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前回は無料で楽しめるコンテンツを紹介したが、クオリティの高いコンテンツはやはり有料のものが圧倒的に多い。今回は有料コンテンツで気になる料金や支払い方法にも着目しつつ、独特のコンテンツを中心に配信サービスを行なう「カテゴリ系」サイトを紹介する。
http://www.tokusatsu.jp/
「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」「宇宙刑事シリーズ」といった特撮ヒーローの作品を配信するサイト。コンテンツは時期によって入れ替わり、現在は「人造人間キカイダー」全43話、「宇宙刑事シリーズ」の各シリーズ5話の計15話とそのダイジェスト、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」をベースにした米国向け作品「パワーレンジャー」などが楽しめる。月額料金は500円で、これらのコンテンツがすべて視聴可能。また、劇場公開された特別作品も用意されており、こちらは月額料金に加えて1作品ごと200円で視聴できる。
面白いのは「S-M-F（Short Movie File） Collection」というコンテンツ。これは1分程度の特撮ヒーロー変身シーンを自分のパソコンにダウンロードして何回でも視聴できるというものだ。特撮ヒーローは「秘密戦隊ゴレンジャー」「仮面ライダーV3」「人造人間キカイダー」「宇宙刑事ギャバン」などの主役はもちろんのこと、「ライダーマン」「ハカイダー」といった名脇役の変身シーンも用意。料金は1作品につき100円で、視聴期間は無期限。東映特撮BB退会後も1年間は視聴できるという。
東映特撮BBの視聴には「アクセスチケットシステム」という専用のソフトウェアをインストールする必要がある。これはコンテンツ保護や視聴料金の管理を行なうためのツールで、東映特撮BBの会員は1台のパソコンを会員用パソコンとして指定、これ以外のパソコンからは東映特撮BBを利用することができない。
決済方法はクレジットカードのほか、プリペイドカードの「Webmoney」、@nifty、DIONのプロバイダー課金にも対応しており、料金支払い面での敷居はそれほど高くない。配信帯域は350kbps程度だが、月額料金のみでほとんどの作品が見られるのは非常にわかりやすい。何にもまして「特撮ヒーロー」というジャンルは見る人によっては非常に魅力的なコンテンツといえる。
関連記事：東映、特撮ヒーロー作品を配信する「東映特撮BB」
http://www.111.tv/
KDDIが運営する動画配信サイト。コンテンツの編成・配信や課金などをKDDI自らが行なうほか、テレビやビデオなどでは十分に流通できなかったようなニッチコンテンツも積極的に配信するという。そのテーマに違わず、「デジタルハリウッド」の卒業制作展「デジタルフロンティア・グランプリ」優秀作品の配信、一般クリエイターの映像作品配信などを定期的に行なっているほか、オリジナルドラマの配信の製作、配信も行なっている。
オリジナルの映像作品配信としては、今年始めに新山千春が主演した映画「6週間 プライヴェート モーメント」を劇場公開中に配信。その後も同作品の監督がプロデュースした映画「サクラ咲く頃に」、ドラマ「FROGS」などを配信している。さらには無料コンテンツで紹介した「ルミネtheよしもと」で、中川家や雨上がり決死隊など人気タレントが出演する「7じ9じ」を有料でオンデマンド配信、毎週3～6組のお笑い芸人のコントや漫才を楽しむこともできる。
111.tvの視聴には会員登録の必要がない無料の作品、会員登録のみで視聴できる無料の作品、「レギュラーコース」などコースごとに料金を支払う作品の3種類を用意。料金コースは幅広いジャンルから毎月10作品以上の新着作品が視聴できる「レギュラーコース」が300円、「こだわり映画コース」が500円など。配信帯域は56kbpsと256kbpsで、どのような環境でも視聴できる帯域に設定されている。また、個人的な感想になるが、「ルミネtheよしもと」のようなお笑いコンテンツでは、画面よりもトークの内容が重要であるため、インターネットでほかの事をしながらお笑い芸人を楽しめる「ながら視聴」といった楽しみ方もできると感じた。
東京・新宿で行なわれている「ルミネtheよしもと」は非常に人気の高い劇場で、「7じ9じ」では出演するお笑い芸人によってチケットが入手困難なこともままある。家にいながらも好きなときに好きなお笑い芸人を楽しめる111.tvは、お笑い好きにはオススメのWebサイトだ。
関連記事：111.tv、オリジナルドラマ「FROGS」を配信
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バンダイチャンネル
バンダイ、サンライズ、バンダイビジュアル、バンダイネットワークスの4社が共同で設立した「バンダイチャンネル」。10月1日より「機動戦士ガンダム」をはじめとした人気テレビアニメを配信している。コンテンツの配信は実際には提携プロバイダーを通じて行なわれており、プロバイダーによってラインナップは大きく異なる。
そのためバンダイチャンネルの役割というのは提携プロバイダーを通じて配信しているコンテンツをすべて網羅、検索できるというカタログ的存在という位置付けになる。会員登録を行なうことでユーザーごとに異なるお勧めのコンテンツを表示させる、登録したIDカードにバンダイチャンネルの好きなキャラクターを設定できるといったカスタマイズが可能なほか、バンダイチャンネルの最新コンテンツ情報をメールで受け取ることができる。
バンダイチャンネルの魅力は何といってもそのタイトル数。サービスを開始した10月1日の時点から「機動戦士Zガンダム」「装甲騎兵ボトムズ」「重戦機エルガイム」などの人気アニメ全話を配信するほか、劇場版「機動戦士ガンダムI・II・III」については公開当時の作品と、声優が声を入れ直したDVD版の両方を用意するという充実ぶり。ただし、コンテンツの購入は各プロバイダーごとに行ない、配信帯域などもプロバイダーごとに異なるので、まずは気に入ったコンテンツをバンダイチャンネルで検索、その後対応プロバイダーでコンテンツを購入することになる。
視聴料金はテレビアニメ1話が100円程度、映画作品が1話300円程度で、数話の作品をセットにしたパック料金も用意されている。また、NTT東日本および西日本のフレッツシリーズを利用するユーザー向けには、現在テレビ放映中の「機動戦士ガンダムSEED」を放映日翌日から1週間「フレッツ・スクウェア」内で配信。フレッツユーザーは無料で好きな時にガンダムSEEDを楽しむことができる。ガンダムSEEDはテレビ放映日の翌日となる日曜日には更新されるので、見逃しのないよう注意が必要だ。
ガンダム関連作品はインターネットでは非常に人気が高く、Broadband Watchでもガンダムの名を冠した記事は常に高アクセスを記録する。さまざまなコンテンツ配信サービスが権利処理など難題を抱えている現状で、これだけの人気コンテンツをサービス開始当初から大量に配信しているバンダイチャンネルには一ユーザーとしても大きな拍手を送りたい。
関連記事：バンダイ、劇場版ガンダムなど人気アニメ約400話を配信
http://bbmember.rivals.co.jp/
スポーツを中心としたコンテンツを配信するWebサイト。中でも強力なタイトルは、セリエAの試合映像を前後半通じてフル視聴できる「セリエAプレミアム」だ。ブロードバンドライバルズを運営するライバルズは、イタリアのスポーツマーケティング会社であるMP Webから、イタリアプロサッカーリーグのハイライトおよび試合中継を日本で独占的にインターネット配信する権利を2001年10月に取得。セリエAのハイライト映像のみを視聴できる「セリエAハイライト」は多くのプロバイダーを通じて配信されているが、前後半の試合をすべて視聴できる「セリエAプレミアム」は、ブロードバンドライバルズを含めごくわずかなプロバイダーでのみ視聴することができるコンテンツだ。
コンテンツを視聴する場合は視聴したいコンテンツごとに申し込みを行なう。料金は「セリエAプレミアム」の月額500円をはじめ、ほとんどが300～500円で収まる程度。決済方法はクレジットカードのほか、Webmoney、＠Ca、＠Quoといったプリペイドカードにも対応する。
セリエAプレミアムでは、毎節3～7試合の映像をオンデマンドで配信。映像には中継音声が入らないため、選手のプレイに集中して視聴することができる。配信帯域は256kbps、500kbps、1Mbpsの3種類が用意され、視聴する場合は専用のWebブラウザが立ち上がる。ブラウザのサイズは固定されているため最大化などはできないが、画面のクオリティと大きさの兼ね合いを図った大きさという感覚だ。 セリエAの試合はその多くが衛星放送やCS放送などで行なわれ、それぞれ視聴料金や機器を揃えることを考えるとかなりの費用を捻出しなければならない。ブロードバンドライバルズでは生中継こそされないものの、毎節のホームゲームを手軽な料金で視聴できるうえ、好きな時間に見られるのが大きなメリット。プリペイドカードでの購入もできるので、サッカーファンにはぜひ試してもらいたいコンテンツだ。
関連記事：ライバルズ、サッカーセリエAの独占的インターネット配信権取得
http://www.morrich.com/
ソニー・ニュージックエンターテインメント（SME）が運営する動画配信サイト。所属アーティストのビデオクリップや密着インタビューなど、音楽コンテンツを中心に配信するほか、アニメーションなども多く取り揃える。コンテンツは会員登録せずに無料で視聴できる「MORRICH」と、無料の会員登録を済ませた上で、コンテンツごとに料金を支払う「MORRICH CLUB」の2種類がを用意。無料の「MORRICH」では、所属アーティストによるオリジナル番組やプロモーション映像などが中心で、時折行なわれる所属アーティストによるサイトジャックでは、ビデオクリップ、ライブ映像といった普段は有料のコンテンツ、DVDなどに収録された未公開映像なども視聴できることがある。
一方の「MORRICH CLUB」では、無料の会員登録に加え、コンテンツ購入のためにソニーが提供するオンライン決済サービス「Smash」に加入する必要がある。なお、Smashでの決済はクレジットカードのみ。コンテンツの配信帯域は「MORRICH」「MORRICH CLUB」共通して500Mbpsで、視聴にはWindows Media Playerを組み込んだ専用ブラウザを利用する。こちらも画面の最大化などはできないが、専用ブラウザのサイズは最大化されているためデスクトップ画面などが目に入らず、コンテンツの雰囲気を損なわない仕様になっている。
配信帯域が500kbpsというのは、ブロードバンド環境が整っているユーザーには物足りないイメージもあるだろうが、MORRICH専用ブラウザのおかげで、画面の小ささなどはそれほど感じずにコンテンツを楽しむことができる。音楽アーティストの作品、ライブ映像などをインターネット配信という流れはここ最近増えつつあるものの、これほど大量のコンテンツをオンデマンド形式で一挙に用意している配信サイトはなかなかない。 これまで配信してきた作品も世界に名だたるマイケル・ジャクソンをはじめとして、浜田省吾、矢野顕子といった大物アーティスト、ゴスペラーズ、平井堅、SAYAKAなどブレイク中のアーティストまで幅広く取り揃える。また、最近ではユニコーンのライブ映像を1曲につき66円という価格破壊的な料金での配信も行なっている。月額料金も必要なく、視聴したいコンテンツだけ料金を払えばよいので、ブロードバンドコンテンツを楽しむきっかけとしても良いのではないだろうか。
関連記事：MORRICH、ユニコーンのDVD未収録ライブ映像を配信
（2002/12/26） |
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