こんにちは、「ゆっきぃ」です。郵政民営化したニュースを聞いたり、「お金は育てるものです」なんて話を聞いて投資にも興味はわいてきたものの、まだまだほんの少ししかない貯金をこつこつ増やしている今日この頃です。
そんな中、Second Lifeで巨額のお金を手に入れた方がいらっしゃるとの噂を聞きつけました!Second Life内にもセレブっているんですね! 今日は、Dr.ジクこと竺 振宇さんに、そのあたりをじっくりと伺いたいと思います。
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某IT企業に勤める「ゆっきぃ」。本連載の聞き手役
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「セカンドライフで『見る・遊ぶ』を体験する本」を執筆したDr.ジクこと竺振宇さん
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■ Second Lifeのお金って?
ゆっきぃ:そもそも、Second Lifeでお金を手に入れるってどういうことですか? Second Lifeは無料で遊べますよね。
Dr.ジク:はい。Second Lifeはお金を遣わず楽しめますし、今まで紹介してきたのも無料で楽しめるものばかりです。ですが、Second Life内にも「お金」は存在します。Second Life内のお金は「リンデンドル」という名前の仮想通貨ですが、為替のように現実通貨と換金できます。現在は日本円には対応していませんが、USドルなどと換金できるのです。
ゆっきぃ:リンデンドルかあ。で、それを増やすにはどうしたらいいのですか?
Dr.ジク:リンデンドルを増やすための1つの方法は、「他のユーザーにものを販売する」ことでしょう。できるネットプラスの「レッスン19 リンデンドルを無料で入手するには 」でその方法を紹介していますよ。
ゆっきぃ:そもそも、Second Lifeの物価ってどうなんですか? 例えば、日本と比べて高いとか安いとか……。
Dr.ジク: そうですね、現実世界の日本と比べると、Second Lifeの物価はかなり安いのではないでしょうか。例えば、日本円にすると数円から数十円で、アバターの服を手に入れることができます。
ゆっきぃ:あれ、服は無料でもらえるのでは?
Dr.ジク:もちろん無料の服もありますが、有料ならではのディテールに凝った素晴らしいものもありますよ。他には飛行機のような乗り物も、数百円相当で買うことができます。100円ショップならぬ「1リンデンドルショップ」もあるんですよ。
ゆっきぃ:Dr.ジク~、そういう話もいいんですけど、早くセレブの話が聞きたいです~。
Dr.ジク:ではリクエストにお応えして、本日のメイン、Second Life内のお金持ちの話をしましょうか。
ゆっきぃ:わーい! 待ってました♪ で、Second Lifeのお金持ちってどのくらいいるのですか?」
Dr.ジク:Second Lifeでは、1カ月に5,000ドル(約57万円)以上稼ぐ人は百数十人くらいいるそうです。
ゆっきぃ:「す、すごい……、「カリスマアフィリエイター」ならぬ「カリスマSecond Lifer」って感じですね♪ いいなー、憧れちゃう。でも、どうやってお金持ちになったのかしら?
■ Second Life初の億万長者は不動産長者!
Dr.ジク:Second Life初の億万長者は、不動産の分野から生まれたんですよ。アンシェ・チュンさんという方で、土地取引で総額1億円を稼いだといわれています。
初期日本人ユーザーの多くが一度は訪れたであろう「Togenkyo」もアンシェさんが運営している
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ゆっきぃ:「名前にも、アンシェさんが運営しているTogenkyoにも、どことなくアジアの香りを感じるんですけど……。
Dr.ジク:そうです、アンシェさんは中国の方です。アバターのトレードマークもチャイナドレスなんですよ。アンシェさんは、2006年5月にはアメリカのビジネスウィーク誌の表紙を飾ったことでも有名です。日本でも、「東洋経済」などのビジネス誌でアンシェさんのアバターが表紙を飾りました。
ゆっきぃ:ビジネス誌の表紙を飾るなんて、とても注目されているんですね。アンシェさんは、現在どんな生活を送っているのかしら?
Dr.ジク:今もSecond Lifeに関するビジネス界のキーパーソンとして活躍していますよ。
ゆっきぃ:ところで、Second Lifeでの不動産ビジネスで、現実世界と違うところはどんなところですか?
Dr.ジク:そうですね、土地が大事なのは同じですが、しいて違うところと言えば、Second Lifeの土地はどんどん広げていくことができるということでしょうか。
ゆっきぃ:え? それってどういうことですか?
Dr.ジク:Second Lifeでは土地を持っているだけで価値が上がるようなことはほとんどありません。レンタルするにしてもその島(SIM)なりの特徴を持っていないと、なかなか目立つことは難しいのです。
ゆっきぃ:やっぱり、億万長者はそう簡単になれるものではないんですね……。
■ Second Life発オリジナルゲームが、別のゲーム機へ進出
ゆっきぃ:Second Life内でお金持ちになった人は、みんなアンシェさんのように不動産ビジネスで成功した方なんですか?
Dr.ジク:そんなこともないですよ。珍しい方では、ゲームを作ってお金持ちになった方がいます。
ゆっきぃ:ゲーム? この間、ゴルフとか教えてもらいましたよね? ゲームでお金持ちって、そんなに珍しいのかしら?
Dr.ジク:「ゲーム自体はそんなに珍しくないかもしれませんが、Kermitt Quirkさん(アバター名)はSecond Lifeで生まれたオリジナルのゲーム「Tringo」を開発し、Second Life内で大人気になりました。」
ゆっきぃ:「Tringo」って、どんなゲームなんですか?
Dr.ジク:そうですね、ビンゴとテトリスを組み合わせたような感覚のゲームです。
way2playの島。大きなTringoロゴが浮かんでいる
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ゆっきぃ:でも、オリジナルのゲームというのはすごいけど、その人気が出ただけで珍しいって言えるのかしら?
Dr.ジク:そうですね、オリジナルゲームは他にもあるかもしれませんが、「Tringo」はゲームボーイ・アドバンス用のソフトとしても発売されたんです。
ゆっきぃ:へぇ~。それはすごい!
Dr.ジク:今はWebサイトのFlashでも遊ぶことができるんですよ。
■ URL
Meez: Tringo
http://www.meez.com/tringo.dm
■ カリスマ店員ならぬカリスマクリエイターがいるアイテムショップ
ゆっきぃ:そうか、Second Lifeでも大金持ちになれるチャンスがあるんですね……。Second Lifeで気軽に商売を始めようと思ったら、まずは何に挑戦したらいいんでしょうか。
Dr.ジク:Second Lifeでは自分が作ったものを販売することが簡単にできるので、手始めに「アイテムショップ」を始めるのはいかがでしょうか。ただし、誰でも簡単に始めることができるだけに、なかなか人気店になるのは難しいようですよ。
ゆっきぃ:どうしたら人気店になれるんでしょうか。
Dr.ジク:Second Lifeは自由に表現ができますから、要はセンスの問題ではないでしょうか。人気店になる秘訣は、現実世界とそう変わらないかもしれません。みんなが「欲しい」と思うものを他人より「早く」作って「売る」。これにつきるのではないでしょうか。」
ゆっきぃ:それが難しいんですよー!。実際に人気ショップを運営している方に話を聞いてみたいなあ。
Dr.ジク:それでは、「DRAGON GARDEN」という人気ショップを運営しているjune Bamaisinさんをご紹介しましょう。
ゆっきぃ:おぉ! 待ってました!!そういう話が聞きたかったんですよ~。さすがDr.ジク!
Dr.ジク:juneさんはSecond Lifeのデザインコンテストで優勝したこともある経歴の持ち主なんですよ。
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june Bamaisinさん。Daifuku島上空に浮かぶ城もjuneさんが建設した
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ゆっきぃ:デザインコンテスト優勝だなんて、すごいですね。
Dr.ジク:コンテスト賞金をもとにSecond Life内にいくつかの店舗を構えてさまざまな創作物を生み出しつつ、タトゥーなどのファッションアイテムや、「乗れる」龍などの販売を行なわれています。
ゆっきぃ:「龍に乗る」なんて、まさに現実世界ではできないスペシャルな体験ですね!
Dr.ジク:今年の夏には、龍の試乗会を兼ねたイベントを行ったりしているんですよ。
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城では龍の試乗ができる。その浮遊感を体験してほしい
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■ お金、お金と言ってはみたものの……
ゆっきぃ:やっぱり、何をやるにしても、センスと努力が必要なことだけはわかりました。そんな簡単に億万長者にはなれないものなんですね……。
Dr.ジク:そうですね。でも、Second Lifeはお金持ちでなくても楽しめますよ。
ゆっきぃ:そうは言っても、やっぱりお金があった方が楽しいですよね?
Dr.ジク:現実世界と違ってアバターはおなかが減りませんから、現実世界でこの上なくメジャーな売り物である「食べ物」も、Second Lifeではどちらかといえばアクセサリー的な位置づけです。土地を持たなければ、家賃みたいな固定費も必要ありません。お金持ちを目指すのもいいのですが、せっかく現実世界と違う生活ができるなら、楽しくお金に縛られずに暮らすのも素敵なことだと思いますよ。
ゆっきぃ:なるほど! さすがDr.ジク、いいこというなあ!
Dr.ジク:お金の豊かさではなく、心の豊かさを純粋に追い求められるのもSecond Lifeのいいところですよ。
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Second Lifeについてもっと詳しく知りたい方は、Dr.ジクこと竺振宇さんが執筆した「できるポケット+
セカンドライフで『見る・遊ぶ』を体験する本」もご参考ください。
できるポケット+(プラス)シリーズ できるポケット+
セカンドライフで「見る・遊ぶ」を体験する本
2007/07/03発売 定価:819円(本体 780円+税)
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2007/10/09 11:14
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竺 振宇(じく としたか) 上海交通大学船舶海洋工程専攻・横浜国立大学建築専攻工学博士。デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツマネジメント修士。2000年から3次元に特化したシステムの開発に従事。建築、フライトシミュレーション、景観シミュレーション、3次元CADなどのプロジェクトリーダーを務め、幅広い開発者のネットワークを築く。2007年、バーチャルワールドの設計・構築・運営をてがけるジクラボを設立。同年、ngi group執行役および3D利用のインターネットサービスを企画・統括する新会社3Di代表取締役副社長CTOに就任。 |
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