INTERNET Watchの連載「マンスリー・チャイナネット事件簿」やケータイWatchの「本日の一品」、そのほかにもIT系雑誌などで、中国のIT事情について執筆している山谷です。今回は外出先などで利用するモバイルノートのデスクトップを紹介します。
■ よく使うビューワー系ソフトをデスクトップに
本体はVAIO TypeUの初代モデル。キーボードレスの本体がなにか最先端な印象を与えるあのノートPCだ。これをPDairのVAIO TypeU初代向け皮ケースに入れて、家のソファの側やベッドの枕もとに置いたり、旅行先に持ち歩いたりしている。
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筆者が愛用しているVAIO TypeUの初代モデル
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VAIO TypeUのキーボードは折りたたみ式でコンパクトだが、現場レポートのような速報性が必要ない旅行の記事では、VAIO TypeUをインターネット端末やフォトストレージとしてだけ使い、キーボードは持っていかないことにしている。
VAIO TypeUと言えば、その後さらに小型化したモデルが発売されているが、「ミニノートは買うなら性能差が顕著に現われる2世代置きに」という個人的な方針に基づき、今回はパスしている(マイナーチェンジを含めれば2世代どころでないが、その辺のツッコミはなしで)。
VAIO TypeUではあまりキーボードを使わないため、デスクトップにはキーボードいらずのビューワー的ソフトのアイコンを多く置いている。OSはWindows XPで、Windowsクラシックにして壁紙はなし。メーカー製PCだからアプリケーションとして壁紙がインストールしてあるが、これもアンインストールして軽量化。もちろん他の利用しないソフトも軽量化のためにアンインストールしている。
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筆者のデスクトップ
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ブラウザはタブブラウザの「Sleipnir」を、メーラーは「AL-Mail」を、画像ビューワーには「IrfanView」を使っている。もう随分長く使っているので、なかなか別のソフトへの鞍替えができないが、いまのところAL-MailがWindows Vista未対応なので、Vista環境に完全に移行するようなことがあれば、ブラウザとメーラー環境を「Firefox」と「Thunderbird」に変えようかと思っている。
VAIO TypeUにキーボードを装着したとき用のエディタ系アプリケーションもインストールしており、デスクトップには「秀丸」、緊急でWebを編集する作業に迫られたときのための「Dreamweaver」、それに原稿執筆時に文字数を数えるための「文字数カウントツール」のショートカットが置かれている。Dreamweaverも機能的に不満もなく軽いことから、macromediaの頃のバージョンを利用している。
デスクトップに置くファイルでは、青色申告に向けた原稿料管理のExcelファイルもある。Excelなどオフィス系にはOpenOffice.orgをインストール。特にMicrosoft製でないと困るような問題は、筆者の仕事では今のところ直面していない。
また、INTERNET Watchなどの連載向けに気になった中国のニュースをメモするため、ワードパッド用のファイルを置いている。ワードパッドでないといけないのは、中国語のWEB記事のタイトルをコピー&ペーストするから。メモ帳や秀丸では対応できず、かといってオフィスソフトでは起動に時間がかかるので、ワードパッドを使っているのだ。
■ 長期海外滞在だからこそのソフト
1年の半分以上を海外で過ごす筆者らしい(?)ソフトのショートカットもデスクトップにはいくつかある。
海外でもパソコンで日本のテレビが見れる「Slingbox」。これはもう一度体験したら止められない。中国の滞在先から見られる日本のテレビはこたえられない。
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日本のテレビをインターネット経由で見られる「Slingbox」
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タスクバーのインジケータにはセキュリティソフトの「キングソフト インターネットセキュリティ」。中国にばかりいるので、中国のセキュリティ対策に特化した日本語のセキュリティソフトを求めた結果の選択だ。筆者がロシアで長期滞在するようなことがあればきっと「カスペルスキー」を選ぶだろう。
ダウンローダの「irvine」はブロードバンド時代の今でも海外在住の筆者には必須のツール。中国から日本のサーバー(メールのPOPサーバ含む)の数MB以上のサイズのファイルをダウンロードするのは至難の業で、irvineが大活躍。ダウンロードを待つその心境は、はるか昔のテレホーダイタイムと重なるものがある。
逆に巨大なファイルをアップロードするときは、FTPソフトの「FFFTP」が活躍する。中国から日本にアクセスすると、見られるサーバー、見られない(遮断された)サーバーがあるほか、アップロード、ダウンロードともに速いサーバーや遅いサーバーがある。デスクトップに置かれた「FFFTP」には、いくつかのサーバーが登録されているが、それはその数だけWebサイトを管理しているためだけでなく、そのときそのときで最も速く安定したサーバーに巨大ファイル(くどいようだが数MBも中国では巨大ファイルなのだ)をアップロードするためなのだ。
もちろん「irvine」のダウンロードも「FFFTP」のアップロードも、効率よく行なうために圧縮ソフト「Lhaca」は不可欠。ちなみに中国人とファイルをやりとりするときはzipで、日本人とファイルをやりとりするときはlzhで行なっているのはひそかなこだわり。
デスクトップに置かれた「MONEY MAP」は、ポイントサイトのポイントを一元管理できる便利なソフト。長期海外滞在と何が関係あるのかというと、ポイントの中には、ポイント交換を繰り返すことによって、JALやANAのマイレージに交換できるものが結構あるからだ。「JALの日中往復のタダ券を手に入れるのにあとどれくらい必要かなー」といったときに役立っている。
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ポイントサイトのポイントを一元管理できる「MONEY MAP」
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■ 拝啓、担当編集者様へ。私結構中国で苦労してます
デスクトップ上のアイコンはたくさん置くと重くなるそうだけれど、上で紹介したソフトは、習慣からデスクトップのアイコンから起動させたいので置いてある。つまるところ、軽くするところは軽くし、でも必要なソフトは重くなってでもデスクトップに置いておくという方針なのだ。「方針なのだ」というほど大それた話じゃないが。
あー、何か中国での仕事上の苦労ばかり書いたような気がする。担当の編集者さんがみんな見てくれて、中国でのネットインフラの悪さを理解してくれたらいいなあ。
■ 山谷剛史の利用ソフト・サービス
2007/04/27 11:20
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山谷剛史 海外専門のITライター。カバー範囲は中国・北欧・インド・東南アジア。さらなるエリア拡大を目指して日々精進しております。現在中国滞在中。 |
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