MS05-038は、「JPEGイメージレンダリングのメモリ破損の脆弱性」「Webフォルダの動作のクロスドメインの脆弱性」「COMオブジェクトの脆弱性」を修正する。7月度にはCOMオブジェクトの脆弱性としてJavaprxy.dllが修正されているが、今回はJavaprxy.dllと類似した動作を示す複数のCOMオブジェクトを無効化する。Windows Server 2003およびWindows XP/2000上で動作するIE 6などが影響を受け、悪用されるとシステムを完全に制御されてしまう恐れがあるという。
MS05-039は、Windowsのプラグアンドプレイに脆弱性が存在し、リモートからコードが実行され、権限を昇格されて攻撃者によりシステムを乗っ取られる恐れがあるというもの。MS05-043は、印刷スプーラにリモートからコードが実行されるという脆弱性に対処した。いずれもWindows Server 2003およびWindows XP/2000が影響を受ける。
また、最大深刻度“重要”のパッチとして「テレフォニーサービスの脆弱性」(MS05-040)を公開。7月に「Security Advisory(903144)」として公開されていた「リモートデスクトップの脆弱性」は最大深刻度“警告”のパッチとして公開された。“警告”パッチとしては「Kerberosの脆弱性」も公開されている。以上3件ともにWindows Server 2003およびWindows XP/2000が影響を受ける。
このほか、4月に公開された「Wordの脆弱性」(MS05-23)の影響を受ける製品に「Microsoft Office Word Viewer 2003」が追加された。また、6月に公開された「Microsoftエージェントの脆弱性」(MS05-032)のItanium用Windows Server 2003向けセキュリティパッチの改訂版が利用可能になっている。