ニッポン放送のアナウンサー吉田尚記です。AM1242「ニッポン放送」で、月曜から木曜の深夜24時から25時まで放送中の「ミュ~コミ」という番組のパーソナリティをしています。
■ アナウンサーの仕事はWebとメールがあれば十分
ワタシの仕事は、AMラジオのアナウンサーです。AMラジオは、戦前からある古い古い技術。しかも、アナウンサーの仕事は、基本「打ち合わせ」「取材・準備」「しゃべる」の3つ。ってことで、仕事でパソコンが必要かというと、正直そうでもないんです。
あー、のっけからこんなこと書いてしまいました。もちろん、会社への勤務表はPCで提出してますし、イントラネットで情報共有もしていますが、普段の業務は毎日のQシートのやりとりと、番組の調べものくらい。だからWebとメールがあれば、十分仕事ができるのです。
自分用のパソコンを持っていない、っていうアナウンサーも周りにいるくらい。けれどワタシはこんな文章を書かせていただくぐらいですから、1日に数時間はパソコンにさわってます。
■ 小学校3年生からキーボードを触り続ける毎日
なぜパソコンを触るかというと、それはおそらく「フェチ」だからじゃないでしょうか。ワタシが小学校3年生の頃、当時はクラスがほとんどファミコン一色の中で「ファミコンやってても将来の役になんか立たない!」という20世紀な発想の父親に買い与えられたのがMSX。それから22年、ほぼ毎日キーボードを触っています。
そのおかげで中学生の頃から、学校に提出する作文を一太郎で書いたりしていました。だから、コンピュータ自体は「大好き」です。中学・高校時代、一番読んでた雑誌は「ログイン」でしたし。
■ パソコンを使う一番の目的は「ホームページの更新」
今、ワタシがパソコンで一番している作業は、ホームページの更新です。毎週月曜から木曜まで放送している「ミュ~コミ」という番組の終了後、「吉田の日記」というページを必ず更新しています。1年以上たちますが、一度も休んでないですね。
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これがほぼ毎日自分で更新している「ミュ~コミ」HP内の「吉田の日記」。ブラウザは軽快なDonutQを愛用中。
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また、番組のHPには番組に関係ないことは書きにくいので、番組の本線からはずれるイベントの司会などの話や趣味の話は、mixiで日記を書いています。最近はマイミクが上限の1,000人に到達したので、ミラーコミュニティを作って、疑似マイミク的に使っています。
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マイミクさん、1000人maxです。コミュニティ「吉田尚記ミラー」で疑似マイミク続行中。
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最近は番組宣伝のため、著作権的に問題のない内容のビデオを自分たちで作ってYouTubeにアップする、というのもはじめました。ワタシも含めてラジオの人間、みんなこういうのが大好きなんです。
■ 使うソフトは非常にシンプル
ワタシがパソコンで使っているソフトはおそらく非常に一般的で、エディタは秀丸、メールソフトはBecky!です。両方とも10年ぐらい使っていますが、エラーらしいエラーに出くわしたことはありません。朝6時に寝て正午とか午後1時に起きる、というむちゃくちゃな生活時間帯なので、メールを送る時は、Becky!のリマインダ機能で時間指定メールを結構よく使ってます。
これではあまりこだわりがなさすぎて面白くないなぁ、と思っていましたが、ありましたよ、ちょっとだけ。テキストを扱うソフトの場合、画面の地の色を「紺」、文字の色を「白」にしているんです。これは以前「スタパ斉藤のオールナイトニッポン」が放送された時以来のおつきあいのスタパ斉藤さんに教えてもらいました。地の色が暗い方が、目に優しいんだそうですよ。
スタパさんは黒だったけど、そのまま同じにしてても芸がないので、紺色にしてます。DOS時代っぽいテイストが出るのも、オールドユーザーの一人として、結構気に入ってます。そういえば、一番パソコンにさわってた大学時代に使ってた、KTXっていう通信ソフトもバックが紺だったなぁ。
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Becky!。本文とかメール作成画面は紺色バックにできるのですが、
メールボックスやメール選択画面は、紺バックにできないのが残念
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秀丸。紺色バックにして文章書いていると、仕事ができる「みたいに」見えるらしいです(同僚談)
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■ マウスがない時代からの流れで操作はキーボードが中心
マウスがない時代からパソコンを使っていたこともあり、マウスを使うよりキーボードで何でもできちゃう方が自分好み。なので「bluewind」というランチャーソフトを愛用しています。[Win]+[Space]で呼び出せる、いわゆるコマンドライン型のランチャーです。ほとんどのソフトは、これから起動するので、デスクトップはほとんど何もありません!
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bluewindのおかげでデスクトップはほぼ何もなし。フォルダにもリンクが貼れます。使用頻度はNo.1
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作業中のモノだけフォルダを作り、それ以外は何もなし!
自作PCでは1,600x1,200のモニタを使っているので、妙に広大です
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あとは、ちょっとしたメモのためだけにテキストファイルを作ると管理があとあと大変なので、「Story Editor」というツリー型のテキスト管理ができるソフトを使ってます。本来は小説書く用のソフトだそうですが、文字色の設定も自由にできるし、プロポーショナルフォントも設定できるのでお気に入り。
bluewindとStory Editorは、どちらもフリーソフトです。ほんと、便利なフリーソフトを作ってくださっている開発者の方には、頭が下がります。ありがとうございます!
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適当なメモはStory Editorに日記としてまとめておくと、あとあと探すときに見つかりやすくて便利です。パソコンなのに使い方はアナログ!
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■ 常用PCは3台。自宅のPCにはリモートデスクトップでアクセス
使用しているパソコンは、自宅の自作PC、会社の貸与パソコン、常時持ち歩いているノートパソコン「Let's note」の3台です。貸与パソコンでないと社内LANにアクセスできないし、リスナーからのメールもこのパソコンでしか読めません。
それぞれのパソコンにデータが分散すると面倒なので、基本的に、小さな作ったデータはほとんどメールに添付して自分宛に送信。容量の大きいデータはリモートデスクトップを使い、自作PCのHDDに保存しています。「あの資料はどこだっけ?」という時、常時電源入れっぱなしの自宅のPCにはかなり救われています。
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自宅のPCへリモートデスクトップでアクセス
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■ 「デスク」のない会社。仕事はできるだけ外出先で
意外かもしれませんが、ウチの会社には自分のデスクというものがありません。なので、今度インタビューする相手の出演しているDVDを見ておきたいとき、インタビューの内容をまとめたいときなどは、会社を脱出して外の喫茶店へ行くこともあります。
最近は無線LANが使えるお店が非常に多くなっていますし、つなぎ放題のモバイルサービスも増えていますよね。最近のモバイル環境の急激な向上にはひたすら感動するばかりです。32kbpsのPHSデータ通信カードをつなげてメールを読んでいたころは大変だったなぁ。
また、以前に某先輩パーソナリティから「外に出たらものすごく面白い人が隣の席に座ってるかもしれない。しゃべり手たるもの、ちょっとした読書でも喫茶店にいたほうがいい」と言われて深く感心し、それからというもの仕事はできるだけ外でするようにしています。先日、気まぐれに壁紙を「ひだまりスケッチ」のままにして、喫茶店でPCの電源入れちゃった時は、ちょっと恥ずかしかったなぁ……。
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この文章も喫茶店で書きました。今日も隣のおばさんがおもしろいです
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■ 改めて振り返ると
ワタシにとってパソコンというのは、情報の受信・発信のための道具ですね。今回、こういう文章書く機会をいただいたので、初めて気がついたのですが。
パソコンに接していた期間こそ長いですが、「プログラムを作るぞ!」とか、そういう目標を立ててパソコンを触っていたことはありません。正直、ノートと鉛筆でできそうなことしかパソコンではしてないんですが、パソコンとデジタル機器の周りには、「なんかできそう!」「うわぁ便利!」「ホントにつながったよ!」っていう感動があるんです。ワタシなんかはその感動のために、パソコンを使ってるんだと思います。この先もそういう感動を求め、最新機種とかソフトとか、使い続けると思います。新製品やソフトの開発者の方々、本当にありがとうございます! 応援してますよ!
■ 吉田尚記の利用ソフト・サービス
2007/06/15 11:15
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吉田尚記 ラジオ局ニッポン放送AM1242で、(月)~(木)の24:00~25:00、「ミュ~コミ」という番組のパーソナリティを担当中のアナウンサー。「音楽とマンガの番組」という建前をいいことに、ライブハウスに通ったり、マンガ読むのも仕事と言い張る今日この頃。パソコンをいじっているときは耳が空いているので、ラジオと相性いいですよ。ぜひPCのお供にラジオを。ニュースだってRSSよりラジオの方が早かったりしますよ! |
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