NTTレゾナントは、「goo」で2月から9月まで実験的に提供していたマルチメディア検索サービス「MultiMedia Meister」の正式サービスを12月21日に開始する。
■ 類似画像検索など世界初の機能を搭載、Podcastingも検索可能
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MultiMedia Meisterの検索結果
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MultiMedia Meisterは、画像・動画・音楽などのコンテンツを対象にした検索サービス。画像検索では、さまざまなサイトが保有するタレント情報などの専門データを収集する。検索対象のファイル形式はJPG、GIF、PNG、BMPなどで、インデックス件数は現在のところ10億件。ユーザー調査に基づき、キーワードに応じた検索結果の最適化を行なうことで高い精度も実現したという。また、送り仮名や人名の誤入力に対応する検索キーワードの自動補正機能を備えたほか、画像のブックマーク保存機能なども搭載した。
さらに、スクロール操作によって最大1,000件の検索結果をページを切り替えることなく連続表示できる機能や、画像の特徴を抽出して似ている順に並べ替えて表示する「類似画像検索機能」を実装。NTTレゾナントによれば、スクロール操作による検索結果表示は世界初、類似画像検索機能は商用サービスとしては世界初だという。
動画検索機能は、インターネット上の動画ファイルに加え、「gooブロードバンドナビ」「ShowTime」「MSNビデオ」などの動画配信サイトが保有するコンテンツが対象。検索対象のファイル形式はWindows Media、Real Video、MPEG、QuickTimeなどで、現在のインデックス件数は150万件。検索結果には、動画中のシーン4枚をサムネイル表示するほか、コンテンツの価格や発売元などの情報も表示する。類似動画の検索も可能だ。
音楽検索機能では、インターネット上の音楽ファイルに加え、「goo Music Store」「Mora」などの音楽配信サイトを検索できる。検索対象のファイル形式はMP3、MIDI、WAVなどで、インデックス件数は380万件以上。音楽配信サイトの検索結果は「楽曲配信検索」として、ほかの音楽ファイルと区別して表示する。また、13,000件のPodcastingも検索対象に含まれる。Podcastingの検索については、現在のところ配信されているRSSをインデックスしているが、今後は対象RSSに含まれるコンテンツまでをインデックスするなどチューニングも実施する予定だ。
なお、検索結果に表示するサムネイルなどについてNTTレゾナントでは、「改変していないこと」「検索用の小さいサイズであること」から「検索結果として許容できる範囲だと判断した」とし、著作権の侵害には該当しないという考え。ただし、著作権者からの削除依頼などがあれば「個別に対応する」としている。
■ 研究機関を対象にMultiMedia MeisterのAPI公開も
MultiMedia Meisterの検索エンジンは、NTTサイバーソリューション研究所が開発したもの。提供中の検索サービスデータベースに対して、サービスを中断することなく高速かつ大量に、新しいコンテンツを登録する「リアルタイムインデックス技術」や、静止画や動画の色や形状といった視覚的特徴を数値化して類似性を比較することで、キーワードによらずに静止画や動画を絞り込める「類似画像検索技術」を実装した。類似画像検索技術は、gooの「最速ニュース検索」でも導入済みの世界最速クラスの検索システム「新鮮情報検索エンジン」と組み合わせて処理を高速化している。
このほか、gooの「ウェブ検索」に導入済みのテキストフィルタリング技術もMultiMedia Meisterに実装。有害コンテンツに含まれることの多いキーワードが掲載されたWebページを検索結果から排除するだけではなく、複数のキーワードが組み合わされてはじめて有害な意味を持つキーワードが掲載されたWebページも検索結果から排除できる。NTTレゾナントでは、「9割以上の検索結果で有害コンテンツを排除できた」としている。
今後、NTTレゾナントでは、データベースの拡充に注力するほか、研究機関を対象にMultiMedia MeisterのAPI公開も視野に入れた検討を行なうとしている。
■ URL
ニュースリリース
http://help.goo.ne.jp/info/n_release/n_051220.html
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(鷹木 創)
2005/12/20 19:00
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