皆さまこんにちは、「ゆっきぃ」です。今回は、最近アメリカやシンガポール、中国と世界各地を飛び回っているDr.ジクこと竺振宇さんに、海外のSecond Lifeに関する最新情報を紹介していただきます。
■ 海外ではSecond Life以外のバーチャルワールドも人気
ゆっきぃ:Dr.ジク、こんにちは! 最近、海外に頻繁に行かれているそうですね!
Dr.ジク:別に遊びじゃないんですよ。8月20日にシンガポールで開催されたカンファレンスに行ってきたんです。私は飛べないので、もちろん飛行機ですが。
ゆっきぃ:最近会社行くのに、Second Lifeみたいにテレポートできたらいいのに! って思うようになってきました! 台風が来てもびしょぬれにならなくて済むし……(涙)
Dr.ジク:この前の台風はすごかったですからね。
ゆっきぃ:で、何のカンファレンスだったんですか?
Dr.ジク:Second Lifeのようなバーチャルワールドをテーマにした「State of Play V: Building the Global Metaverse」というカンファレンスです。
ゆっきぃ:Second Lifeみたいなバーチャルワールドって、他にもあるんですか?
Dr.ジク:世界には、さまざまなバーチャルワールドがたくさんあるんですよ。アメリカでは、Second Life以外でも20くらいのサービスがあって、中にはキッズ向けのバーチャルワールドもあるほどです。
ゆっきぃ:そんなにたくさんあるんだ!?
Dr.ジク:「There(ゼア)」というサービスは、米国ではSecond Lifeに次いで有名です。Second Lifeと同じ2003年に始まったサービスで、どちらも世界中で利用している人がたくさんいますよ。
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2003年にスタートした「There」
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■ 日本もバーチャルワールドが続々登場
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PS3の「Home」は2008年春に延期
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ゆっきぃ:海外はそんなことになってるのねー。日本はSecond Lifeくらいなのかな?
Dr.ジク:いえいえ、日本もがんばってますよー。
ゆっきぃ:ええ!? どんなサービスがあるの?(日本語でできるなら、出会いの場所が増えるかも……)
Dr.ジク:そんなに身を乗り出さなくても……(汗)。
ゆっきぃ:で、どんなサービスがあるんですか?
Dr.ジク:すでにリリースされてるところでは、「splume(スプリューム)」というサービスがあります。開発中のサービスを入れると、SCEがプレイステーション 3(PS3)向けに提供する「PlayStation Home」や、ココアの「meet-me」なんてサービスも準備中です。
ゆっきぃ:PS3ってゲーム機ですよね。そんなところでもバーチャルワールドはあるんだ。
Dr.ジク:ゲーム機の場合、すべてのユーザーが同じ環境で使えるので、ソフトがインストールできない! なんてことがありませんね。
ゆっきぃ:それは便利ですねー。
Dr.ジク:ココアの「meet-me」は、東京の街をリアルに再現するそうですよ。ほら。
ゆっきぃ:きゃ~夢が広がるわ~♪
Dr.ジク:その夢、なんだかとってもわかりやすそうです……(汗)。
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すでにサービス中の「splume」
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2007年冬にスタート予定の「meet-me」
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■ 中国もバーチャルワールド「HiPiHi」がリリース
ゆっきぃ:ところでバーチャルワールドのカンファレンスってどんなことをするんですか?
Dr.ジク:「State of Play」というのは、ニューヨーク・ロー・スクールなどの主催で行なわれているカンファレンスで、世界中からバーチャルワールドに興味のある人たちが集まって、ビジネスについてだけでなく、学術的な話もするんです。
ゆっきぃ:学術的……、なんかむずかしそうな響き……。バーチャルワールドがテーマってことは、最近始まったカンファレンスなんですか?
Dr.ジク:いやいや、実はこのカンファレンス、2003年から行なわれてるんですよ。Second Lifeがリリースされたのも2003年頃のことなんです。
ゆっきぃ:えー、なんか意外! で、ジクさんが参加した目的は?
Dr.ジク:実は私が務めているngi groupが、中国のバーチャルワールド「HiPiHi(ハイピーハイ)」に投資することになり、HiPiHiでCEOを務める許暉さんと私が、カンファレンスで共同記者会見を行なってきたんです。
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記者会見後の写真。右がHiPiHiのCEOを務める許暉さん
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ゆっきぃ:きょーどーきしゃかいけん!? ジ……ジクさんってすごい人だったんですね……(汗)。で、その「HiPiHi」ってなんですか?
Dr.ジク:「HiPiHi」とは、さっきお話した許さんが作った、中国生まれのバーチャルワールドのことです。
ゆっきぃ:ってことは、Second Lifeの中国版みたいなもの!?
Dr.ジク:わかりやすくいうとそんなところですね。ただ、ポイントは中国オリジナルということです。Second Lifeはアメリカ人が作ったサービスなので、アバターを含め、世界観がアメリカナイズされてる部分はありますね。「HiPiHi」の住民は中国人や日本人などアジア人が中心になるので、Second Lifeとは違った、独自の文化が形成される可能性が高いですよ。
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HiPiHiのスクリーンショット
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ゆっきぃ:へぇ! もう遊びに行けるのかしら!(わくわく)
Dr.ジク:現在はクローズドベータ版で、今年の秋にパブリックテストを行ない、2007年中には正式公開する予定です。それに今のクローズドベータは中国語なんですよ。ゆっきぃさん、中国語できましたっけ?
ゆっきぃ:ムリでーす!(きっぱり)。Second Lifeみたいに日本語版が用意されればいいのに。
Dr.ジク:もちろん日本語版も準備していますよ。日本人になじむ世界も研究しているので、リリースを楽しみにしててください!
■ Second Lifeを運営するリンデンラボにDr.竺が訪問
Dr.ジク:そういえば、HiPiHiに関連して、リンデンラボにも行ってきたんですよ。
ゆっきぃ:リンデン……って、Second Lifeの運営会社ですね!
Dr.ジク:そうです。HiPiHiの活動の一環として、同じバーチャルワールドのリンデンラボを訪問してきたというわけです。
ゆっきぃ:リンデンラボって、どんなところなんですか?
Dr.ジク:一言で言えばすごくのんびりしてましたよ。西海岸の典型的なベンチャー企業という感じで、「プライベートを犠牲にして仕事をしよう」という感じはまったくないんです。のびのびしていて、生活を大事にしてるという感じでしたよ。
ゆっきぃ:うう……、残業残業の日本とはぜんぜん違うんですね(涙)。
Dr.ジク:CEOのフィリップさんにアポイントを取っていたら、当日「実は今日結婚15周年記念日で、うちの奥さんと過ごしたいから、ごめん!」ってキャンセルされたり(笑)。
ゆっきぃ:愛妻家ですねえ、なんだかロマンティック……。
Dr.ジク:ちなみにこれが、リンデンラボの名刺です。
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リンデンラボの名刺はアバター入り
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ゆっきぃ:裏がアバターになってるんだ! さすがSecond Lifeの人の名刺って感じ! リンデンラボの人はかならずこういう名刺なのかな?
Dr.ジク:前からいろんな方と名刺交換してますけど、そのたびに名刺のデザインが変わってるんですよ。でもアバターは必ず印刷されてますね。
ゆっきぃ:リンデンラボだから、当然社員全員アバターを持ってるんですよね?
Dr.ジク:おそらくそうでしょうね。リンデンラボでは半分以上の会議をSecond Life内でやるそうですよ。同じ部屋にいても会議にはSecond Lifeを使うほどだとか。
ゆっきぃ:それはすごい……。
Dr.ジク:我々も、同じフロアにいる人とメールやチャットでやり取りすることがありますよね。彼らにとってSecond Lifeは当たり前なので、チャット感覚に近いのかもしれませんよ。
ゆっきぃ:(そう言われてみれば、確かに目の前の席の人とこっそりチャットでおしゃべりしてるな……)。
Dr.ジク:CEOのフィリップさんに、HiPiHiの許さんが「ぜひ北京にも遊びに来てください!」って言ったら、フィリップは「もう(Second Lifeで)行ってきたよ!」なんて答えたり。
ゆっきぃ:そっか! Second Lifeは世界の観光地に簡単にテレポートできちゃうんですもんね! 観光地がもっと増えたら、現実でも行ってみたくなるんだろうなぁ。(うっとり)
Dr.ジク:観光地で、ステキな出会いがあるかもしれませんしね!(大笑)
ゆっきぃ:ジクさんったら! それ、私の台詞!
次回は、セカンドライフでのイベント体験についてお送りします。お楽しみに!
| Second Lifeについてもっと詳しく知りたい方は、Dr.ジクこと竺振宇さんが執筆した「できるポケット+ セカンドライフで『見る・遊ぶ』を体験する本」もご参考ください。
できるポケット+(プラス)シリーズ
できるポケット+ セカンドライフで「見る・遊ぶ」を体験する本
2007/07/03発売
定価:819円(本体 780円+税)
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2007/09/25 11:07
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竺 振宇(じく としたか) 上海交通大学船舶海洋工程専攻・横浜国立大学建築専攻工学博士。デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。2000年から3次元に特化したシステムの開発に従事。建築、フライトシミュレーション、景観シミュレーション、3次元CADなどのプロジェクトリーダーを務め、幅広い開発者のネットワークを築く。2007年、バーチャルワールドの設計・構築・運営をてがけるジクラボを設立。同年、ngi group執行役および3D利用のインターネットサービスを企画・統括する新会社3Di代表取締役副社長CTOに就任。 |
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