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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ソニー、インテリジェントシャッフル機能を備えたウォークマンAシリーズ
~12月にWMAに対応予定。AACへの対応も検討~

ウォークマンAシリーズ(左から、NW-A3000、NW-A1000、NW-A600)
 ソニーは、ポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマンAシリーズ」を新たにラインナップ、HDDタイプ2機種とフラッシュメモリタイプ3機種の全5機種を11月19日に発売する。いずれもオープンプライス。

 発表されたウォークマンAシリーズは、HDDタイプが20GB容量の「NW-A3000(店頭実売価格35,000円前後)」、6GBの「NW-A1000(30,000円前後)」の2機種。FMチューナー搭載のフラッシュメモリタイプが、2GBの「NW-A608(32,000円前後)」、1GBの「NW-A607(27,000円前後)」、512MBの「NW-A605(22,000円前後)」の3機種。なお、NW-A605を除いた4機種はソニースタイルモデルも販売される。

 音声フォーマットはMP3とATRAC3/ATRAC3 Plusに発売時点で対応し、12月にはファームウェアアップグレードによりWMAへの対応も実施する予定だという。同社では、それ以外の機能追加に関してもファームウェア提供により継続的に実装させたい考え。なお、8日に開催された発表会でコネクトカンパニー コ・プレジデントの辻野晃一郎氏は、「将来的にはAACへの対応も考えたい」と述べている。

 いずれの製品も、本体ディスプレイに有機ELを採用。ディスプレイサイズはNW-A3000が2.0インチ、NW-A1000が1.5インチで、解像度はどちらも最大128×128ドット。また、NW-A600シリーズは最大3行表示に対応した最大解像度120×36ドットのディスプレイを搭載する。また製品には、ウォークマンと連動したプレイリスト作成機能などを備えた新開発の専用ソフト「CONNECT Player」が付属する。


NW-A3000。バイオレットとシルバーの2色をラインナップ NW-A1000。カラーはバイオレット、シルバー、ピンク、ブルーの4色

NW-A600シリーズ。NW-A1000と同色の4カラーを用意する CONNECT Player

気に入ったアーティストに近いジャンルのアーティストを紹介する「アーティストリンク」
 機能面では通常のシャッフル機能に加えて、「インテリジェントシャッフル機能」をサポート。同機能のうち、ウォークマンで再生された楽曲履歴をもとに上位100曲をシャッフル再生する「よく聞くシャッフル」、ランダム選択された年のシャッフル楽曲を再生する「タイムシャッフル」の2機能は全機種が対応。NW-A600シリーズでは、ウォークマンがランダム選択したアーティストと近いジャンルのアーティストのシャッフル楽曲を再生する「アーティストリンクシャッフル」、スポーツシーンなどで有用な設定時間に沿って楽曲をシャッフル再生する「スポーツシャッフル」機能も備えている。

 NW-A3000/A1000ではまた、気に入ったアーティストと近いジャンルのアーティストを紹介する「アーティストリンク」機能を搭載する。紹介されたアーティストの楽曲は、曲の途中からプレビュー再生も可能で、曲を聞きながら次に再生したアーティストを選択することができる。

 楽曲検索機能としては、漢字表示のアーティスト名、アルバム名、楽曲名を50音順に並べ行単位で表示する「自動読み仮名変換」機能を新たに搭載。同機能では事前にCONNECT Playerで読み仮名変換が行なわれる。また、カタカナや英数字のイニシャル別に検索が可能な「イニシャルサーチ」機能、再生履歴や評価別の楽曲検索にも対応する。このほか、ウォークマン上で設定した5種類のブックマークを利用して、CONNECT Playerに情報を転送した際にプレイリストが作成できるとともに、削除したい楽曲を予約できる削除予約リストなども用意する。


インテリジェントシャッフル機能では、ランダム選択された発売年の楽曲をシャッフル再生する「タイムシャッフル」などを用意 イニシャルサーチは日本語にも対応

 パソコンとの接続は全機種ともUSBポートを利用し、最大480Mbpsの転送が可能なHi-Speed USBをサポートしている。またNW-A3000/A1000ではUSB充電のほか、付属のACアダプタを利用した充電も行なえる。

 充電時間はNW-A3000/A1000がACアダプタ利用の場合で、80%充電がNW-A3000が約2時間、NW-A1000が約1時間。フル充電がNW-A3000が約3時間、NW-A1000が約2時間。また、フラッシュメモリタイプのNW-A600シリーズは、約3分で約3時間の再生が可能な急速充電に対応し、80%充電が約45分、フル充電が約2時間。なお、連続再生時間はNW-A3000/A1000が現時点未公表で、NW-A600シリーズは約50時間。

 本体サイズと重量は、NW-A3000が65.2×21.4×104.2mm(幅×奥行×高)で182g、NW-A1000が55.0×18.7×88.1mm(幅×奥行×高)で109g、NW-A600シリーズが84.9×13.9×28.8mmで48g。製品には付属品としてヘッドフォンやヘッドフォン延長コード、USBケーブルなどが同梱する。

 CONNECT Playerの対応OSはWindows XP MCE2005/2004、Windows XP/2000 SP4以降。なお、今後発売される製品すべてにCONNECT Playerが同梱されるわけではなく、製品によって従来のSonic Stageを同梱する場合もあるという。

 このほか同社では、充電クレードルやリモートコントローラー、ドック型スピーカー、専用キャリングケースなどウォークマンAシリーズ向けの別売アクセサリーも順次発売していく。


NW-A3000。サイズは異なるが接続端子はNW-A1000も同等 NW-A3000背面 NW-A3000上面

NW-A3000底面 NW-A3000側面 NW-A600シリーズ。外観は既存モデルを踏襲している

NW-A3000/A1000向けの充電クレードル ドック型スピーカー キャリングケース

「ウォークマンブランドを確実に蘇らせる」(ソニー辻野氏)

ウォークマンAシリーズを紹介するソニー辻野氏

エイベックスの松浦氏(写真中央)をはじめ、発表会には音楽会社関係者も出席。新製品に対する期待を述べた
 ソニーでは8日、東京都渋谷区にあるLIQUIDROOMで発表会を開催。コネクトカンパニー コ・プレジデントの辻野晃一郎氏をはじめ、エイベックスや東芝EMI、ソニー・ミュージックネットワークの代表者らが出席した。

 冒頭登壇した辻野氏は、「最近、ソニーの社内では“ソニーユナイテッド”という言葉が盛んに使われている」と述べ、「これはソニーの総合力を存分に発揮していこうというメッセージである」と説明した。また、同氏がコ・プレジデントを務めるコネクトカンパニーに関しては「新しいハードウェア、ソフトウェア、ソフトウェアをもう1度考え直して、ソニーユナイテッドの名の下に有機的に組み合わせ、存分にソニーの総合力を発揮していきたい」と抱負を語った。

 辻野氏は、新製品にウォークマン名称を冠した点について、「社内でもウォークマンというネーミングが古いのではないかという議論がかなりあった」と発言。同氏は「ウォークマンは累計で3億5,000万台以上を出荷しており、影響力を持ったブランドである」とした上で、「もう1度ウォークマンというブランドを確実に蘇らせ、ウォークマンと音楽の新しい歴史を作っていきたい」と語った。

 ウォークマンAシリーズに関しては、「家電というイメージを払拭するという点も1つの大きなチャレンジである」と辻野氏は語る。「パッケージにもこだわり、製品を綺麗にお届けする、ユーザーに対するおもてなしを原点に立ち戻らせる」と述べた。また、国内外合わせたウォークマンAシリーズの販売目標は、「2005年度内で450万台である」とした。


コネクトカンパニーの基本戦略 パッケージにもユーザーに対する“おもてなし”が

 また、コネクトカンパニーの基本戦略として辻野氏は、「オープンなアプローチによって、ユーザーベネフィットをさらに追求していく」という。音楽フォーマットを自社技術であるATRAC3以外にもMP3やWMA/AACにも柔軟に対応させる考えを述べるとともに、音楽、映像以外のメディアへの対応、他のサービス事業者との積極的な連携を挙げた。その上で、辻野氏は「自社が保有する技術にこだわった垂直統合型の閉じたビジネスモデルを展開する考えはない」と述べた。

 他の機器との連携に関しては辻野氏は、「携帯電話に関しては棲み分ける」とした一方で、「プレイステーション・ポータブル(PSP)や車載対応などに関しては、各社、各部門と密に連携をとりながら連携を図っていきたい」と自身の考え方を示した。

 また、米国など海外では音楽配信サービス「CONNECT」を展開しているが、日本国内ではレーベルゲートが運営する「Mora」との連携を図るという。具体的には有名アーテストが作成したプレイリストを「アーティストリンクセレクション」として販売していくことなどを予定しているという。なお、レーベルゲートではMoraの楽曲を購入できる専用プリペイドカード「Mora Music Card」を2005年秋より発売する。


CONNECTについて PSPなどとの連携も

 なお、発表会同日にはアップルコンピュータから「iPod nano」が発表、販売が開始された。辻野氏は「そもそも当社はファッションやトレンド、新しいライフスタイルを提案し続けることで成り立った企業だったが、最近ではそういう部分で出遅れが生じてきていると感じている」とコメント。

 これらを踏まえて、「アップルがやっている部分を見ていると、ソニーが過去に行なってきたことををやっているとも感じており、私どもがサービスを進めるに当たっては非常に参考になっている」と語った。その一方で、「もう1度原点に立ち戻って進めるウォークマンでは、私たちの強みを活かして展開していくため、ユーザーへのアプローチはアップルとはかなり違ったものになるのではないか」と述べた。


発表会場となったLIQUIDROOMではウォークマンAシリーズのグラフィック広告が掲示されていた


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200509/05-0908/

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(村松健至)
2005/09/08 13:41
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