日本エイサー、WiMAX搭載の法人向けネットブックとノートPC


 日本エイサーは、ネットブック「Aspire one」とノートPC「Aspire Timeline」で、WiMAXモジュールを標準搭載した法人向けモデルを9月11日から順次発売する。標準価格は「Aspire one」のWiMAXモデルが5万4800円、「Aspire Timeline」のWiMAXモデルが7万2800円~9万9800円。

インテル無線モジュール搭載で、WiMAXと11a/b/g/nに対応

 今回発表したWiMAXモデルは、いずれもインテルの無線モジュール「WiMAX/WiFi Link 5150」を採用。WiMAXと無線LANを切り替えて利用が可能で、WiMAXの理論値速度は下り最大13Mbps、上り最大3Mbps。また、無線LANはIEEE 802.11n ドラフト2.0およびIEEE 802.11a/b/gに準拠する。


Aspire oneAspire Timeline

 「Aspire one」のWiMAXモデル「AO531h-Bk86X」は、1024×600ドット表示が可能な10.1型液晶を採用したネットブック。OSは「Windows XP Home Edition SP3」で、CPUは「Atom N280(1.66GHz)」、メモリは1GB、HDDは160GB。また、10BASE-T/100BASE-TX×1ポートの有線LANインターフェイスのほか、Bluetooth 2.1機能やWebカメラも備える。

 本体インターフェイスは、USB 2.0×3ポート、カードスロット、音声入出力端子などを装備。本体サイズは255×183×19~26.9mm(幅×奥行×高)で、重量は1.15kg。バッテリの連続駆動時間は最大7.5時間。


(左から)本体右側面、左側面、背面

 「Aspire Timeline」のWiMAXモデルは、CPUに「Celeron Dual Core SU2300(1.2GHz)」を採用した「AS3410シリーズ」2製品と、「Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)」を採用した「AS3810Tシリーズ」2製品をラインナップ。両シリーズともに、下位製品ではOSに「Windows Vista Home Premium SP1」を、上位製品では「Windows Vista Business SP1(Windows XP Professionalダウングレードモデル)」を採用している。

 主な仕様としては、1366×768ドット表示が可能な13.3型液晶を採用し、HDD容量は160GB。有線LANインターフェイスは10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T×1ポートで、Bluetooth 2.1機能やWebカメラを用意。また、USB 2.0×3ポートやHDMI×1ポート、カードスロット、音声入出力端子を備える。

 本体サイズは322×228×23.4~28.9mm(幅×奥行×高)で、重量は1.6kg。バッテリの連続駆動時間はAS3410シリーズが最大7時間、AS3810Tシリーズが最大8時間で、省電力技術「Acer Power Smart」の利用時は、駆動時間がそれぞれ1時間延びるとしている。


(左から)本体右側面、左側面、背面

 いずれの製品も、日本エイサーのビジネスパートナーであるダイワボウ情報システムを通じて、法人向けに販売される。製品を取り扱うECサイトは、「CaravanYU」や「e-TREND」、「ioPLAZA」「NTT-X Store」になる。なお、個人向けの販売は現時点で予定していない。

日本エイサー瀬戸氏「中小企業向けに絞って販売」

(左から)UQ Comの坂口氏、日本エイサーのセン氏、インテルの板越氏

 発表会では、「Aspire Timeline」シリーズを中心に説明が進められた。日本エイサーのマーケティングコミュニケーション課でマネージャーを務める瀬戸和信氏は、同社が中小企業と消費者を対象にした「ボリュームオペレーション」層に対して製品を展開していると説明した。

 瀬戸氏は、今回のWiMAX搭載モデルについて、ボリュームオペレーション層の中で中小企業に絞って販売する考えを示した。その理由として、ビジネスパートナーのダイワボウ情報システムが法人に強みを持つ企業である点と、モバイルWiMAXサービスは首都圏など現時点ではサービスエリアが限られている点をあげた。このため、確実に販売が見込める分野として中小企業向けに展開する方針にしたという。

 また、「Aspire Timeline」シリーズに関しては、「インターネットを楽しむ以外にも、PowerPointなどのアプリケーションを快適に利用できる製品」と説明。日本エイサーのボブ・セン代表取締役社長は、8時間駆動や10万円を切る価格設定などの特徴を示し、「日本市場でムーブメントを起こせる製品になるよう努力していきたい」と述べた。


日本エイサーの瀬戸氏「Aspire Timeline」の特徴中小企業向けに販売する方針

 発表会には、UQコミュニケーションズ(UQ Com)とインテルの関係者も出席。UQ Comの坂口肇マーケティング戦略部長は、モバイルWiMAXサービスのエリア展開について、「2009年度末までに全国政令指定都市などに拡大し、2011年度末までに全国90%以上の地域にまで広げる」と紹介した。

 坂口氏は、「エリアの展開スケジュールは若干遅れ気味の面もあるが、来年度以降の計画を前倒しして、いつでもどこでもWiMAXが繋がる世界を実現していきたい」と述べた。また、屋内対策として超小型基地局や中継器(レピータ)、WiMAXをWAN回線として利用できる無線LANルータなどを施設や環境に応じて展開するとした。

 インテルの事業開発本部で本部長を務める板越正彦氏は、「インテルのモバイルインターネット戦略で核になるのは、インターネットである」と語った。その上で、今回の日本エイサー製品が採用した無線モジュール「WiMAX/WiFi Link 5150」では、「無線LANとWiMAXの双方で最適なインターネット環境の利用が可能で、モバイルインターネットのさらなる発展に貢献していきたい」と述べた。

 板越氏はまた、「WiMAXは統一された規格であり、ビジネスマンがどこの国に行ってもPCを起動すればWiMAXを利用できる世界を目指したい」と抱負を語った。


UQのネットワークエリア展開インテルと協力してWiMAX搭載PCの割合を増やしたい考え世界でのWiMAX導入見通し

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(村松 健至)
2009/8/25 15:00