読者の方は“掲示板での実況”という文化をご存じでしょうか? これはテレビ番組を見ながら、めいめい好き勝手に掲示板に書き込んでいくという行為。日本最大級の掲示板「2ちゃんねる」にも「実況ch」が用意されていて、テレビ局別に「板」、番組ごとに「スレッド」が立てられています。
自分が参加するスレッドでは他人も同じ番組を見ているため、スレッドへの書き込みに統一感があるのが特徴的。そのスレッドのみでの一体感や、“同じ番組を見る≒嗜好が似ている”ために共通の話題で盛り上がるといった副次的な楽しさもあって、実況にハマっていく人も多いです。もちろん筆者もその1人。今回は、実況民の実態の一例をご覧いただきたいと思います。
■ 縦1,200ドットで追いつかない実況スピード
現在使用しているディスプレイは、1,920×1,200ドット(WUXGA)表示に対応した25.5型ワイド液晶の三菱電機「RDT261WH」。それまでは19型CRTで1,600×1,200ドット(UXGA)だったので、縦の解像度は変わらず、ログ表示量が重要な実況環境としてはあまり変化はありません。ただし、フルHD(High Definition)解像度(1,920×1,080ドット)が表示できるようになったため、DVD/HDDレコーダからHDMI→DVI-D変換で接続したり、Xbox 360を「VGA HDケーブル」で接続したりと、ゲーム/AV環境は一変しました。
筆者の実況歴は5年近いですが、当初は実況という文化がまだあまり広がっておらず、30分番組で3,000レスも付けば多いほうでした。そのためログ表示に必要な縦の解像度もそれほど必要なく、レスも余裕を持って付けられるぐらいの速度でした。
しかし昨今では、(実況に向いた)人気番組や話題の放送には、1分間で1,000レス以上の書き込みが集まることもあり、なかなかログを追えない状況になりつつあります。この状況を打破するには、2,560×1,600ドット(WQXGA)をピボット表示で縦2,560ドットにするのが最強かな、と感じていますが、30型のワイド液晶を縦にして使うというのも首が疲れそうです。ということで、筆者は実況に使用するブラウザと、補助用のブラウザの2つを使っています。
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実況中のデスクトップ
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実況に使用するのは2ちゃんねる専用ブラウザの「Live2ch」で、2003年の窓の杜大賞も受賞している有名なソフトです。メインとして使用する理由としては、書き込みウィンドウが常に表示、自動でログのリロード/スクロールを行なう、アスキーアート(AA)の入力支援(書き込みボックスで「Ctrl + Space」と簡単)、スレッドに貼られたJPEG画像やYouTube/Stage6動画のポップアップ機能など、実況に役立つ機能が網羅された、その名の通り“実況向け”ブラウザであるからです。不満点があるとすれば、ログ容量が大きな時に表示まで時間がかかるという点ですが、“実況用”という位置づけとしては、その欠点を補って余りある機能を持っています。
補助用は、「JaneDoeView」という多機能型の2ちゃんねるブラウザ。こちらは、他の板をLive2chのログと同時に見る場合や、後でログを読みたいスレッドの取得に活躍してくれます。実況が必要ない掲示板の閲覧に利用しているのもこちらです。
JaneDoeViewの機能は非常に多彩で、掲示板を見ることに関して必要な機能はほぼ揃っています。スレッドからの検索や抽出、画像などのポップアップ機能(モザイク対応)、ログの置換表示(筆者はStage6のリンクを動画への直リンクに変換したりしています)など便利な機能が満載です。加えて、ログ取得が高速なのでストレスが無く、常用するのに適しています。
■ ブラウザは「タブ下段表示」が必須
Windows起動直後のデスクトップはがら~んとしています。基本的にデスクトップのアイコンは「マイ コンピュータ」「マイ ネットワーク」「ごみ箱」の3つという状況。アプリケーションランチャーはWindowsが標準でタスクバーに用意している「クイック起動」と、普段は自動で隠れてマウスが近づくと現われる「Special Launch 4」を右下に配置して併用。マウスが左側にある時はクイック起動、右側にあるときはSpecial Launch 4という、我ながら意味不明な使い方になっています。
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起動時のデスクトップ
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愛用のWebブラウザは「MDIBrowser」で、数年前にソフトウェアの更新は終了しています。ブラウザはタブブラウザの便利さを知ってから、IEコンポーネントのタブブラウザを常用してきました。古くはDonaから始まり、Moon、Cuam、Donut(初代)、fub、Bugなどを使ってきましたが、最終的にMDIBrowserに落ち着きました。
個人的には、Cuamを利用していた期間が非常に長く、タブを下段に表示できるものでないと違和感があるために、タブ下段表示のオプションが必須という特殊な選び方をしていました。最新のブラウザに比べると機能面で劣るMDIBrowserですが、Cuamばりのカスタマイズ性や、Scriptによる機能追加など、筆者には必要十分な機能を備えています。
一方で、コンポーネントを使われているInternet ExplorerもVer.7からタブ機能が実装されましたが、東芝製レコーダのネットワーク機能の認証で失敗するため使えません。代替策としてレコーダにも使えるOperaやFirefoxを利用するという手もありますが、結局、いずれもタブを下段に表示できなかったので導入を見送っています。Operaはタブの下段表示ができるようですが、ブラウザの導入時期には設定方法を知りませんでした。
編集部注:最新のOperaでは、「ツール」「外観の設定」の「パネル」タブからタブの下段表示が設定できます。 |
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愛用の「MDIBrowser」。すでに開発は終了
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ブラウザと合わせて利用しているのが、ローカルプロキシとしてWebページのフィルタリングを行なう「Proxomitron」。作者のScottさんの訃報を聞いたときはショックでした。ダイヤルアップ時代に“重い”バナーを消してくれたり、ブラウザクラッシャーと呼ばれるサイトをフィルタで防いだりと、これまでの貢献度は非常に高く、今でも愛用しています。
■ ThunderbirdがRSSリーダー代わり。ファイル管理はエクスプローラで
メーラーはVer.1の頃から「Becky! Internet Mail」、WebメールはYahoo!メール、GoogleのGmailの2つを利用しています。メールクライアントは、Outlook Expressが個人的に使いづらかったのと、Becky!を試してみてすぐに慣れたことに加え、筆者の利用範囲ではこれまで一度も不正終了に遭遇していないからです。職場ではBecky!に学習型スパムフィルタの「深海魚フィルター」を組み合わせて利用。Yahoo!メールは閲覧用iアプリが用意されているのが便利です。
ネットワーク系では、メールクライアントの「Mozilla Thunderbird」をRSSリーダー専用として割り切って使用。このほか、FTPクライアント「FFFTP」、ダウンロード支援ソフト「Irvine」、Gyao閲覧支援ソフト「GExplorer」などを使っています。
FFFTPとIrvine(旧版はIria)の2つはダイヤルアップ時代からの愛用ソフト。マザーボードメーカーのFTPサイトからBIOSを落としたり、サイズの大きなファイルを落としたりする時にレジュームが効くソフトとして重宝し、常時接続となった今も利用しています。
ファイル管理はWindows標準のエクスプローラを使っています。デスクトップにショートカットを置かないのは、視覚的にフォルダ構造が見られるエクスプローラが気に入っているからです。
テキストエディタは、前の職場で使ったPCにインストールされていた「EmEditor」が使いやすかったため現在も利用中。ファイルを開くのもエクスプローラのインターフェイスが付いているので、筆者には非常に理にかなったソフトです。同じ理由で、メディアプレーヤーもエクスプローラ付きの「KbMedia Player」を長年愛用しています。対応フォーマットが非常に豊富なことも理由の1つです。
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エクスプローラ付きのエディタ「EmEditor」
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エクスプローラ付きのメディアプレーヤー「KbMedia Player」
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■ 実況的には不満も、PC的には満足
以上、実況民のデスクトップの実態を紹介してきました。改めてまとめてみると、現状の課題は実況ログを追える表示能力という“ハードの部分”。実況に慣れていくにつれて、テレビ番組の内容を把握しながら実況ログを読めるようになっていた自分が、いつの間にか2つの専用ブラウザを同時利用する手段を採っていて、人気番組でログを追うのはもはや不可能と悟っていました。
それでも、今以上の表示環境を用意するのはちょっと大変な気がしますし、通常のPC利用におけるWUXGAは十分な環境だと感じています。ただ、人間の慣れというのは恐ろしいもので、「美人は三日で飽きる」ではないですが、25.5型の大きさにもすぐに慣れてしまっていて、もっと大きな解像度のディスプレイが欲しくなりそうな予感も……。
■ ヤーパン実況隊員の利用ソフト・サービス
2007/02/16 11:24
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ヤーパン実況隊員 スポーツ、アニメ、特撮、ゲームを手広くつまんでいる“逸般人”。プロ野球・アニメ・特撮の実況が生活の一部に組み込まれ、2007年はMLB実況をさらに強化する見込み |
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