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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
SCN業績発表、So-netブロードバンド会員が69万人に。Portable TVデモも

 So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)は27日、2005年度第1四半期(2005年4月~6月)連結業績に関する発表会を開催した。発表資料によれば、So-netのブロードバンドコース会員数は対前年同期比21.1%(12万人)増の69万人。


ブロードバンド会員数は69万人で、FTTHサービスの構成比率は23%に増加

SCNの吉田社長

2005年度第1四半期の連結業績
 2005年度第1四半期の売上高は、前年同期比4.0%増の100億1,600万円。ソニーのエンターテイメントロボット「AIBO」を販売していた1999年度、2000年度を除けば、2001年度以降の四半期ベースで過去最高の売り上げを記録したという。

 売上高の内訳は、接続事業が6.6%減の68億3,500万円で、ポータル事業は37.6%増の31億8,100万円。構成比率は接続事業が前年同期の76.0%から68.2%へと減少する一方、ポータル事業は24.0%から31.8%へと増加した。なお、ポータル事業の売り上げ拡大に関しては、コンテンツやECサービス、広告の売り上げが伸長したためとしている。

 営業利益は98.6%減の1,000万円、経常利益は85.8%減の1億1,000万円。営業利益に関しては、ブロードバンドコースの売り上げ増加に伴う限界利益増などがあったものの、SIPサーバーやメタデータの構築などといった新規開発投資、ブロードバンド会員獲得のための販売促進費用や広告宣伝費用の増加などに伴い利益が減少したとしている。

 また、関連会社であるソネット・エムスリーとディー・エヌ・エーの保有株式一部売却により、178億円の特別利益を計上。これらにより、2005年度第1四半期の純利益は前年同期比2,521.1%増の103億300万円となった。

 接続事業では、So-netの会員数も公表された。それによれば、So-net全体の会員数は2004年度第1四半期から9.1%(21万人)増の251万人で、このうちブロードバンドコースの会員数は21.1%(12万人)増の69万人だった。また、ブロードバンドコースの第1四半期における会員純増数は5万人で前年同期から2.5倍に増加。同コースのFTTHサービス構成比率は12%から23%へと増加し、第1四半期のブロードバンドコース会員獲得数の割合でも、約7割がFTTHサービス加入者だとしている。


So-net会員数の推移 ブロードバンドコース会員の推移

 これらを踏まえ、SCNの吉田憲一郎 代表取締役 兼 執行役員社長は、2005年度第2四半期における接続事業に関して、「FTTHを中心にブロードバンドコース会員の獲得活動を継続していく」と説明。ポータル事業に関しては、ブログサービス「So-net blog」や「So-net Calender」といった基本ツールの拡充とともに、Webメールサービス「Webメール de PostPet」などの新コンテンツサービスの導入、PSPなど向けのVOD配信サービス「Portable TV」といったコンシューマエレクトロニクス(CE)機器への展開を図っていくとしている。

 なお、2005年度の業績見通しに関しては6月20日修正発表時から変更はなく、売上高が2004年度実績から11.0%増の435億円、純利益が163.0%増の108億円を見込むとした。また、So-net会員数に関しては前年実績から14.0%(35万人)増の280万人を、ブロードバンドコース会員数は25.0%(16万人)増の80万人を見込むとしている。なお、So-net会員数にはiEPG対応テレビ情報サイト「テレビ王国」の会員数20万人を含んでいる。


2005年度第2四半期における事業方針。携帯電話版「Livly Island」の提供も予定する 2005年度業績見込み

PSPに対応したVOD配信サービス「Portable TV」のデモも実施

SCNの宅島氏

PSPでのサービスイメージ
 発表会場では合わせて、7月27日よりサービスを開始するVOD配信サービス「Portable TV」のデモが実施された。

 Portable TVは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」で利用が可能なVOD配信サービス。ただし、サービス利用には、7月27日に公開されたファームウェア「バージョン2.00」をPSPに適用する必要がある。

 動画コンテンツの映像コーデックはH.264/MPEG-4 AVC形式を採用し、今後同形式を採用した機器が発売された際には対応させたいとしているほか、将来的には携帯電話向けにもサービスを提供したい考えだという。なお、Portable TVのコンテンツの映像ビットレートは768kbps、音声ビットレートが128kbpsで、1GBのメモリースティックであれば約2時間20分の映像が保存できるとしている。

 サービスは、So-netのブロードバンドコース会員もしくは登録無料のこんてんつコース会員が対象で、当初は映画の予告編や韓国ドラマ、アニメの第1話などといった約100タイトルを無料で配信する。

 有料コンテンツの開始時期は、現時点で未定。提供タイトル数に関しては、「既存の映像配信サービスなどと同程度の数を揃えられる予定」と発表会に出席したSCNのテレビ&モバイルサービス事業部門 テレビ&モバイルネットワークサービスディビジョンの宅島欣男チーフは説明した。なお、有料コンテンツで利用するDRMに関しては「ソニーグループ内で密に連絡をとりながら検討しているところ」と述べた。

 また、現時点で決定しているコンテンツ提供事業者はギャガ・コミュニケーションズやソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、バンダイチャンネル、ワタナベエンターテインメントなど。

 課金決済に関しては、So-netの利用料金に合算する以外にも、WebMoneyを利用した決済も考えているという。加えて、NTTドコモのiモードを通じた課金決済に関しても検討していくとしている。


Portable TVでダウンロードしたコンテンツをPSPで再生したところ
 コンテンツは、インターネット接続環境にあるパソコンにUSBポートに接続したPSPのメモリースティックDuo/PRO Duoに直接ダウンロードする。具体的には、Portable TVのWebサイト上でダウンロードしたいコンテンツを選択すると会員認証を経た後、ActiveXによるPSPとメモリースティックDuo/PRO Duoの機器認証が行なわれ、コンテンツを保存可能なPSPが表示される。その上で、保存先を選択するとメモリースティックDuo/PRO Duo内にコンテンツがダウンロードが開始される。

 無料コンテンツに関してはDRMが施されていないため、パソコンのHDDなどにもムーブは可能。また、今後はPSPのWebブラウザ機能を利用して直接コンテンツをダウンロードする方式も、技術検証終了後に提供を予定する。

 宅島氏は「外出先で映像を持ち歩くスタイルはさまざまな可能性を持っている」と指摘。通常のコンテンツ提供以外にも、広告や口コミメディアなどの利用も想定しているといい、一例として「お笑い芸人のネタを無料配信して、実際にライブに足を運んで貰う機会が増えるなどといったことも考えられる」と述べた。

 なお、DVDやUMDメディアなどのパッケージ製品との競合に関しては、「Portable TVは気軽にコンテンツを視聴して貰って、次々とデータを入れ替えていくサービス」とした上で、「配信時期などにより、共存できるのではないか」とした。


ダウンロードしたコンテンツを選択すると ユーザー認証画面が表示

次いで、ActiveXによる機器認証が行なわれ、保存可能先が表示される ダウンロードコンテンツはPSPのビデオメニューから再生が可能

関連情報

URL
  ソニーコミュニケーションネットワーク
  http://www.so-net.ne.jp/corporation/
  投資家情報ページ
  http://www.so-net.ne.jp/corporation/IR/index.html
  Portable TV
  http://www.p-tv.jp/

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(村松健至)
2005/07/27 18:17
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