Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
NTT Com、「香り通信」ポータルサイトや脈波による「ゆらぎ通信」を展開

香り通信ポータルで5種類の香りレシピを紹介しているシホ有限会社の藤田社長
 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、香り発生装置で再現可能な香りレシピを提供するWebサイト「香り通信ポータル」の開設などといった感性コミュニケーションを促進するコンテンツ事業を展開すると発表した。

 香り通信サービスは、2004年12月に公開実験を、2005年5月に実用サービスを開始済み。同サービスでは香り発生装置「アロマジュール」を用いて、インターネットを通じて配信されたレシピに基づいて香りが再現される。

 「香り通信ポータル」は、NTT Comのショッピングサイト「CoDenモール」に開設され、掲載されたレシピに基づいてアロマジュールで香りの再現が可能。また、オイルの配合割合も公開されており、ユーザー自身がオイルを使って配合を行なうこともできるという。また、シホ有限会社の代表取締役社長を務める藤田志穂(sifow)氏の1日のスケジュールに基づいて配合された5種類の香りレシピも公開されている。

 同サイトではアロマジュールとオイル6本を同梱した「アロマジュール基本セット」も販売。価格は73,500円で、OCN会員向けのセットではガイド本も付属する。なお、NTT Comでは2005年度中に半額程度の廉価版モデルを販売する予定だという。


香り発生装置「アロマジュール」とPCはUSBで接続する レシピの再調合も可能

 合わせてNTT Comでは、関西学院大学の雄山研究室と共同開発した「ゆらぎ通信」の実験コンテンツ「スピリチュアル・ハーモニー」を発表した。これは、指先の脈波を30秒間測定したデータをインターネット上にあるサーバーで処理し、波形のゆらぎに含まれる情報を数値化して外部環境の変化に適応する能力を12段階で診断するもの。

 11月24、25日に開催される「NTT Communications Forum 2005」、12月20日から22日に開催される「NTTグループ コミュニケーションEXPO」において公開予定で、ニーズや実用性などを検証した上で、早期事業化を目指すとしている。なお、同社では一般向けの公開も検討するという。


藤田社長が手にしている装置と手前のボックス装置で脈波を測定していく 測定結果はゆらぎ指数として表示。指数は常に変動する方が良いという

感性コミュニケーションの展開について

NTT Comの濱田氏。香り通信サービスなどを手がけるにあたって、最近アロマセラピストの資格を取得したという
 NTT Comでは17日、発表会を開催。発表会に出席した同社コンシューマ&オフィス事業部 営業推進部長の橋本弘行氏は、感性コミュニケーションについて、「NTT Comはコミュニケーションを手がける会社であり、コミュニケーションの原点を考えると“繋ぐ”ことである」とコメント。

 橋本氏は「これまで電話などによる聴覚で繋ぐ、テレビ電話で視覚を繋いできており、次に嗅覚、触覚、味覚という流れがある」と述べ、「価格競争以外の市場をどう開拓していくかを考えて、感性に訴える商品開発を行なった」と感性コミュニケーションの開発意図を説明した。

 また、同事業部営業推進部 IP販売推進担当課長代理の濱田俊一氏からは香り通信の取り組みについて説明があった。濱田氏は「2004年12月の実証実験から11カ月間行なってきたことで、我々も気が付かなかった香りの使い方がわかった」と語ったのち、「マンションやホテル、一般企業といった環境としての活用」「スーパーやコンビニでの香り配信やブランド広告で利用するメッセージとして活用」を紹介。コンテンツの香り活用方法としては「Podcastingが最近注目されているが、それの香り版“香りcasting”も考えていきたい」と述べた。

 ビジネス展開としては、「アロマセラピーや料理といった用途別ターゲット、端末開発や利用シーンはパートナーの事業領域」と語った上で、「NTT Comでは香り通信制御プラットフォームを提供していく」と説明した。また、同プラットフォームではEC機能も提供していくという。

 一方、ゆらぎ通信に関して濱田氏は「乳幼児から高齢者までを対象にした実証実験や特許の出願、学会での発表を行なった」という。「ゆらぎ通信は自分でも気が付かなかった部分がわかるもので、究極のコミュニケーションである以心伝心を目指して開発を進めている」と説明。「具体的には相性診断やミスが削減するコンテンツとの連携、自己チェックツールの利用が考えられる」と述べた。

 また、従来のリコメンドサービスにゆらぎ通信のデータを組み合わせたサービスも検討しているといい、「将来的にはソファに座って脈波を測定するだけで、自分に合った香りやBGM、映像が流れるようなサービスを提供できれば」と語った。

 このほか、発表会にはシホ有限会社の藤田社長も出席。「今までテレビなどで実現できなかった香りをネットで楽しむことができるようになったことをきっかけに、インターネットに興味を持ってくれる人が出てくるのではと思っている」と香り通信に対する期待を述べていた。


香り通信のビジネス展開について ゆらぎを活用したリコメンドサービスも検討していく

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ntt.com/release/2005NEWS/0011/1117.html
  香り通信
  http://www.coden-mall.ntt.com/shopping/shop/coden/kaori/index.html

関連記事
NTT Com、香り配信サービスを実用化。第1弾はアロマセラピーレッスン


(村松健至)
2005/11/17 19:02
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.