定でさらに詳細な設定を行なえる
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WAN側の設定は、設定画面のトップページに用意されたウィザード形式で行なえるほか、[アドバンスト]設定画面において細かいパラメータも用意される。本製品のWAN側設定は固定IP/PPPoE/DHCPのほか、IP Unnumberedに対応する。以前の製品から同様のメニューになっているが、WAN側IPアドレスやPPPoE接続先設定と、DNSやデフォルトゲートウェイの設定が別画面に用意されているのがわかりにくい印象を受けた(画面3~5)。慣れれば、両方の画面に目を向けるようにはなるが、できれば1画面で設定できるほうが設定忘れを防ぐこともでき好ましいように思われる。
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画面3:
WAN側ポート設定の画面。対応する接続方法は固定IP/DHCP/PPPoE、そしてIP Unnumberedだ。PPPoEの詳細な設定は、この画面の下部から呼び出せるポップアップ画面から行なう
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画面4:
PPPoEの設定画面。キープアライブやMTU設定など、主だった機能を有している
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画面5:
DNSやゲートウェイなどを設定したい場合は、WAN側ネットワーク設定を呼び出して行なう
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LAN側の設定は主に2画面。1つはLAN側IPアドレスの設定やDHCPサーバーの簡易的な設定が用意された画面(画面6)。もう1つは、DHCPサーバーの詳細な設定画面で、こちらからは割り当てる範囲に加えて、割り当て先へ提供するパラメータの設定も行なえる(画面7)。なお、無線LANに関する設定も本製品ではLAN側設定として一括されているが、こちらについては後述する。
さて、NATやIPフィルタリングの設定に関してはごく標準的だ。NATはすべてのパケットを指定したクライアントへ転送するDMZ機能に加え、WAN/LAN側のIPアドレスやポートを設定できる詳細なアドレス変換設定も用意される(画面8、9)。
IPフィルタリングの設定については、NetBIOSなど基本的な設定をチェックボックスで施せる「簡易ルール」のほか、IN/OUTそれぞれのパケットを判別して無視または通過させる詳細な設定方法が用意される(画面10、11)。
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画面6:
LANポート設定の画面では、LAN側IPアドレス、DHCPの割り当て台数といった基本的な設定を行なう
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画面7:
DHCPサーバーに関しては別画面が用意されており、こちらでリースする情報や時間など詳細な設定ができるようになっている
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画面8:
NATの設定。DMZ機能はネットワークを分離せず全パケットを転送する機能。詳細なアドレス変換はポップアップ画面から行なう
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画面9:
アドレス変換テーブルを指定するポップアップ画面。パケットの方向や双方のIPアドレス/ポートを指定できる、わりと充実した機能だ
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画面10:
IPフィルタリングの画面では、基本的な設定を行なう簡易ルールのほか、IPアドレス/ポートによるフィルタ、MACアドレスによるフィルタ設定が行なえる
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画面11:
これはポップアップで表示されるIPアドレス/ポートによるフィルタ設定画面
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画面12:
同社が提供する「BUFFALOコンテンツフィルタ」の設定画面。ここから、サーバー上の管理画面やレポート表示画面へリンクされている
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このあたりまでは、従来の同社製品とまったく同じといって良い画面であり、目新しさはない。ただ、同社の最近の製品で搭載される「コンテンツフィルタ」という機能については、ご存じない方も少なくないだろう。この機能は簡単にいえば、閲覧可能なWebサイトを制限するもので、子供がいる家庭でアダルトサイトを見られなくするなどの環境を作ることができる(画面12)。
本機能の特徴的な点は、制限対象のURLをインターネット上のサーバーに用意している点で、ユーザーサイドでは「アダルト」「タバコ・アルコール」などにカテゴライズされた項目から、禁止したいカテゴリを選択するだけで良いという点だ。ただし、継続利用は有償となる点には注意が必要で、閲覧したURLのレポート機能を利用するか否かでも価格が変わってくる。詳しくは同社の専用ページを参照されたい。
近いところでは、OCNが同種のサービスを開始しているように、フィルタするURLをサーバー側において管理する方法のコンテンツフィルタが増えはじめているが、ルータやソフト側でコンテンツフィルタを有効にしておくだけでユーザーにとってある程度安全な環境が作れるのは大きなメリットだろう。もちろん、もはやPCの必需品ともいえるブロードバンドルータ上に、この種のサービスへ誘導する機能が持たせるのは歓迎すべき傾向といって良い。
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画面13:
無線LANの設定画面。チャネルの指定やESS-IDの設定など、ごく標準的な項目のみで、MIMOに特化した設定項目は用意されていない
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さて、ここからは無線LANの設定を紹介していきたい。本製品はMIMOに対応する点が最大の特徴なのだが、設定画面では特に設定するパラメータはない。無線LANの設定画面ではESS-IDや使用するチャネルなど、4項目が用意されているだけだ(画面13)。このほかにはMACアドレスフィルタリングや、WEPなどのセキュリティ設定画面が用意されている程度となっている(画面14)。
それでは、クライアント側でMIMOの設定を行なう必要があるかといえば、その必要はない。クライアントユーティリティには「クライアントマネージャ2」が提供されるが、ここから本製品へと接続すれば、それだけで54Mbpsを超える通信速度で接続が可能となる(画面15)。MIMOは基本的にはIEEE 802.11gのプロトコルをベースに、複数のアンテナで送受信を行なうよう拡張した機能であり、アクセスポイント・クライアントの双方のファームウェアレベルで通信対応が可能なようだ。
ちなみに、クライアント側のドライバに用意される「Enhanced Rates」というパラメータをオフに設定すると最大54Mbps接続へと制限される(画面16)が、ここがオンのままでもMIMOに対応しないIEEE 802.11g対応アクセスポイントへの接続は可能だった。この従来規格との互換性の高さもMIMOの1つの魅力といえそうだ。
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画面14:
無線LANのセキュリティ設定。64/128ビットのWEP、AES/TKIPのWPAに対応する
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画面15:
クライアント側「クライアントマネージャ2」。AP検索などの機能に加え、接続先に応じてブラウザのホームページや使用するプリンタを切り替えるなど、ネットワーク切り替えユーティリティ的な機能も一部有している
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画面16:
ドライバ内のEnhanced RatesをオンにすることでMIMOに対応させられる。オンの状態でもIEEE 802.11b/g接続は可能なので、オフにする必要性はほとんどないだろう
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■ MIMOは11gの倍に近いスループットを計測
それでは、スループットのテストを実施していきたい。環境は図1と表1に示したとおりで、本連載で前回行なったテストとほぼ同様だ。なお、無線LANのテストにはエプソンダイレクトの「Endevor NT7200Pro」を使用している。
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図1:テスト環境
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表1:テスト環境
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サーバー |
クライアント |
クライアント-ノートPC |
エプソンダイレクト
Endevor NT7200Pro |
CPU |
Pentium4 550 |
Pentium 4 3.20E GHz |
PentiumM 765 |
マザーボード |
Intel D925XCV |
ASUSTeK P4C800 |
N/A |
メモリ |
PC4300 DDR2 SDRAM 1GB |
PC3200 DDR SDRAM 1GB |
DDR SDRAM 512MB |
HDD |
Seagate Barracuda 7200.7(ST3120026AS) |
Seagate Barracuda 7200.7(ST3120026AS) |
80MB HDD(Ultra ATA/100) |
LANカード |
Marvell Yokun(88E8050) |
Intel 21143搭載LANカード |
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OS |
Windows XP Professional 日本語版+SP2(IIS 5.1) |
Fedora Core3(Kernel 2.6.10-1.770FC3) |
Windows XP Professional 日本語版+SP2(IIS 5.1) |
Windows XP Home Edition 日本語版+SP2(AN HTTPD,TinyFTPD) |
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さて、今回サーバー側に2種類のOSを使ってテストを行なっている。この理由だが、まず表2に示したのがWindowsサーバーにおけるスループット値の結果で、最大で45Mbps弱となっている。
本製品が公称しているFTP転送のスループットは97Mbpsであり、あまりに奮わないため、Linuxサーバーを構築して再テストを行なった結果が表3だ。こちらは、90Mbps弱の結果になっており、環境がボトルネックになったと思われる結果である。環境には依存するものの、公称値に近いポテンシャルは持っているようである。なお、上りはやや遅めで、40Mbps強程度となっている。
表2:計測結果(有線LAN、Windowsサーバー)
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プロトコル |
転送条件 |
速度(Mbps) |
直結状態 |
ftp |
サーバー → クライアント |
73.60 |
クライアント → サーバー |
77.87 |
http |
サーバー → クライアント |
73.33 |
クライアント → サーバー |
77.33 |
バッファロー
WZR-G108 |
ftp |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
44.27 |
パケットフィルタリングあり |
44.53 |
パケットフィルタリング+NAT |
42.40 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
40.27 |
NAT+パケットフィルタリング |
39.73 |
http |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
44.00 |
パケットフィルタリングあり |
42.67 |
パケットフィルタリング+NAT |
42.40 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
41.81 |
NAT+パケットフィルタリング |
41.41 |
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表3:計測結果(有線LAN、Linuxサーバー)
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プロトコル |
転送条件 |
速度(Mbps) |
直結状態 |
ftp |
サーバー → クライアント |
79.49 |
クライアント → サーバー |
89.33 |
http |
サーバー → クライアント |
79.33 |
クライアント → サーバー |
89.60 |
バッファロー
WZR-G108 |
ftp |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
88.53 |
パケットフィルタリングあり |
89.07 |
パケットフィルタリング+NAT |
88.29 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
41.60 |
NAT+パケットフィルタリング |
40.72 |
http |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
87.73 |
パケットフィルタリングあり |
88.27 |
パケットフィルタリング+NAT |
88.00 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
41.81 |
NAT+パケットフィルタリング |
43.01 |
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さて、本製品の目玉であるMIMOの性能だが、これは表4に示したとおりで、倍には届かないものの、それに近いパフォーマンスを見せている。ちなみにIEEE 802.11gのテストは上述した「Enhanced Rates」のパラメータをオフにしてテストしたものだが、こちらは17Mbps前後と、IEEE 802.11gとして見ても標準的かやや遅い部類の結果に留まっている。
表4:計測結果(無線LAN)
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MIMO(Mbps) |
802.11g(Mbps) |
802.11b(Mbps) |
ftp |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
33.50 |
17.60 |
5.48 |
パケットフィルタリングあり |
33.89 |
17.57 |
5.45 |
パケットフィルタリング+NAT |
32.30 |
17.28 |
5.32 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
32.59 |
16.00 |
4.94 |
NAT+パケットフィルタリング |
32.98 |
14.72 |
5.07 |
http |
サーバー →
クライアント |
パケットフィルタリングなし |
31.10 |
16.64 |
5.61 |
パケットフィルタリングあり |
32.78 |
17.60 |
5.59 |
パケットフィルタリング+NAT |
31.30 |
17.28 |
5.51 |
クライアント →
サーバー |
NATあり |
31.44 |
15.04 |
5.04 |
NAT+パケットフィルタリング |
30.53 |
14.75 |
4.83 |
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PPPoE接続時のスループットは(表5)に示している。回線はNTT東日本のBフレッツ・ニューファミリープラン、プロバイダはBB.exciteである。計測結果としてはそれほど優秀な成績とはいえないが、これは回線やプロバイダーの影響もあるので1つの参考として見ていただければ幸いだ。
表5:計測結果(WAN)
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平均値(Mbps) |
最大値(Mbps) |
フレッツ・スクウェア |
34.32 |
36.55 |
Speed.RBBToday |
Download |
36.84 |
37.27 |
Upload |
5.50 |
5.72 |
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最後に無線LANの到達距離試験を実施している。このテストは図2に示した家屋内で、5つのポイントにおける無線LANスループットを見たものだ。ここで注目したいのが、MIMOを使った場合とIEEE 802.11gの場合における転送速度の低下率だ。IEEE 802.11gのE地点におけるスループットはA地点に対して約72.5%。一方のMIMOは88%程度に留まっており、複数のアンテナを使った転送が到達距離に対しても有効に働いているようである。
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図2:到達距離テスト環境
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表6:計測結果(到達距離テスト)
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MIMO(Mbps) |
802.11g(Mbps) |
802.11b(Mbps) |
A地点(約0.5m) |
33.50 |
17.60 |
5.48 |
B地点(約3m) |
31.01 |
16.86 |
5.54 |
C地点(約7m) |
30.91 |
16.93 |
5.54 |
D地点(約6m) |
30.24 |
14.88 |
4.88 |
E地点(約13m) |
29.47 |
12.77 |
4.49 |
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■ やや高価だがそれだけの価値がある製品
以上のとおり、本製品を試用してきた。気になるのは、ルータ単品の標準価格が30,975円、無線LANカードとのセットが38,640円と、IEEE 802.11g対応ルータよりもやや高価な価格設定となっている点だ。ただ、現在無線LANを構築している人で、スループットの向上を求む人や、到達距離に不満のある人が、その環境を改めるにあたって効果的な製品なのは間違いない。そのための投資と考えれば、コストパフォーマンスは悪くない。
このような買い替え用途もありだし、設定方法も簡便さを売りとした同社製品を踏襲しているので初心者にも安心。誰に相談されても現時点でもっともお勧めしやすい無線LANルータの1つといえる製品だ。
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■ URL
製品情報
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/network/wzr-g108/index.html
バッファロー
http://www.buffalo.jp/
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2005/04/14 10:58
槻ノ木 隆 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。 |
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