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第五十二景:デスクは混沌。デスクトップは単純 小飼弾
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おはようございます。小飼弾です。自己紹介が一筋縄で行かぬほど自己崩壊しておりますので、私が何者かは
あたりをご参考にしてください。私自身が語るよりはやくてやすくてうまいと思います。
■ デスクは混沌。デスクトップは単純
「ところで俺のデスクトップを見てくれ」「すごく……何もないです」。
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何もないデスクトップ
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失礼しました。何もないのは理由が2つあります。
1つは、私にとってデスクトップは何かを書く時の一時作業場所だから。上のようにスクリーンショットを取ればその画像ファイルが、記事を書けばその記事ファイルが置かれています。そしてブログを書く時には、その関連ファイルが並ぶことになりますが、書き上がったらそれはデスクトップからも頭の中からも片付けられてしまいます。
今はこの記事を書いている最中なので、「desktop100」というフォルダが右下に見えますが、この記事を書き上げたらこれも「どかされて」しまいます。ちなみにその下の「chaos」の中身は秘密です。
もう1つの理由は、解像度を切り替える機会が比較的多いこと。私が現在使っているMacBook Proの液晶は1,440×900ドットなのですが、プロジェクターはほとんどの場合1,024×768ドット、古いものだと800×600ドットの時もあります。解像度が切り替わるたびにデスクトップにおいてあるものが移動してしまうのは何かと不都合なのです。
■ 「整理」より「検索」
かく言う私も、デスクトップ以外は結構ちらかしております。それでも破綻していないのは、今では検索した方が早いから。Mac OS Xには10.4(Tiger)以来、「Spotlight」という検索機能がついていますし、インターネット上にはGoogleをはじめとする優れた検索エンジンが多数あります。下手に整理整頓するぐらいなら検索すればいい、というポリシーです。
■ メール環境は自前で死守
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メール環境はIMAPを導入して自前で管理
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強いて工夫していることと言えばメールボックス。IMAPのフォルダを毎日生成して、そこにその日に送付されたメールが配送されるようにしてあります。人は時には検索キーワードすら忘れてしまいますが、「いつ頃」だったかは結構覚えているものです。
この工夫に加え、メールの分量があまりに多い(10GB以上)ため、多くの人が実践しているGmailへの移行はしていません。1日100万回以上は私のメールサーバーにSMTP接続があることを考えればGmailの誘惑には駆られるのですが、自分のみならず、自分の大切な人の秘密までGoogleに限らず人様にまかせられないということもあります。
また、IMAPを早期に導入したので、万が一MacBook Proが壊れてもメールはすべてサーバー上にあるため、データ被害はほぼゼロです。もちろん、金銭的、時間的被害はそうはいきませんが。メール以外のデータについても、極力サーバー側に置くようにしています。
■ dot
そのサーバー上(ローカルサーバーとしてのMacBook Proを含む)での作業に欠かせないのが端末です。私はMac OS X付属の「Terminal.app」をそのまま使っております。
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Mac OS X付属の「Terminal.app」
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工夫のしどころは、むしろシェルでしょうか。シェルそのものはtcshと「古い」のですが、古いだけあって過去の教訓が蓄積されています。例えばプロンプトで、必ず「どこにいる」、すなわちどのサーバーで作業しているかがわかるようになっていますし、スーパーユーザーになった際にはプロンプトが太字になって注意を喚起するようになっています。
コマンドヒストリーも4,096個記憶するようにしていて、しかもユニークなコマンドのみ記憶(set histdup=erase)するようにしています。こうすることで、かなり昔に使った長いコマンドでも、おぼろげに覚えていればヒストリーを検索すればたいてい出てきます。私はPerlのワンライナー(一行野郎)を多用するので、これはちょっとしたプログラムを数千個以上書き貯めているのに匹敵します。
サーバーを新規設置する場合、当然これらの設定(いわゆるdot files)もコピーされるので、すぐにでもいつでもどこでも@Homeです。
tcshが登場したのは私の学生の頃で、その頃から代々コピーしては更新しての繰り返している20年ものです。私は実家が全焼した際に全財産を一度失っているのですが、これらのファイルが「焼け残った」のはちょっとした皮肉かもしれません。
■ 素顔のままで
テキストエディタはttyでは「emacs」を使っています。が、他の多くのemacsen(複数形)と異なり、純粋にエディタとして使っています。コンパイルやテストの際は、あっさり「ctrl-z」でシェルに抜けてそこでやってます。この方が.historyが鍛えられていいということもありますし、初めて自分が所有したパソコンがMac SE(モノクロの512×384ドット)ということもあって、tty上なら狭い画面で複数作業するのはそれほど苦ではないのです。
とはいえ、GUI環境では広い画面をめいっぱい使いたいもの。見ての通りterminal.appも50行表示です。そしてGUIのテキストエディタはCotEditorを愛用しています。これに関してはブログに記事を書いたのでそちらを参照してください。
■ 404 Blog Not Found:Mac - CotEditorがはげしくイカしている件
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50819304.html
ブラウザは主にFirefox。カスタマイズはほとんどしていません。Firebugさえ入れてません。その代わりタブが20個ぐらい開いたウィンドウが10ぐらい平気であったりします。
このように自分の環境を振り返ってみると、「なるべくデフォルトのままで使う」ことに体が慣れていることに気がつきます。もしかして、これは一度全財産が焼けるという経験の裏返しかもしれません。ゼロからやり直すことを苦にしたくないのでしょう。
ところで、本記事執筆現在、私はいまだにTigerのままです。Leopardへの移行は、MacBook AirとMacBook Pro(今度はメモリ4GB)が到着してから満を持して行なう予定です。
■ 小飼弾の利用ソフト・サービス
2008/02/08 11:19
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小飼弾 ブロガー/プログラマー/投資家。東京都出身。1991年、米カリフォルニア大バークレー校中退。1996年、ディーエイエヌ有限会社を設立し、代表取締役に就任(現在)。1999年、オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)取締役に就任、01年退任。 |
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