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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アイピーモバイル杉村社長「ポケットの中のブロードバンドを実現へ」

PCカード型端末を手に持つ杉村社長
 アイピーモバイルは10日、総務省が2GHz帯の周波数を利用した特定基地局開設計画について9日付けで認可すると発表したのを受けて、発表会を開催した。

 アイピーモバイルが2GHz帯を利用して提供するのは、TD-CDMA技術を利用したデータ通信サービス。2006年10月にサービス開始を予定し、2007年度末までに東名阪エリアに約3,000局の基地局を、2008年から2012年度にかけて全国に約8,500局の基地局を設置する考え。2007年度末における東名阪エリアのエリアカバー率は、関東および中部地方が各51%、近畿地方が54%を予定する。

 サービス時の利用形態は、カード型端末、組込型端末、モデム型端末、携帯型端末の4種類。また、携帯型端末では将来的に「パーソナルメディアゲートウェイ」と同社が呼ぶ情報端末の投入も進めていくという。利用料金に関しては、カード型など個人向けが月額2,500円~5,000円程度、組込型などM2M(マシン対マシン)向けが月額数百円程度を予定している。

 通信速度は下り最大5.2Mbps、上り最大848kbps。ただし、今後はMIMOなどを利用した高速化も予定しており、2007年度には下り最大22.1Mbps、上り最大2.64Mbpsのサービスの提供を視野に入れる。このため、「モバイルWiMAXが登場した場合にも、我々の技術がそれを超えるものになる」と同社では考えているという。

 このほか同社では、他の事業者と連携したMVNO方式についても積極的に進めていくとしている。


サービスイメージ 提供を予定する端末イメージ

“インターネットのルネッサンス”“ポケットの中のブロードバンド”を推進

(写真右から)杉村社長と丸山取締役
 アイピーモバイルの杉村五男代表取締役社長は発表会の冒頭、「データ通信を中心とした新たなモバイル市場を開拓し、移動体市場の拡大を図っていきたい」とコメント。その上で、「“インターネットのルネッサンス”と“ポケットの中のブロードバンド”という2つのキーワードをもって当社のサービスを展開していく」と語った。

 「インターネットのルネッサンス」について杉村社長は「インターネットは固定通信を前提に開発され、普及してきた」と前置きした上で、「当社が目指すサービスは移動体をベースにしたブロードバンドサービス。この点が大きな違いであり、インターネットのルネッサンスが始まる」と述べた。

 また、「モバイルの中のブロードバンド」に関しては「現在のモバイルインターネットはブロードバンドではない。我々が最終的に目指しているのは、ポケットの中にブロードバンド環境が持ち込める端末の提供」と発言。「これによりポケットがインターネットのホットスポットになり、いつでも、どこでも、誰とでもブロードバンド環境を活用することが可能になる」と強調した。

 杉村社長によれば、今後の投資や増資などの資金調達、MVNO方式における提携事業者などに関しては「機密保持契約を結んでいるため、詳細については現時点で説明できない」という。ただし、「基地局設置における投資額は1,500億円を予定し、2009年度には事業収支で単年度黒字を目指していく」考えを示した。なお、バックボーン部分に関しては自社設備に加え、インターネットプロバイダーの網も利用していくという。

 一方、総務省に提出した開設計画書には2011年度末に1,160万加入が目標と、同時に1.7GHz帯の認定を受けたBBモバイル(669万加入)、イー・モバイル(505万加入)と比較して大きい数値となっている。この点に関して、杉村社長は「1,160万加入のうち、約700万加入がM2Mで、一般ユーザーは約400万加入と考えている」と内訳を明らかにした。加えて、単年度黒字化を目指す2009年度末時点での目標加入者数は「約430万加入で、割合はM2Mとカード型端末で半々程度を見込んでいる(丸山孝一取締役)」とした。

 また、M2Mの主な利用形態としては「車両や機械、オフィス機器などに端末を組み込んでいき、遠隔監視や制御サービスなどを提供していきたい」という。なお、基地局設備および端末メーカーに関しては現在選定中で「近いうちに決定したい(杉村社長)」と述べた。

 音声サービスの提供に関して杉村社長は「すでに9,000万加入の携帯電話市場に対し、新たに設備投資を行なって戦う環境にはない」と述べ、「当面はデータ通信に特化した形でサービスを提供していく」という考えを示した。

 このほか、技術者などサービス展開に向けた人員確保に関しては「国内外問わず集めていきたい」と述べるとともに、「コアとなる技術者に関してはすでに確保済みである」と杉村社長はコメントした。


発表会で紹介されたPCカード型端末


関連情報

URL
  アイピーモバイル
  http://www.ipmobile.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://www.ipmobile.jp/press/img/05-004.pdf

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(村松健至)
2005/11/10 16:20
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