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第五景:ネットブック3台目にして行き着いたのは「IdeaPad S10e」
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第四景:Gmailが使えれば他には何もいらない? 宅内専用で使うネットブック
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第一景:カバンに入れっぱなしで使うホームサーバービューワー
清水理史
[2009/01/29]


2009年

第一景:カバンに入れっぱなしで使うホームサーバービューワー
清水理史


 BB Watchの週刊連載「デスクトップ百景」の特別編として、今話題のネットブックについて語る「ネットブック百景」を全5回の短期集中連載としてお送りします。





利用中のネットブックは「EeePC S101」

 今使っているネットブックは、通算で2台目となるASUSTeKの「EeePC S101」。その前に使っていたのは、同じくASUSTeKの「EeePC 901-X」だったのだが、4GBしかないCドライブ節約のためにアレコレやるのに飽きたのと、タッチパッドのクリック感が固すぎるので、S101へと移行してしまった。


今は使っていない901-Xと現役のS101

今は使っていない901-Xと現役のS101


 ASUSのネットブックは、他社製品に比べてバッテリー駆動時間が長いのが気に入っていたのだが、今使っているS101は、それに加えてちょっとスタリッシュで、とにかくOSのブートが速いのがお気に入り。

 従来モデルから高速化されたSSDと、BIOSをパスする「BootBooster」の恩恵で、電源ボタンを押してからデスクトップが表示されて使えるようになるまでに30秒もあれば十分だ。

 ちなみに、S101の置き場所は、基本的にカバンの中。重さも1kgなので、特に用が無くてもカバンの中に入っている。

 901-Xと比べるとバッテリーの持ちは悪くなったものの、それでも2~3時間は余裕で使える。カバンに入れっぱなしなので、充電を忘れることもしばしばなのだが、どうにかカバンに入れたまま充電できる方法はないかと考え中だ。


置き場所は基本的にカバンの中。家で出すときは充電するときのみ





WzとATOKの追加+定番チューン

 901-Xの4GBに比べれば容量はあるが、S101のSSDも16GBとディスク容量は余裕があるわけではないので、アプリケーションは必要最低限にしている。

 ざっと挙げると、以下のようなところ。基本的にメインのPCで以前に使っていたアプリケーションのお下がりがS101にインストールされた感じだ。
  • Microsoft Office 2003
  • ATOK 2007
  • Wz Editor
  • avast!4
 エディタの「Wz Editor」とIMEの「ATOK」は、昔から使っているせいで体に操作のクセが染みついてしまっているため、どうもインストールされていないと“落ち着かない”のだ。背景が真っ黒無地なのも同じ理由で、昔からのクセでそうでないと落ち着かないから。



アプリケーションは最低限。エディタとATOK、オフィスは2003で、主にPowerPoint用


 EeePCの場合、ページファイルが無効になっているなど、標準である程度のチューニングが施されているため、設定周りにはあまり手を加えていないのだが、とりあえずネットブックチューニングの定番とも言えるRAM Diskを設定(RAM 2GBに増設し512MBを割り当て)し、窓の手を使ってオートログオンを設定、カーネルを物理メモリに配置するなどの設定をしてある。





RAM Disk導入と定番チューニングのみのベーシックな構成


デザインでアイコンを小さく、詰めて表示
 ユーザーインターフェイスは、個人的にクラシックデザインが好みではないので、XPのLunaを有効にしたまま、ウィンドウ最大化時のアニメーションやコンボボックスのスライド表示など、XPの見た目をなるべく保ちつつ効果のみをオフに設定している。

 個人的に気に入っている工夫は、アイコンのサイズや間隔、ウィンドウのタイトルバーの調整。ネットブックの最大の欠点は、1024×600ピクセルとなる解像度で、特に縦方向の解像度の狭さが、Webの閲覧にしろ、アプリケーションの操作にしろ、何かと不便。しかも、デスクトップに大きなアイコンがゆったりと並んでいるため、余計に狭く感じてしまう。

 と言っても、解像度自体はどうしようもないので、画面のプロパティから「デザイン」タブの「詳細設定」を利用して、以下のように設定を変更することで、アイコンを小さく、隙間なく並べるようにし、少しでもデスクトップが広く感じるように工夫している。
  • アイコン→30
  • アイコンの間隔(横)→30
  • アイコンの間隔(縦)→28
 あくまでも感覚なので、ブラウザなどは、ステータスバー非表示+全画面表示で使うなど、アプリケーション側は運用で狭さを回避するしかないのだが、見た目に広く感じると、何となく使いやすく思えてくるから不思議なものだ。


標準(左)とアイコンサイズ変更後(右)。気分の問題だが、これだけでも使いやすく思えてくるから不思議


ブラウザはテストも兼ねてIE8。全画面表示で使わないとツライ





データはすべて自宅に、必要なときにアクセス

 使い方という点では、データを一切ネットブックに保管しないようにしているのも特徴と言えば特徴だろうか。

 プレゼンのデータなど、あらかじめ外出先で使うことがわかっているデータのみをUSBメモリで持ち歩くようにして、S101には保管しない。

 必要なデータがあった場合にどうするのか? というと、これはネット経由で自宅に取りに行く。イー・モバイルの回線を利用してインターネット経由で自宅のWindows Home Serverにアクセスすれば、過去の原稿から資料まで、あらゆるデータがそこにあるので、ダウンロードすれば良いというわけだ。


通信はイー・モバイルのS12HTをBluetooth経由で利用

データが必要なときは自宅のホームサーバーにアクセス


 ちなみに、データ、インストールプログラムなどなど、ネットからダウンロードしたファイルも、どうしても必要なもののみUSBメモリに保管し、そのほかは基本的にRAM Disk上に保管するようにしている。こういったデータは、積もり積もると、バカにならないゴミになってディスクを圧迫するので、電源オフですぐになくなるようにした方が効率が良いのだ。

 要するに、筆者にとってネットブックは、外出先で使うホームサーバービューワーという位置づけ。いつもカバンに入れておいて、必要なときにネットを見る、データをダウンロードして使うといった使い方となる。

 ネットブックは、財布に優しい値段も大きな魅力だが、何と言っても良いのは、このようなカジュアルさだ。これまでは、本気でモバイルをしようとすると、必要なアプリをインストールして、家となるべく同じ環境を整え、データもシームレスに使えるように同期するなど、とにかく「疲れる」作業だった。

 ところが、ネットブックはハードウェア的な制約が先に立つこともあり、本気でモバイルをしなくて良いとスパッと割り切れる。これによって、アプリは最低限で良いとか、データもネット経由で取りに行けば良いとか、いろいろあきらめがつく。

 本体だって、さほど高価ではないから、結構ラフに扱える。20万クラスのモバイルノートなら、インナーカバーに入れて、電車の網棚にもそっと置く、なんて気配りが必要だが、ネットブックならカバンにそのまま入れて、どこにでもガンガン置ける。

 実用性はもちろんだが、この気軽さが実に気に入っている。





オマケ:Windows 7をインストール

 ちょうど、本コラムを執筆しているときにWindows 7のベータ版が公開されたので、さっそくEeePCにインストールしてみた。


Windows 7をインストール。とりあえず無事に利用できている


 Windows7のインストールには5GBほどの空き容量が必要なので、EeePC 901-XはCドライブへのインストールはNGであきらめた。S101は問題なくインストール完了。有線LANとACPIドライバが認識されなかったが、有線LANはASUS提供のドライバをダウンロードしフォルダからVista用を指定してインストール。ACPIはネット上の情報を元にドライバとinfファイルを入手してインストールすることができた。

 Bluetoothも利用でき、今のところ問題なく動作している印象で、特にアプリケーションをインストールしていない素の状態ということもあって、パフォーマンス的にも悪くなさそうだ。

 しばらくは、これで常用してみようかと考えている。


関連情報

URL
  ネットブック/UMPC特集
  http://www.watch.impress.co.jp/headline/extra/2008/netbook-umpc/
  関連記事:ASUS、10.2型液晶搭載で最薄部18mmの「Eee PC S101」[PC Watch]
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1008/asus.htm

2009/01/29 11:20

清水理史
製品レビューなど幅広く執筆しているが、実際に大手企業でネットワーク管理者をしていたこともあり、Windowsのネットワーク全般が得意ジャンル。最新刊「できるブロードバンドインターネット Windows XP対応」ほか多数の著書がある。自身のブログはコチラ
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